こんにちは! 長野県特派員の山本です。信州の朝晩は涼しく、秋の気配を感じ始めるようになってきました。
今日ご紹介するのは八ヶ岳と南アルプスに囲まれた、長野県富士見町のトピックス。
標高900~1,400mに広がるこの町では、その冷涼な気候を生かした農業が行われています。
そんな富士見町で2026年4月から始まったのが、農地を「貸したい人」と「借りたい人」をつなぐ『農地マッチング』です。スタートからわずか3か月で、農地を借りたいという相談は10件。当初の想定を上回る反響が寄せられているそうです。
農地を貸したい人と借りたい人をつなぐ「農地マッチング」

富士見町では現在、農業を続ける人の高齢化や後継者不足などから、農地をどのように維持し、次の世代へつないでいくかが課題となっています。さらに八ヶ岳山麓に位置する富士見町には傾斜地も多く、法面の草刈りなど、農地を維持するだけでも大きな負担がかかります。
一方で、町には移住者や新しく農業を始めたい人、農業法人などから「農地を借りたい」という相談も増えているのだとか。
そこで始まったのが「農地マッチング」。

これまで個別に寄せられていた農地に関する情報をつなぎ、農業委員会を中心に、集落支援員や町役場などが連携して、貸したい人と借りたい人の橋渡しをしています。
地域を知る人がサポート! だから安心して進められる

この農地マッチングのポイントは、単に「空いている農地の情報を公開して終わり」ではないこと。
農地利用最適化推進委員や農業委員、集落支援員、町役場など、地域の農地事情をよく知る人たちが連携してサポートします。相談を受けた後は、それぞれの希望を聞き取り、現地確認や農地情報の整理を行ったうえでマッチング。地図や台帳だけでは分からない土地の状況や地域事情まで踏まえて、農地を紹介してもらえるのが特徴です。
初めて農業にチャレンジする人にとっても、地域を知る人に相談しながら農地を探せるのは心強いですね!
家庭菜園から農業法人まで! 目的に合わせて農地を提案
「農地を借りたい」といっても、その目的はさまざま。
本格的に農業を始めたい人もいれば、小さな農地からスタートしてみたい人、さらに経営規模を拡大したい農業法人もいます。
富士見町では、小規模な農地からまとまった農地までさまざまな農地を登録し、利用する人の目的や農業経験に合わせた提案を行っています。新規就農を目指す人には始めやすい規模の農地を、農業法人には経営規模に合った農地を紹介するなど、一人ひとりに合わせてマッチング。さらに農地が決まった後も、地域との関係づくりや農地管理に関する相談などを継続的にサポートしていくそうです。
「農業をやってみたい!」の新しい入口にも
富士見町の農地が注目されている背景のひとつが、標高約1,000mという立地と冷涼な気候です。近年は気候変動などを背景に、比較的涼しい環境を生かした農業への関心が高まっているといいます。富士見町は八ヶ岳と南アルプスに囲まれ、標高900~1,400mに広がる高原の町。こうした地域ならではの気候も、新たに農業を始めたい人や農地を探している人から注目を集める理由のひとつになっているようです。
開始から3か月で、農地を借りたいという相談が10件寄せられている一方、現在は貸し出せる農地がまだ十分ではないとのこと。富士見町では今後、農地を貸したい所有者への周知を進めながら、遊休農地の発生を防ぎ、新しい農業の担い手を増やしていく予定です。
さらに、町民が主体となって運営する協働農園プログラム「Fujimi Farming Club」とも連携。移住者の家庭菜園や、小規模に農業を始めてみたい人など、さまざまな形で農業に関わりたい人の受け皿づくりも進めていくとしています。
いきなり本格的な農家になるのはハードルが高くても、「まずは家庭菜園から」「小さな畑から農業を経験してみたい」という人ならチャレンジしやすそうですね。
富士見町の農地を、未来へつなぐ

「使いたい農地がある人」と「農地を使いたい人」。
その両者を地域が間に入ってつなぐことで、使われなくなる農地を減らし、新しい農業の担い手を増やしていく富士見町の「農地マッチング」。農地を守る取り組みであると同時に、移住者や新規就農者にとっては、富士見町で新しい暮らしや仕事を始めるきっかけにもなりそうです。
標高約1,000mの高原という地域の特徴を生かしながら、農地と人を未来へつないでいく富士見町。これからどんな人がこの土地で農業を始め、どんな作物が育っていくのか、今後の広がりにも注目したいですね!