プロフィール

掵喰かざり(はばみ かざり)
アンティークやサイバーパンク、仄暗い空間に煌めく光を描くのが好きなイラストレーターです。世界観のある背景を描きます。
個人様からのご依頼を中心に関西圏で物販イベントなどにも参加しています。

作者について
——どんな幼少期を過ごしていましたか。
ちっちゃい頃はアンパンマンが大好きで、全員のキャラクターソングを覚えているくらいだったそうです。
絵との出会いは塗り絵が最初でしたね。暇があればずっとやっていたと、家族がよく言っていました。
——本格的に絵の道に進もうと思ったきっかけを教えてください。
“プールが苦手だったから”ですね。
——絵の道を志したのがプールが苦手だったから!?
小学校、中学校と、水泳の授業が苦手だったんです。
苦手すぎて、プールがない高校への進学を本気で考えたんですが、プールの授業がない学校が一校しかありませんでした。そこが美術科の学校だったんです。本当にプールが嫌だったので、そこに進学しました。
もともと塗り絵以降も趣味で絵は描いていたので、これを機にちょっと本格的にデッサンとか着彩とかを勉強してみるのもいいかなと思ったのもあります。なので、きっかけとしては、プールが苦手だったから、になります。
——まさか、プールから逃げるために絵の道を選んだとは驚きです。もし、プールのない学校がなかったら、絵の道に進むことはなかったのでしょうか。
多分、趣味では描いていたと思うんですけど、美術科の高校の“周りがみんな絵を描いている環境”っていうのがすごく刺激的で、もっと頑張って絵を描こうと思えたので、普通の高校に行っていたら全然違う道に行っていたと思います。
——高校を卒業後、大阪デザイナー・アカデミーに入ったのにはどういった経緯があったのでしょう。
実は最初は美大を目指していました。でも、絵と真剣に向き合うことで、だんだん“楽しい”っていう気持ちから離れていく感覚があったんです。それがちょっとしんどくて、美大にチャレンジするのはやめようと切り替えました。
ただ、その時期が9月とか10月で、他の大学に切り替えるには遅く、選択肢も多くはありませんでした。
その中で大阪デザイナー・アカデミーを選んだのは、パンフレットを見たり説明を聞いたりして、ここなら美術や芸術とは違うことが学べて、“楽しい”という気持ちを思い出せるかもしれないと思ったからです。
——制作に影響を受けているものはありますか。
ホラーゲームです。触れていると、絵を描きたいなという意欲が出てきます。
——ホラーゲームが創作意欲!? いったいどのようなところから創作意欲が刺激されるのでしょうか。
ホラーゲームのグラフィックって、可愛すぎず、リアルな生々しさがあって、それがすごく好きなんです。
とくに『バイオハザード』みたいなリアルなグラフィックの雰囲気が好きで、見ていると描きたくなってくるんですよね。
ほかには『アウトラスト』とかも好きで、とにかく細かく美麗なグラフィックを見るのがすごく楽しくて、気づいたら描いてしまいます。
——制作するときのルーティーンを教えてください。
できるだけ人がいるところ、家族がいるリビングとかで作業することが多いです。
——意外です! なかなか雑音があると集中できなさそうな気もしますが……。
私は逆に、雑音がある場所の方が作業しやすいですね。
むしろ静かすぎると、描くことにのめり込みすぎてしんどくなってしまうんです。カフェで、隣の席の会話を聞きながら作業する方が、ほどよく集中できて、楽しく長く描けます。
——制作の時間帯はいつが多いのでしょう。
平日は夜に作業することが多いです。本当は朝に作業をしたいんですが、学校でも働いているので、どうしても夜になってしまうんですよね。
学校のない土日とかは、朝7時ぐらいから作業を始めて、自分の絵のノルマが達成できるまで、長い時は夜中まで描き続けたりします。
——描いていて好きなモチーフを教えてください。
好きなモチーフは結構たくさんありますが、とくにアンティーク系は特に好きです。タイプライターとかもよく描きますし、銃とかもすごく好きですね。
あと、マネキンみたいな硬いものや、柄のあるものを描くのも結構好きで、そういうアンティーク風で、『バイオハザード』の世界観にありそうなものを描くのがすごく好きです。
——可愛いものというよりは、結構シックな、ゴシックといった感じですね。
もちろん可愛いものも好きではあるんですが、描くときは、気取っていてかっこいい感じがするものの方が好きですね。
作品について
——今回の展示作品について教えてください。

今作は、まずブランドものやアクセサリー、かっこいい女性を象徴したような絵を描きたいと思ったところから始まりました。『ディオール』や『シャネル』などのブランドを参考にして制作しています。たとえばシャネルであれば黒い服装の女性がかっこいいというイメージがあるので、そういったところを意識しましたね。
美しくてかわいい女の子でありながら、スタイリッシュでかっこいい要素もあわせ持ったような絵を描きたいなと思って、この作品を制作しました。
――この作品ではどんなところに挑戦しましたか。
もう一作作品を展示したのですが、そちらは挑戦した作品ですね。
実は私、色弱を持っていて、特に緑・水色系が見づらいんです。でも、苦手なままで終わらせちゃダメだよなと思って、全体的に緑・水色系を使いながら制作しました。なので、この作品に関してはチャレンジしたなと自分で思っています。
――認識するのが苦手な色をあえて使われたのですね! 実際にどういうふうに制作していかれたのでしょう。
陰影などは普段通り立体を捉えてちゃんと描けたなと思うんですけど、色味の点でいうと正直、しっくりはきていません。とくに緑や水色は、影の色になった時にどんな色になるのかがわからなくて。パソコンのカラーサークルを触って、普段よく使う赤だったらこれぐらい動かすから、これぐらいかなと、考えながら手探りで描いたのは挑戦だったかなと思います。
——この作品の中で、特に見てほしいポイントを一つ挙げるとしたらどこですか。
絵の左側の手の部分ですね。
ここが自分的にすごくうまく描けたと思っています。めっちゃ可愛いと思っているので、ぜひ見てほしいです。
アクセサリー屋さんとかで、服のマネキンと同じように手のマネキンがあるんですが、それを参考にして描いてみました。ここ以外にもいろいろ工夫して描いているので、ぜひ好きな部分を見つけてもらえたらうれしいです。

メッセージ
——掵喰さんの将来の夢は?
夢と言うと少し変かもしれませんが、ずっと絵を描いていきたいですね。そのために食いっぱぐれないくらい、自分が絵でうまくなりたいです。私の中で一番欲しいものは、自分の描きたいものを素直に描けるくらいの画力ですね。
——改めて、掵喰さんにとって絵とはどんな存在でしょうか。
“自分が生涯続けられるもの”です。
絵を描くことが好きかと聞かれると、正直ルーティンになっている部分もあるので、わかりません。それでもやっぱりやめずに、人生をかけて続けていくものだと自信を持って言えます。つらいときに寄り添ってくれる存在というよりは、描くことで一緒に成長していくものかなと思っています。
――これから絵を目指す人や、絵を描いている人にメッセージをお願いします。
まずは楽しんで描くことを大事にしてほしいなと思っています。最初は好きだったけど、学び始めたら苦しくなってしまったという子もたくさん見てきましたし、真剣に頑張っている学生さんも多いんですけど、悩みながら描いている子よりも、素直に楽しんで描いている子の方が上達が早いなと感じることが多いです。
なので、絵を描くのが嫌だなと思ったら、一度やめることも大事だと思いますし、また楽しめそうだなと思えたタイミングで再開する、というのを続けていってほしいなと思っています。
絵を描くこと自体を目的にするのではなくて、自分が楽しむことや、人生を幸せにすることを目的にして、その手段として絵を使ってもらえたら、もっと楽しく描けるんじゃないかなと思うので、少し意識して頑張ってもらえたらうれしいです。
インフォメーション

掵喰かざり(はばみ かざり)
アンティークやサイバーパンク、仄暗い空間に煌めく光を描くのが好きなイラストレーターです。世界観のある背景を描きます。
個人様からのご依頼を中心に関西圏で物販イベントなどにも参加しています。