プロフィール

屑謫(くずせ)
SNSをメインに活動しているイラストレーターです。
Vライバーのデザインや立ち絵、MVイラストを中心に、キャラクターの男女を問わず制作しています。
体の曲線や布の重なり、小さな装飾を描くのが好きで、クリアでキラキラしたイラストが得意です。
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作者について
——どんな幼少期を過ごされていましたか。
小さい頃から、それこそ保育園に通っていた3、4歳くらいの頃から、ずっと絵を描いている子どもでした。
たしか『プリキュア』とか、アニメのキャラクターが好きでよく描いていた記憶があります。
絵を描くようになったのは両親の影響が大きいですね。私の両親が絵を描く人だったので、自然と私も描くようになったんだと思います。
——本格的に、絵を描こうと思ったきっかけを教えてください。
高校生の頃にイラストコースを選んだことがきっかけです。
実は小学校くらいのときから、すでに“絵を仕事にしたい”とは思っていたんです。でも、イラストとかクリエイト系の仕事は“一握りの人しかなれない”というイメージがありました。
中学生で進路を考えたときに、「そんな不安定な仕事をやりたいなんて言えないな」と思って、一度は保育士の専門科のある高校を選びました。
そこから絵はやらないつもりだったんですが、その高校には芸術の専門もあって、そこで出会った友人たちがみんな美術系の学校を目指していたんです。
一緒に過ごすうちに、自分も諦めきれなくなって……途中からイラストコースに変更しました。
——すごい決断ですね! 親や周囲の反発もあったのではないでしょうか。
高校くらいはイラストを学んでも、一応高校卒業の資格は取れるし、その後はどうにでもなるかなと思ってイラストコースにしたんですけど、やっぱりそこまでやると、今後もその道に進みたいとなって……。
それを伝えたときは、すんなりとはいきませんでした。昔から両親や祖父母に「いい大学に行ってくれ」と言われていたので、最初は渋られてしまいましたね。
なので、自分で学校についてたくさん調べて、何度もプレゼンしました。それでなんとか理解してもらえましたし、自分も専門学校を卒業してもイラストを続けていくぞ、という決意を固めました。
——いろいろ学校がある中で、大阪デザイナー・アカデミーを選んだ理由を教えてください。
もちろん最初は、私も有名な美大を考えました。でもそれってだいたい東京にあるじゃないですか。親から「あまり遠くに行ってほしくない」「兄弟が多いから、遠くの大学に出して一人暮らしもさせるのは難しい」と言われてしまって。それで東京は諦めて、他を調べることになりました。
それで大阪デザイナー・アカデミーに決めたのは、イラストを学べると思ったからですね。芸大や美大となると、どちらかというと芸術や美術の方になると思うんです。高校ではどちらかというとそちらを学んできたんですけど、自分的にはイラストやキャラクター系を学びたかったので、それを中心に探していて、見つけたのが大阪デザイナー・アカデミーでした。
——芸術ではなく、イラストを学びたかった、そして家から通える範囲にあったということですね。
そうですね。あとは説明を聞いたり、パンフレットを取り寄せて見たときの雰囲気が良かったことと、“ここを出たら仕事につながりそう”と働くイメージが湧いたのが大きかったですね。
学校内に現役で活動されている先生もたくさんいらっしゃいますし、内外問わずプロの方に教えてもらえる機会もあります。いろんな方を呼ばれているという説明もあったので、そういった点が決め手になりました。
——実際に2年間学校に通ってみて、いかがでしたか。
すごく楽しかったです!
私は人見知りで、友達を作るのがすごく苦手だったんですが、授業や学祭で交流するうちに、いろいろ話もできましたし、先生方もすごく親身になって話を聞いてくださいました。
そこで意見をもらえたり、話せたりしたことが刺激になりましたし、勉強にもなりました。この学校に通っていなかったら、そんな機会もなかったと思うので、ありがたかったです。
——制作に影響を受けているものはありますか。
たくさんあります。
まず、本格的に二次元系にハマった入り口は、ボーカロイドでした。電子的なデザインや、ロボットのような要素が好きで、今もモチーフに選ぶことが多いです。
これらのモチーフにさらに深くハマるようになったのは『ファイブスター物語』という漫画に出会えたのが大きかったです。

1980年代くらいの漫画で、人造人間がたくさん出てくる作品です。その人造人間の女の子たちのデザインがすごく好きなので、影響は絶対に受けていると思います!
あとは、系統は違うのですが、まふまふさんもすごく好きですね。それまでもともと天使や、大きい羽を描くことも好きだったんですが、まふまふさんが天使モチーフで活動されていたのもあって、天使について考える機会がすごく増えました。
——ボーカロイド、人造人間、天使。どれも人間の形はしているけれど、人間ではないというのが共通していますね。
そうなんです。人外というか、人間の形をしているけど、人間ではないものに惹かれますね。
単純に見た目が好きというのもありますし、人体そのものへのフェチズムというか、人に似ているからこそ際立つ『人とかけ離れた美しさ』や特徴的なパーツに魅了されてしまうんです。あとは、その神秘的なビジュアルと中身とのギャップにも弱くて。
そういう存在への強い憧れがあって、どこか『自分もそんな特別な存在になりたい』と自分を重ねて見ている部分があるんですよね。ちょっと恥ずかしいですが、そういう中二病的な思想のようなものが、私の原動力になっているのかもしれません。
でも、あまり描いたりはしませんが、見た目が人間でないものも好きですよ。例えば、ファイブスター物語のモーターヘッドのような、いかにもロボット的なものだとか、聖書に記述された、異形の姿の天使なんかも好きです。
自分の作品に反映されるのが人型である理由としては、やっぱり人体の好きなパーツや形を描きたいというのと、自分を重ねることができるような、憧れの姿を描きたいという思いがやっぱりどこかにあるからですかね。実際オリジナルのキャラクターには、自分と同じ位置にピアスをつけたり、自分がしていたり、してみたいと思っている髪色や髪型をさせたりすることも少なくないです。
他にも、雑誌やテレビで洋服の写真を見たときに、「この服のこのパーツを描きたい」と思ったら、そのパーツを描くためにキャラクターを考えて、服を考える、といったこともよくありました。
——幼いころから今までのことで創作に活かされていると感じるものはありますか。
やっぱり、幼い頃から描き続けてきたことだと思います。
小さい頃から親にイラストをよく描いていたんですけど、小学生の頃に親から手紙をもらう機会があって、そこに「いつも描いてくれるイラストがすごくうれしい」と書いてくれていたんです。それがずっと心に残っています。
描いたら人に喜んでもらえるという体験のおかげで、描き続けられているというのもありますね。
——制作時のルーティンを教えてください。
描く時間帯は夜が多いです。予定がない日は、昼間はずっと寝て、夜7時とか8時に起きて、そこから明け方までずっと絵を描いていますね。
作業は絶対に自分の部屋で描きます。というのも、私、資料を全部画面に出して描くんですよ。なので、家じゃないと描けないですね。
——制作時にはなにか飲まれたりするのでしょうか。
めっちゃ飲みます! 水が入った大きいタンブラーと、紅茶が入ったマグカップ、ときにはそれに加えてリンゴジュースも置いてます。

——どんな作品を描くことが多いですか。
光の強いイラストを描くことが多いです。光が当たっている部分がすごく明るくなっているような感じですね。
あと、露出している部分と、布がたくさん重なっている部分のメリハリをつけるのがすごく好きです。
さっきお話しした『ファイブスター物語』も、女の子の服装が時代によって結構変わるんですよ。中にはレオタードのような服に、ものすごく大きいマントをつけているものもあって。たぶん、そういうバランスが好きなんだと思います。
作品について
——今回の展示作品について教えてください。

モチーフは天使と、自分がいつも描いているものと同じではあるんですが、展示の方法を工夫しています。普段なら一枚絵を大きく印刷して展示するところ、今回は一枚のイラストを3分割して、それぞれにパソコンのタブのようなフレームをつけています。
今作の制作テーマが“自分の原点や根本にあるもの”だったので、好きなモチーフである天使とデジタル世界を表現するために、こういった形を選びました。
3分割にした理由としては、大きいサイズで展示したかったからと、自宅から自分で持ってこれるサイズにしないといけなかったからです。
——天使で、明るいデザインなのに、不穏さも感じられるのがすごいですね……。
ありがとうございます。これは私が天使をはじめとした人外キャラが好きな理由にもつながるんですけど、得体の知れなさゆえのちょっとした怖さがあるところに惹かれます。天使も、真っ白で無垢な感じがしますけど、人によっては悪魔より怖いという話もあります。
今回のイラストでは、天使にあえて大きな鎌を持たせているのですが、そういうところで少し怖さを表現できたらいいなと思って、このようにしました。
——今作はどういった経緯で制作されたのでしょうか。
実は、今回展示しているイラストは、今回の展示のための描きおろしではなくて、過去に描いたものなんです。卒業後に、同じ学生だった方たちとギャラリーで“自分を表現するもの”というテーマの展示をしたときに描いた絵になります。
なので、思う存分、自分の得意なものや好きなものを詰めようと思って、モチーフも色味も含めて、好きなものを全部集めた作品になっています。
——なぜ新作ではなく、過去作を展示されたのでしょうか。
自分でもすごく描き込んでいて、気に入っている作品だったからですね。
一応、SNSにもこのイラスト自体は投稿しているんですけど、フレームで分割した形では出していなくて。そういう形で見られるのは展示の機会だけだからというのもあります。
最初にこの作品を展示したときも期間が長かったわけではないので、今回の方が人の目に触れる機会も多いかなと思って、この作品を今回の展示作に選びました。
——専門学校で学んだことで、今作にも活かされていることはありますか。
肌の陰影のつけ方ですね。これは在学中に教わったことで、今作だけというよりは、私の作品全体に言えることなのですが、それまで自分では考えたことがなかった部分だったので、教えていただいてから、作品にも意識して反映するようになりました。
今回のイラストも、すごくよく描き込んでいます。
——今作で挑戦だったことを教えてください。
小物を描くことですね。
実は私は小物を描くのがすごく苦手で、道具や無機物のようなものを描くのは、これまで避けがちでした。絵の空白を人物と記号や文字で埋めてしまうことが多くて、積極的に小物を描くことはあまりなかったんです。
でも今回のイラストでは、鎌や花、バルーンなどの小物をあえて描きました。それら違和感なく描くために、さきほどもお話した陰影をしっかりつけて描き込むことに力を入れています。
——今作のここを見てほしい、というポイントをひとつ教えてください。
個人的にこだわって描いたのは、人物の身体のラインです。
ひとりが少し後ろを向いている構図になっているんですけど、服の胸元にできる隙間や、布が少し浮いて立体になっている感じは、特に意識して描きました。
あとは、腰から足にかけてのラインですね。直線的になりすぎないように、ほどよく肉感が出るようにしています。足のカーブや付け根の部分など、細かいところも意識して描きました。
ちゃんと立体感や肉感が伝わるようにしてあるところがポイントです。

メッセージ
——将来の夢を教えてください。
やっぱり、イラストをする人間としては“大きい仕事”をしていきたいです。
それこそ、電車広告やアニメ、大きい広告などにも関わってみたいですし、CMなどでイラストレーターが起用されることも多いので、そういう仕事にも挑戦してみたいと思っています。
たくさんの人の目に触れるような仕事を、これからどんどんしていきたいです。
——改めて、屑謫さんにとって、絵とはどういう存在ですか。
“切っても切れない存在”ですね。小さい頃からずっと描いてきて、何度か離れようとしたこともあったんですけど、結局なんだかんだで今も描き続けているので、私にとってはもう自分の生活の一部です。
——最後に、これから絵で挑戦していく、未来のアーティストへメッセージをお願いします。
自分の経験から思うのは、“難しい職業だから”“クリエイターだから”という理由で諦めてほしくないということです。どこでチャンスをもらえるか、どのタイミングで活躍できるかは本当に分からないと思うので。
やったことがないことって怖いと思うんですけど、それを理由に断ってしまうのではなくて、もらえたチャンスをつかんでいくことが大事だと思います。
そうやって続けていけば、少しずつでも自分のなりたい姿に近づいていけると思うので……ありふれた言葉かもしれないですが、諦めずに続けてみてほしいです。
インフォメーション

屑謫(くずせ)
SNSをメインに活動しているイラストレーターです。
Vライバーのデザインや立ち絵、MVイラストを中心に、キャラクターの男女を問わず制作しています。
体の曲線や布の重なり、小さな装飾を描くのが好きで、クリアでキラキラしたイラストが得意です。
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