ボードゲーム制作ユニット『愉快班』さんにインタビュー! 【後編】 愉快班のゲームデザイン担当、つるおかさんにインタビュー!& 愉快班さんのボードゲームについて深堀り!

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ボードゲーム制作ユニット『愉快班』さんにインタビュー! 【後編】 愉快班のゲームデザイン担当、つるおかさんにインタビュー!& 愉快班さんのボードゲームについて深堀り!

イントロダクション

HAPPY!

いっちーです!

今回取材したのは、ボードゲーム制作ユニット“愉快班”のお二人!

後編はゲームデザインを手掛けるつるおかさんにお話をうかがいます。

なんと、愉快班のはじまりだけでなく、すべてのゲームのアイデアを持ってくるのがつるおかさんなんです。

実際のボードゲームの制作話では前編水田さんにも参加してもらって、深掘りしちゃいますよ~!

それじゃ~いってみよー!

前半はコチラ

Chapter01 「この面白い人たちより、面白いゲームを」――つるおかさんの発想を育てた遊びと出会い

愉快班では、主にどのような役割を担当されていますか。

主に、ゲーム自体の企画を担当しています。コンセプトやタイトル、どのようなゲームシステムにするかといった、最初の原案を考える役割です。その後、デザインの方向性や細かなルールについて、水田さんと一緒にすり合わせながら作っています。

制作されているボードゲーム、どれもアイデアが本当にすごいですよね。もしかして小さい頃から、ゲームを考えたり、空想したりすることが好きだったのでしょうか。

ずっと野球をしていて、小学生の頃から野球のテレビゲームでもよく遊んでいました。ゲームの中で想像上の選手を作ったり、サクセスモードで育てた選手を集めてチームを作ったりするのが、すごく好きでしたね。
ただ、これは特別な遊び方というより、みんなやっていたことだとは思います。
あとは、現在、企画の仕事をしていることや、SNSを見るのが好きなので、ネットカルチャーやミームなど人の間で共有されている文脈を蓄えていることも、発想力につながっているのかもしれません。

つるおかさんがボードゲームに興味を持ったのはいつですか。

ボードゲームに興味を持ったのは、大人になってからです。
まだボードゲームに詳しくない頃に、一人でゲームマーケットへ行ったのですが、そこで売られている作品の自由さに驚きました。
それまでは、ボードゲームといえば『オセロ』や『人生ゲーム』のような作品をイメージしていたのですが、会場にはプロポーズをテーマにしたゲームや、当時のニュースを皮肉った時事のゲームまであったんです。“ボードゲームって、こんなに自由なんだ。面白いな”と思いました。

そこから自分でも作ってみたいと思うようになったきっかけを教えてください。

これもゲームマーケットに行ったときです。面白いボードゲームの数々を見ているうちに“この面白い人たちよりも、面白いゲームを作ってみたい”と思ってしまったんです。当時まだ何も知らないがゆえの怖いもの知らずな発想ですが……。
ただ、自分一人ではアートやデザインまではできないので、その時点ではあくまで作ってみたいという気持ちを持っているだけでした。

これまで遊んだ中で、「これは面白い!」と思った作品や、特に惹かれたところを教えてください。

最初に面白いと思ったのは、『たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。』です。
プロポーズは、時間をかけて練りに練り上げた言葉を伝えるもので、人生でも何度もあるシチュエーションではないじゃないですか。そのプロポーズをする人・される人の役に入り込んで、限られた言葉だけで、いかにウィットに富んだ言い方をするか。ライフイベントがゲームになるんだという発見が、すごく面白かったんです。僕にとっては、ボードゲームの概念が変わるエポックメイキングな作品でした。
この作品が入口だったこともあって、言葉を使った大喜利系のゲームが好きなんですよ。自分でゲームを考えるときも、どうしてもそういうものが多くなりますね。

『たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。』(ClaGla)

『たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。』

人生で最も幸せな瞬間!それはプロポーズの時!
このゲームはそんな最高の瞬間を何度も繰り返し体験することができるゲームです。配られたカードを自由に組み合わせて最高のプロポーズの言葉を作りましょう!

あとは、『音速飯店』もすごくよくできていると思います。みんなが知っている街中華のよくあるメニューを言葉ごとに分解し、それを組み合わせて、手札を先に出し切った人が勝つゲームにしている。日常とゲームの接着のさせ方がすごくて、“こういう遊び方があるんだ”と度肝を抜かれました。初心者同士でも、みんなで楽しく遊べるところも魅力です。
さらに驚いたのが、カードが全部で60枚あることです。60は、2人でも3人でも4人でも5人でも6人でも割り切れる数字なので、どの人数でも同じ枚数を配れます。作る側の視点で見ると、この枚数設定もすごく上手だと思います。

『音速飯店』SAKURA-GO-ROUND/作 CHIHIRO YOSHIDA/イラスト
販売元:すごろくや
画像提供:すごろくや

『音速飯店』

『音速飯店』は、「チャー」「ハン」のように中華料理名を順番通りに完成させていく、全員同時参加のスピード勝負ゲームです。各自が我先にとカード名を叫びながら料理を作り、「とりけし」で他者を妨害しつつ、いち早く手札をなくすことを目指します。脱落戦で最後の1人が優勝です。(SUPPE商品ページから引用)

最近気になっているボードゲームや、好きな作品はありますか。

最近遊んだものでは、先日のゲームマーケットで買った、トキキルさんの『Q.●▲★■(クイズマルサンカクホシシカク)』が面白かったです。

『Q.●▲★■(クイズマルサンカクホシシカク)』(トキキル)

『Q.●▲★■(クイズマルサンカクホシシカク)』

バラバラになったクイズ文を復元して答える、早押し感覚のパーティクイズゲーム。

現在はトキキルの公式オンラインストアで受注を承っています。
https://shop.tokiqil.com/products/q-products-q-maru-sankaku-hoshi-shikaku

問題カードには、誰でも簡単に答えられるクイズの問題文が、4つに細かく切り分けられ、バラバラの順番で書かれています。解答者が●▲★■のどれかのスイッチを押すと、出題者がその記号に対応する言葉だけを読み上げる。そうして少しずつ明らかになる言葉を頭の中で組み合わせ、元の問題文を想像して答えるゲームです。
シンプルで誰でも遊べるところも魅力ですが、僕はそのゲームシステムにすごく感動しました。誰でも簡単に答えられる問題文でも、細かく切り分けて、ごちゃごちゃにし、情報を少しずつ小出しにするだけで、こんなに難しくなるんだなと。

たとえば、パンはパンでも、食べられないパンは? という問題なら、“食べられない”の部分だけが公開されるようなイメージですか。

もっとわかりにくい切り方で“もたべら” “れないぱん”というように、本当に不思議なところで切られています。

制作をする中で、やりがいや楽しいことは何ですか。

楽しいのは、遊んでくれた人の反応を直接感じられることです。
遊んでいる人が投稿した動画を見られたり、イベントなどで手売りしたときに、「この前、あのゲームで遊んですごく楽しかったです」と声をかけてもらえたりします。そうした直接的な反応が見えることに、すごくやりがいを感じています。

Chapter02 ひと目で伝わる“面白さ”――愉快班らしいゲームづくり

お二人が、“これが愉快班らしさだな”と感じるのは、どのようなところですか。

ルールがシンプルで、パッと見たときに何をするゲームなのかが分かりやすいものを作りたいという意識が共通しているところですね。
『ギャル短歌七七』は、まさにそれにぴったりのゲームでした。
つるおかくんからアイデアを聞いたときも、ルールの説明がすごくシンプルで、普段ボードゲームで遊ばない人でも、聞けばすぐにピンとくる内容だと思いました。

僕も、パッと聞いた瞬間に“面白そう” “やってみたい”と思えるかどうかという、瞬発力を大事にしています。
単純にゲームとして成立し、遊んで面白いだけではなく、そのゲームを知った人や遊んだ人が反応し、SNSで広がっていくかどうかまで考えていますね。ゲームとしての面白さと、思わず誰かに伝えたくなる広がりやすさの両方を備えたアイデアにすることは、毎回大切にしています。

作品づくりでは、どのようなことにこだわっていますか。制作する中で、大変だったことについても教えてください。

ゲーム設計では、“残すべき負荷”と“取り除くべき負荷”を意識しています。
ゲームの中で感じる不自由さが、作品ならではの体験や面白さにつながるのであれば、あえて残すべき負荷だと思います。反対に、カードが小さくて扱いづらい、文字が小さい、色が見づらいといったUI上の負荷は、遊ぶうえでノイズになるので、取り除かなければなりません。
『ギャル短歌七七』は、負荷を極力減らした作品です。五・七・五・七・七のカードを並べて短歌を作るため、紹介画像を見ただけでも遊び方を想像できます。選択肢もかなり少なくしていて、ボードゲーム会などで“最もシンプルな大喜利ゲーム”と言っていただくこともあります。

印象に残っている感想やエピソードはありますか?

ZINEフェスで『ギャル短歌七七』を頒布していたとき、短歌が好きだというフランス人の方が来てくださったことがあります。その方は、できれば毎日短歌を作りたいけれど、なかなか考えられない日もあるとおっしゃっていて、「このゲームがあれば、寝る前にカードを並べるだけで一首作ることができる。短歌をもっと日常に取り入れるために使いたい」と、購入してくださいました。
“ギャル短歌だよ!?”とは思いましたが、国や文化を越えて楽しんでいただけるゲームなのだと分かり、すごくうれしかったですね。

また、出版記念ボードゲーム会に年配の男性が参加してくださったことも印象に残っていますね。
その方は最初、“ギャルとは……?”という状態で、『ギャル短歌七七』に収録されている“生き急ぐなし”という言葉を見て、「この「し」は、どのような活用なんですか?」と、とても真面目に解釈をしようとされていました。
すると、一緒に参加していた本物のギャルの方が、「しを消したら生き急ぐな、になるので否定です」と説明してくださったんです。それで「なるほど、僕はすべて分かりました」と言ったかと思えば、次々とすごいギャル短歌を生み出して、最終的には優勝までしたんです!
ギャル語になじみのなかった方が、言葉の使い方を理解した瞬間にギャルとして覚醒する姿を目の当たりにできて、胸が熱くなりました。

ほかにも『ギャル短歌七七』を使った歌会で、印象的な出来事がありました。
その会では、カードを組み合わせて作った短歌を短冊に書き、ペンやシールで自由にデコレーションしてもらったんです。すると、参加していた男性が、シールを貼り始めた瞬間に覚醒して!
小さくてキラキラしたシールを散りばめ、まるでクリスマスケーキのような、すごくかわいい短冊を作られたんです。
短冊を作るたびにどんどん上達し、最後には、これまで書いたことがないはずの飾り文字まで自然に書けるようになっていたんです。ご本人も、「今日、この会に参加しなければ、自分にデコレーションの才能があることに気づけませんでした」とおっしゃっていました。
私たちも、この方の才能が埋もれたままになる未来があったかもしれないと思うと恐ろしくなるほど、素晴らしいデコレーションでした。遊びを通して、その人自身も知らなかった一面や才能が現れる瞬間に立ち会えたことは、開催してよかったと思えた出来事の一つです。

僕が特に印象に残っているのは、誕生日プレゼントとして『ギャル短歌七七』を贈ってくださった方がいたことです。誰かに喜んでもらうための贈り物として、このゲームを選んでいただけたことが、すごくうれしかったです。

Chapter03 “内なるギャル”を呼び覚ませ――『ギャル短歌七七』ができるまで

『ギャル短歌七七』(愉快班)

100種類のギャルマインドカードを組み合わせてバイブスぶち上げなギャル短歌を作っちゃお!

上の句(お題)を出題する「上の句ギャル」に

「下の句ギャル」は上の句に合う下の句を提案!

いちばん心に来るギャル短歌を詠んだ人に“ギャルピース”を送る…

令和の「ギャルマインド歌会ゲーム」ここに爆誕…!

『ギャル短歌七七』は、どのように生まれたのでしょうか?

私たちは『ギャル短歌七七』の前に、1作目として『おじさん構文、つくっちゃおうカナ?』を作ったんです。
これがWebニュースにも取り上げていただき、“私たちの着眼点は悪くなかったんじゃないか”と、すごく自信になったんですが、ほぼ同じタイミングで『オジサンメッセージ』というゲームが発売されて! それを見たときに“私たちがやりたかったことを、もっと分かりやすく形にしたゲームだ”と感じました。
そこで2人で反省会をして、1作目はルールが少し複雑だったことや、パッケージのインパクトが足りなかったこと、コンポーネントが少しチープだったことなどを振り返りました。その反省を踏まえながら、“もう一度2人で作ってみよう”と動き出し、2022年に制作した第2作目が『ギャル短歌七七』です。

『おじさん構文、つくっちゃおうカナ?』(愉快班)

きっかけは、もともとSNSでも楽しまれていた文脈のある“ギャル”と、ボドゲであるあるのフォーマット“短歌”を書け合わせたら新しいボドゲになるのでは? と思ったことでした。
僕自身、短歌を作っていたわけではありませんが、もともと短歌は読んでいて興味があって。
5・7・5・7・7と決まった形式があることは、大喜利ゲームのフォーマットとしても相性が良いと感じていたんです。
SNSでもギャル口調で短歌を詠んでいる方がいて、ギャルと短歌という一見距離のあるものを組み合わせる面白さも含めて、みんなで遊べる形にしたらさらに楽しめるのでは? と思い、ボードゲームにすることにしました。

今作のギャルらしい言葉はどのように集めていったのでしょう。

言葉は基本的に僕が考えたのですが、僕自身はギャルの道を通ってきたわけでも、ギャルが特別好きだったわけでもありません。なので、まずはギャルが話しているYouTubeの動画やSNSの投稿をたくさん見ました。
ただ、そこで使われている言葉をそのまま採取するのではなく、“こういう人格の人なら、どんなことを言いそうか”と連想しながら、言葉を考えていったんです。もともと、ギャルのポジティブな発想や考え方はすごくいいなと思っていたので、表面的な言葉遣いだけではなく、その根底にあるマインドを捉えることを意識しました。

つるおかくんは、ギャルのメイク動画やkemioさんの動画を最初から一気に見て、人格が少し明るくなるくらい、ギャルマインドをインストールしていましたね。
その研究を通して見つけたのが、
“明るく前向きで、過去は引きずらない”
“周りに合わせず、自分の意思を伝える”
“なんとかなるで、今を楽しむ”

“仲間思いで、みんな友達”
“生きているだけで偉いし、かわいいし、アゲ”
という“ギャルマインド5箇条”です。
これが『ギャル短歌七七』の根底にある考え方になっています。

ギャル短歌ルール

今作はどのように制作を進めていかれたのでしょう。

言葉の候補は、2人で出していきました。記憶が正しければ、つるおかくんが250個くらい出してましたね。
最終的に収録された100種類のうち、98個はつるおかくんが考えた言葉で、私が考えたのは“オタクくん”と“オタクに優しい”の2つだけでした。私はオタクに寄った発想しかできなかったのですが、つるおかくんは当時、本当にギャルマインドを降ろしているような状態で、次々と素晴らしいパンチラインを生み出していましたね。

いくらギャルマインドをインストールしたとはいえ、それが本当に正しいものか不安にはなりませんでしたか。

そうなんです。本当にギャルマインドを表現できているのか、なかなか確信を持てませんでした。
そこで、渋谷のギャルカフェに行って、実際のギャルの方々にゲームを見ていただきました。
「これで本当にバイブスが上がりますか?」と聞いたところ、「上がるんですけど! 共感しかない。めっちゃうちらのこと分かってる」と言っていただけて、そこでようやく自信を持つことができました。

実際に遊んでいると、年齢や性別も関係なく、その人の内側にいるギャルが現れるように感じます。このような体験は意識されたのでしょうか。

僕も水田さんも、実際にギャルの道を通ってきたわけではありません。でも、ポジティブな部分も含めて、誰の中にもギャル的なマインドはあると思うんです。ただ、自分ではそれに気づいていなかったり、普段は表に出せなかったりする。
このゲームで“あなたはギャルです”というロールに入り、カードに書かれた言葉を借りることで、自分の中に眠っていたギャル人格が表に出てくるんです。それが一種のデトックスのような、気持ちよさにつながっているのだと思います。

“ギャルになる”というロールプレイができるのは、ボードゲームならではですよね。私たち自身も、遊ぶことで気持ちがスッキリして、明るくなる感覚があります。
ゲームを始める前よりも、終わったあとの方が世界が少し明るく見える。『ギャル短歌七七』が、遊んだ人にそんなふうに寄り添えるゲームになっていたらいいなと思っています。

その『ギャル短歌七七』の続編『働くギャル短歌七七』が出たときは本当に驚きました。こちらはどのような経緯で生まれたのでしょう。

『働くギャル短歌七七』(愉快班)

仕事も短歌も盛るしかなくない?ギャル短歌、待望の第2弾!

いちばん心に来るギャル短歌を詠んだ人に
”ギャルピース”を送る…
令和の「ギャルマインド歌会ゲーム」ここに爆誕…!

今度は働くギャルによるギャルのためのお仕事短歌!
バイブス営業、ギャルの春闘、盛れるとこまで株価アゲてこ…
などなど「仕事×ギャル」の新ワードも収録!

第1弾「ギャル短歌七七」とも組み合わせて遊べます!

『あたしのボドゲができるまで』の原稿を書いていた時期と、新作の制作が重なっていたのが理由ですね。
私が“今から新しいアートワークを一から作るのは難しい”と伝えたところ、つるおかくんが「それなら、『ギャル短歌七七』の第2弾を作ろう」と提案してくれたんです。

なぜ二作目では“働くギャル”をテーマに?

これもつるおかくんのアイデアです。
前作の『ギャル短歌七七』では、女子高生のような、みずみずしいギャルマインドを表現していました。一方、『働くギャル短歌七七』で描いているのは、現在進行形で働き、日々さまざまな場面で強さを求められているギャルです。実際に働いている人は多いので、そうした方々のお仕事バイブスを上げる一助になるようなゲームを作りたいと考えました。

僕は、ギャルは外見やファッションも大事ですが、マインドの問題だと思っているんです。いわゆるギャルらしい見た目ではなくても、ギャルマインドをぎりぎり持ちながら働いている社会人は、いると思いますし、その気持ちを持ちながら働きたい憧れもわかります。
働いていると、会社の中では絶対に言えないことや、表には出せない気持ちがありますよね。それをゲームの中でなら思い切り表現できて、共感し合うこともできる。そうすることで、きっと気持ちよくなれるだろうと思い、“働く”をテーマにしました。

こちらの言葉選びも大変だったのではないでしょうか。

そうですね。収録した言葉も、前作のものはほとんど使わず、一新しています。“働くギャル”という人格なら何を言いそうか、逆に、どんな言葉を言わせたら面白くなるかを考えました。あえて硬い仕事の言葉も入れていて、それがギャルらしい言葉と組み合わさることで、思いがけない発見や面白さが生まれるようにしています。

言葉を考えるために、XなどのSNSを見たり、働く女性を描いた漫画を読んだりしました。
さらに、つるおかくんと一緒に働いていた後輩の女性たちに話を聞いたほか、身近な方々がInstagramのストーリーズなどで発信している考えや言葉も集めています。
そこにつるおかくんの言語センスを加えることで、今の時代を働く人たちのギャルマインドを詰め込んだ作品になりました。
ちなみにパッケージの話なんですが、『働くギャル短歌七七』のカラーは『マツケンサンバ』をもとにしています(笑)

『ギャル短歌七七』『働くギャル短歌七七』(愉快班)

https://booth.pm/ja/items/5364990

Chapter4 パラパラ漫画に仕込まれた“異常”を見抜けるか――『パラパラパラノーマル』ができるまで

パラパラパラノーマル(愉快班)

『パラパラパラノーマル』は、どのようなゲームですか?

一言で表すと、“パラパラ漫画異常探しゲーム”です。
少しずつ場面が進んでいくパラパラ漫画のカードには、何も異常が起きていないノーマルカードと、同じ場面に怪奇現象が紛れ込んだ異常カードがあります。
プレイヤーは、異常を仕込む“怪異”役と、それを見つける“オカルト好きの動画視聴者”に分かれます。怪異役は、異常カードに書かれた点数の合計が30点になるようにカードを選び、同じ番号のノーマルカードと入れ替えます。こうして、怪奇現象が紛れ込んだパラパラ漫画を作るんです。
完成したカードを専用のカード立てにセットし、1秒に1枚ほどのペースでめくっていきます。動画視聴者は、異常に気づいたら“待った!”と声をかけ、どこが変なのかを指摘します。正解すれば、その異常カードに書かれた点数を獲得できますが、最後まで見つからなかったカードの点数は怪異役に入ります。
これを繰り返し、全員が怪異役を担当したあと、合計得点が最も高かった人の勝ちです。

この作品が生まれたのにはどんなきっかけがあったのでしょう。

このボードゲームのアイデアを最初に思いついたのは、実は私なんです。
漫画の原稿を描いていたときに、“まだ誰も見たことのないゲームを作ってみたい”と考えていて、カードをめくるごとにアニメーションが進んでいくゲームは、まだないかもしれないと思ったんです。
そこから、正常なパラパラ漫画のデッキと、すべての場面に異常が起きているデッキを用意し、一部のカードを入れ替えれば、何度でも違う間違い探しができると気づきました。
そこでつるおかくんに説明したんですが、説明してすぐに作り始めたわけではありません。

本格的に制作に乗り出したのはいつ頃なのでしょう。

ちょうど『あたしのボドゲができるまで』を描き終えた頃ですね。
ボードゲームのコンペティション『JELLY JELLY CONTEST 2025』が開催されて、そこにホラー部門があると知って、この仕組みはホラーと相性が良いと思い、試作してみたんです。
完成したものをつるおかくんにテストプレイしてもらったら「これ、結構面白いんじゃない?」と言ってくれて。それなら応募してみようと、2人で作品としてまとめていきました。

今作はなんといってもタイトルが良いですよね。『パラパラパラノーマル』は口に出したくなる響きですし、どういうゲームかすぐにわかります。

これは毎回意識していることでもあるのですが、タイトルを考えるときは、聞いた瞬間にゲームの内容が伝わり、“やってみたい”と思えるかどうかを大切にしています。
“パラノーマル”という言葉は、『パラノーマル・アクティビティ』という有名な映画のおかげで、怪奇現象だとイメージしてもらいやすいと思い、そこに、パラパラ漫画の“パラパラ”を組み合わせれば、分かりやすくてキャッチーなタイトルになると考え、この『パラパラパラノーマル』という名前になりました。

私は当初、違う名前を考えていたんですが、つるおかさんの案を聞いて、これだ!ってなりましたね。

今作は見事、大賞を受賞された作品でもあります。どういったところが受賞につながったと思いますか。

ゲームのルールやタイトルもそうですが、応募の際に作った紹介動画でも、“お分かりいただけただろうか”といったホラーの世界で共通言語になっている演出を取り入れたりしています。ゲームだけでなく、そうした周辺の広報物も含めて評価していただき、受賞につながりました。

『パラパラパラノーマル』は2026年10/17(土)ゲームマーケット2026秋の1日目より発売開始予定!

2026年9月26日(土)「フォアシュピール東京」にて試遊可能です。

※運送状況などで延期になる場合もございます。

ゲームマーケット後に通販なども予定しております。詳細は愉快班のXにてご確認ください。

愉快班さんX:https://x.com/yukaihan_game

Chapter5 誰かの“楽しかった”をつくっていく――愉快班からのメッセージ

今後、どんなボードゲームを作っていきたいですか? もしかして『ギャル短歌七七』のさらなる続編などもあったり?

『ギャル短歌七七』の次の展開については、まだ決まっていません。

一応、本格的な話し合いではないですが、森ガールや学園、ホラーなど、さまざまな案は出ています。もしシリーズの次回作を作るとしたら、ポジティブな雰囲気は共通させたいですね
ただ、今はほかにも作りたいゲームのアイデアがたくさん詰まっているので、まずはそれらを形にしてからですね。
直近では、『パラパラパラノーマル』の製品化と発売に向けて、入稿データの制作やコンポーネントの改善を進めています。より遊びやすく、ゲームの世界へ没入してもらえる作品を目指して、ブラッシュアップを重ねているところです。

愉快班のお二人にとって、ボードゲームとは?

私にとって、ボードゲームは“コミュニケーションツール”です。
話し合うものもあれば、絵を描いたり、身体を動かしたりして遊ぶものもあり、さまざまなコミュニケーションの方法を提示してくれるものだと思っています。
最近は一人でボードゲーム会へ参加することも多いのですが、初対面の方とも、ゲームを通してすぐに盛り上がれるんです。それがボードゲームのすごいところだと思います。
だからこそ私たちも、初対面の人同士でもすぐに盛り上がれるような、シンプルで分かりやすいゲームを作っていきたいです。

僕も、同じですね。ボードゲームは“コミュニケーションツール”だと思っています。
ゲームをしている間は、全員が同じルールに乗って遊ぶため、普段の立場や関係性を越えて、フラットに向き合うことができます。
その中で、“この人にはこんな一面があるんだ”と気づくこともあれば、ゲームの役割になりきることで、“自分にもこんな一面があるんだ”と発見することもあります。
勝敗を越えた発見を、誰かと一緒に楽しめること。それがボードゲームの面白さであり、ボードゲームらしさなのだと思います。

これからボードゲーム制作に挑戦したい人へ、メッセージをお願いします。

紙を切ってペンで書いたような手作りのものでも、誰かと遊んで、その場が楽しくなれば、それはもう一つのボードゲームだと思っています。たとえゲームとして完全に成り立っていなかったとしても、楽しい時間を生み出せたなら、それで十分です。
あまり構えすぎず、まずは“楽しい遊びを作ってみよう”というところから、気軽に挑戦してみてください。

僕自身、まさかこれほどたくさんのボードゲームを作るとは思っていませんでした。実際に作ってみてうれしかったのは、自分のゲームで遊んだ時間が、誰かにとって“あのとき楽しかったな”と振り返れる思い出になることです。
“こんな遊びがあったら面白そうだな”という気持ちを形にすれば、誰かの人生に、ほんの少しでも何かを残せるかもしれません。それが、ものを作る醍醐味の一つだと思っています。作ってみたいという気持ちがある方を、同じ仲間として応援したいです。

インフォメーション

〇ボードゲーム

『おじさん構文、つくっちゃおうカナ?』(愉快班)

『ギャル短歌七七』『働くギャル短歌七七』(愉快班)

『半額ハンターロワイアル』(愉快班)

『トキメキ!次回予告学園』(愉快班)

どのボードゲームも物販ぺージにて購入いただけます。

〇物販

BOOTH:https://yukaihan.booth.pm/

〇SNS

愉快班さんX:https://x.com/yukaihan_game

水田さんX:https://x.com/umashikasafari 

水田さんnote:https://note.com/safa_san

名古屋大須にある、ミステリー本専門店、『謎解き生活』ではボードゲームも販売中!

〇謎解き生活はボドゲコーナーも充実しています!

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ミステリー本専門店『謎解き生活』

ご来店、お待ちしております!

わかさ生活でもボードゲームを制作・販売中!

ERROROID』(エラーロイド)

7枚のアンドロイドからエラーロイドを見抜け!2人で挑む推理カードゲーム

7枚のアンドロイドカードの中に潜む、1枚の“エラーロイド”。
あなたは相手より先に、それを見つけ出せるか――?
「エラーロイド」は、二人専用の正体隠匿型推理カードゲーム。
観察力と推理力を駆使し、相手の場にあるエラーロイドを見抜こう。
勝利条件はシンプル。先にエラーロイドをオープンし、真相を暴いたプレイヤーの勝利。
YouTubeにてルール解説動画公開中! 初めてでもすぐプレイ可能。

購入ページ:https://shop.wakasa.jp/shop/g/g675100101-00/

花鈴のバッティングプラクティス』

花鈴たちと挑むピッチャーvsバッターの心理戦ボードゲーム!

人気漫画『花鈴のマウンド』の世界を舞台にした、ピッチャーとバッターの心理戦が楽しめるボードゲームです。
プレイヤーはピッチャーとバッターに分かれて対戦。
ピッチャーはどの球種を投げるかを選び、バッターは「振るか振らないか」を選択。相手の心理を読み切ればヒット!読み負ければアウト!
ポイントを競い、勝利を目指しましょう。
合同野球練習やバッティングプラクティスを通して、花鈴たちと一緒に強くなる感覚を体験できます。
スポーツマンシップにのっとり、戦略と読み合いを楽しみながら甲子園を目指せ!
YouTubeにてルール解説動画も公開中! 初めてでもすぐプレイ可能。

購入ページ:https://shop.wakasa.jp/shop/g/g627003001-00/

わかさ生活ボードゲーム販売サイト:https://shop.wakasa.jp/shop/goods/search.aspx?keyword=%E3%83%9C%E3%83%89%E3%82%B2&search=%E6%A4%9C%E7%B4%A2%E3%81%99%E3%82%8B

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連載

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