6月某日、雨の降る多摩センター駅にて……
ケツ合わせ系ゲームライターのタダツグです。
知らないゲームを教えたい!
ゲームブロガーのラー油です!
今回は、主催者へのインタビュー記事も掲載させてもらった“TAMAインディゲーム展覧会 Dissonance #1 「不穏」”の会場レポートをお届けするってことで、我々は東京・多摩センターの地へと降り立ったわけである。



インタビュー記事読みましたよ。なかなか面白そうなイベントですよね。
インタビュー記事
マジで期待してる……んだけど、あいにく空模様がなあ。どんよりとした雲にしとしとと降る雨。なんかいきなり不穏じゃね?
いやまあ梅雨ですから。そりゃあ雨くらい降るでしょう。
おまけに一昨日から虫歯も痛くてさ。昨日めっちゃ久しぶりに歯医者に駆け込んじゃったよ。やっぱ不穏じゃない?
タダツグさんが歯医者に行くのをサボってたからじゃないの? さっきからあなたシンプルに「不穏」って言いたいだけでしょ。
にしても、編集部のカニさん遅いですね。
バレた? ちょっと場を盛り上げていこうと思ってさ……あ、カニさんから電話だ。
もしもし。すみません、なんか急に原因不明の高熱で倒れてしまいまして……申し訳ないですが、今日の取材はタダツグさんとラー油さんにお任せしてもいいですか? 私のことはかまわず先に進んでください。それでは……ぐふぅ(ブツリ)。
……おい聞いたか?
……聞いた。やっぱ不穏かも。
……だよね?
なんか俺テンションぐちゃぐちゃになってきた!
体調不良のカニさんは心配だけど……マジで不穏な感じ、今日は何かが起こりそうだぜ……ごくり。
カニさんの無念を晴らすためにも会場へ向かうとしよう。仇はきっと取ってみせるぜ。カニさん、空から見守っていてくれよな!
いや、カニさんまだ生きてる生きてる。甲殻類の生命力をあまり舐めないほうがいいですよ。
目の前に広がる不思議空間に圧倒! パルテノン多摩に15本の「不穏」なゲームが集まる……
ということでここが会場となるパルテノン多摩か。思わず記念写真を撮りたくなるくらいステキな建物!


外観がすばらしいですね。そこはかとないダンジョンっぽさを感じる……。あ、イベント会場はあそこみたいですよ。さっそく行ってみましょう!
おおう……なんというか空間そのものに圧倒されそう!
照明も少なくて雰囲気ありますね……。ポスターが貼られてなかったら本当にゲームのイベントなのかわからなかったかも。

ブースの並べ方も不規則だしスペースの使い方もヘン……すでにかなりときめきを覚えてるぜ。なんでもこのスペース、奥に行けば行くほど照明を絞って暗くなるよう設計されているらしい。
それゆえの不穏感か……こんな挑戦的なコンセプトのゲームイベントは初めてで、オラワクワクしてきたぞ!




カニさんいわく我々が気になるゲームを試遊してレポートしてほしいってさ。まずは比較的入り口近くのブースで遊べる『瓶の中のサカナのために』ってゲームから遊んでみるか……。
『瓶の中のサカナのために』Steam購入ページ
https://store.steampowered.com/app/4034190/_/?l=japanese&ref=journal.indie-freaks.com
なんだろうこれ。説明も何もなくいきなりゲームがはじまった!
どういうことだってばよ?

サカナが瓶に閉じ込められてる……?
サカナのためにってタイトルから察するに、この子の気持ちになって何をしてほしいのかを考えていけばいいのでは。
ふむ。つまり……こいつを食べればいいってことか?
あー。だいぶ「不穏」に引っ張られた考え方になってますよ、それ。
どうやらさまざまな箇所に設置されている謎解きやパズルを解き明かして、このサカナが望むものを与えていけばいいみたい(笑)。
おお、ゲームを進めるとサカナがどんどんデカくなって!
パズルとかに一切のテキストがないのは斬新だし、直感を試される感じで面白いですね。こういう謎解きゲー、実は結構得意だぜ!

世界観も独特で俺好み。手描きのアートワークのような温もりを感じるビジュアルもあれば、ちゃんと不穏を感じられるちょっとグロテスクなビジュアルまでかなり幅が広い。ということで……最後のパズルも解けたからしっかりクリアだぜ!

お見事! 友だちと一緒に頭を捻りながら遊べるのもポイント高いですね。
楽しかった~。次はラー油さんが気になるゲームにいってみようか。
俺はこれに心惹かれますね。『Lull: Rest After Crying』か……。
『Lull: Rest After Crying』Steam購入ページ
https://store.steampowered.com/app/3557060/Lull_Rest_After_Crying/?l=japanese
歪み続ける施設からの脱出を目指すホラーアクションアドベンチャー、だってよ。

主人公はこの赤ん坊を抱えた女の子みたいですね。雰囲気がかなり独特でいい。
なんかヘンな生き物がいる! こいつは人間か? いや妖怪?
で、でっか!!!!!!
タダツグさんの声のほうがでっかいわ!!!
ヘッドホンをしてるのにビックリしましたよ。

すまんすまん、唐突にでっかい人間が出てきたからつい。いや人間かすらわからんけど……この建物だいぶおかしいな!
周りの人間や施設のスケールをあえてズラしてあるので、なんか座敷童を操作してるような感覚ですよ。床を踏みしめるときしむ音とか聞こえてくるし臨場感がヤバい。
デカい人間が作業してる音の響き方も更にヤバい!
これはぜひヘッドホンをして遊んでほしいゲームですね。

照明の使い方も最高じゃん。古い建物独特のホコリが光に反射する感じとかがしっかり表現されてて風情がある。
今回のデモ版では明かされないけど、女の子が連れている赤ん坊が何者なのかとかもだいぶ気になった。
デモ版は短いものでしたけどこれは本編が楽しみだ。
さて次は……ってタダツグさん、何をにらんでるんです?
いや、このウマヅラが気になってさ。暗がりにこんなものを置いておくとかかなりのセンスを感じるぜ……。ゲームを遊んでみるとしよう。

『HAUNTED STREAMER -呪われた配信者-』ってタイトルみたいですね。肝試し系配信者になって、心霊スポットや都市伝説の舞台に潜入し、視聴者を増やすのが目的だそうで。
『HAUNTED STREAMER -呪われた配信者-』Steam購入ページ
https://store.steampowered.com/app/3234690/HAUNTED_STREAMER/?l=japanese
イマドキだなあ(笑)。そんでこの廃墟に来たわけか。せっかくだしちょっと探索してみるぞ。

あ、視聴者がコメントでなんか言ってきてますよ。仏壇でビートを刻めだの、廃墟のお風呂に溜まっていた水を飲めだの……。なんか色々なミッションがあるみたいですね。
風呂の水を飲めとかマジでグロいオーダーだな。さすがにしんどすぎる!
でも実行すれば「スーパーコイン」の投げ銭がもらえるみたい。

それを早く言ってくれ。なら俺は躊躇なく飲むぜ!
命知らずだな~。お金は稼げたけど、なんか心拍音がデカくなりましたね。
これは体力みたいなものだとすると……ムチャをしすぎるとヤバそうね。
って、なんかヘンな人がいる! 追いかけてきてる! どうするよラー油さん!

これ人なんですか? どうするもこうするも逃げるしかねえ!
バカを言うな、俺は戦うぜ! かかってこいやっ!
威勢のいいことを言ってるけど、めっちゃ背中を見せて逃げてますよね。
追いつかれる! いやだ、こわい、助けてーーーーー!
ゲームオーバー……南無。
ま、まあ、今回はこんなところで勘弁してやろう。最後はちょっとビビっちゃたけどコンセプトはすごい面白かったぜ。稼ぎとリスクを天秤にかける感じがたまんない。

じゃあ、お次はこの『Re:Re:Re:Respawn』ってゲームを遊んでみますか。
『Re:Re:Re:Respawn』Steam購入ページ
https://store.steampowered.com/app/4620440/ReReReRespawn/?l=japanese
ふむふむ。「死体を残しながら生き返る能力」を獲得した主人公が、死を繰り返しながら巨大建造物”BOX”の秘密に迫っていくゲームらしい。

「死体を残しながら」ってコンセプトが、だいぶ不穏じゃないです?
たしかに!
いざ遊んでみると、操作性がめっちゃシンプルなパズルアクションゲームとして普通に面白いな。
いわゆるパルクール系ですね。「死体が残る」ってのが謎解きのポイントになってるのは斬新ですよ。

前の死体を足場にして高所に移動したり。別の死体でレーザーを遮断して危険な場所を潜り抜けたり。
これはだいぶ頭を使いそうだ。
かと思えば、タイミングを計ってジャンプするみたいなアクション要素もあっていい感じ。死に場所がキモになるゲームだね。

タイムアタックとか盛り上がりそう。後ろから見てるだけでなかなか面白かったです。
暗闇の中にブースが浮かび上がる最奥部にて……
2時間くらいかけていろんなゲームを遊んできたけど、「不穏」というイベント名に恥じぬ内容のものばかりでしたね。
そろそろ今日のシメとして、インタビューでもお話を聞かせてくれた.irisさんとフツララさんのブースにもお邪魔しようか。まずは.irisさんが制作された『A Passing in the Night』を遊ばせてもらうとするべ!
『A Passing in the Night』Steam購入ページ
https://store.steampowered.com/app/3427370/A_Passing_in_the_Night/?l=japanese
現実と悪夢が混然一体となった3Dアドベンチャーってことで、プレイヤーは主人公を操作して夜の街を徘徊するそうですが……。

今まさに徘徊をはじめたところだぜ!
しかし問題がある。前にプレイされていた方が海外の方だったせいかランゲージが英語になっていて、導入部分がちょっとよくわからん!
それはヤバいぜタダツグさん……。俺も地球の言語は日本語しかわからないし!
思い出したみたいに宇宙人設定をブッコんでくるなよ。さてはテンション上がってるな?
だってこっちのほうが面白そうだし。せっかくだから英語のままで行きましょう!
気が合うな相棒! かなりカオスでオカルティックなゲームっぽいし、わけのわからん状態のほうが不穏でむしろ落ち着くまである。進んでいくぜ!

深夜3時くらいの夜の街が舞台ってことですけど、これってもしかして多摩センター周辺の街並みだったりするのかな。なーんかパルテノンまでの道のりに既視感が……。
雰囲気が通じるものはあるねえ。

で……1つ聞いても?
さっきから公園内の同じ場所をずっとウロウロしてることにはどういう意図が……。
バカヤロー! 人を変質者みたいに言うなよ。この公園のモチーフは多摩中央公園だったりするのかな~って思いながら迷ってるだけだし!

ってことは、道になんか炎の揺らめきみたいなものが見えるのにずっと無視してるのも、何か理由があるんですかね。俺ならそれを辿りますけど……。
い、今から試そうと思ってた。
じゃあこの幻影みたいな炎を追いかけようか……って、うおお! いきなりパパラッチが!
カメラおじさんに盗撮疑惑。……いや、おじは風景を撮影しているだけかも? なんかどこかに消えていきましたけど……。
人間じゃない……ってコト? 行く先々でめっちゃ写真を撮りまくってやがるな。シンプルに主人公とお友達になりたいだけだったりして。
謎のコミュ力……。しかし、後ろから見てる感じ雰囲気は結構俺も好きですね。

雰囲気がいいゲームだよね。ちょっと霧がかったこのビジュアルは俺も好き。先行きが見通せないって地味に不穏だ。
今回はデモ版だから15分という時間制限があるっぽいですよ。ダッシュとかしておじさんを追いかけなくていいんです?
ダッシュ機能はなさそうだぞ。つーかよく考えてみなよ、「深夜のお散歩」でいきなりダッシュし始める若者とかいたら、そっちのほうがホラーじゃね?
たしかに……って、ここでタイムアップかぁ。ここからもっと怪しげな登場人物とかに出会えそうなオーラがプンプン匂ってましたけどね。

そもそも出会う相手が人間なのかすら怪しそう。俺、じつは深夜の街をあてもなく徘徊するのが結構好きなんだけど。夜特有の静謐で世界が静止しているような感じがゲームからも伝わってきた。これは続きが気になるぜ!
ではそろそろ最後のゲームに行きますか!
フツララさんの『CultureHouse』を遊ばせてもらいましょう。
『CultureHouse』公式サイト
https://futurala.com/culturehouse/
この独特の装飾といいプロジェクターへの投影といい、めっちゃオーラを感じるぜ。


なんでも、失踪した生化学者が暮らしていた住宅兼研究施設『CultureHouse』で7日間生活しながら、ジェニオと呼ばれる生命体を育てるゲーム……だそうです。
育成要素がある……のか?
この案内役の女性からしてすでに不穏なんだけど……。
なんか硬質というか……声が無機質な感じなのが妙に怖い。狙ってそういう演出にしてるんでしょうね。

家の中がやたらと広いというか、寝室だけで俺が今住んでる部屋が2~3個入りそうな気がするわ。しかも細部までディティールが作り込まれてるのがすごい。
なんかカメラを渡されましたね。平たく言えば怪奇現象を撮影してこいってことなんだろうけど……。
モノが宙に浮かんでいたり、あるはずのないものが実体化していたり、ガスマスクみたいなものをつけた女の子と出会ったり……なんかすべてがちょっとずつおかしいだろこの家。こんなところで1週間も暮らすのかよ……めっちゃ楽しそうじゃん!


お昼から夕方になると空間としての雰囲気もガラリと変わるし、なんというかオシャレですよね。
クリエイターさんが空間オタクなだけあるわ。ここまで来ると狂気すら感じる……。



プレイ自体は15分ほどで終了でしたが、タダツグさんどうでした?
デモ版を触っただけでめっちゃピンと来てる。これは面白そう。個人的には今日遊ばせてもらったゲームのなかで個人的な“ヘキ”に一番刺さるゲームだったかな。
ラー油さん的に最も目を引いたゲームはどれだった?
あえて1つに絞るなら最初の方に遊んだ『Lull: Rest After Crying』ですかね。ヘッドホンをつけて遊んだ時の没入感が半端じゃなかったので。施設のつくりからしてものすごく不穏だったのも気に入りました。
“TAMAインディゲーム展覧会 Dissonance #1「不穏」 ”か……。まさにイベント名のとおり、徹底的に“不穏”を追求していてものすごくチャレンジングだったなあ。
“#1”って銘打っているってことは、今後2、3と続けていくんですかね。面白かったしその時はまた遊びに来たい。
必ずしも「不穏」だけがテーマではないかもしれないが……次の機会があればカニさんも一緒にまた取材させてもらおうぜ。
カニさんのこと、すっかり忘れてた(汗)。今度は3人で来たいですね!
(無事に回復し、編集中のカニ)ラー油さん、忘れやがったな! ってか、今回ラー油さんの写真が一枚もないのはマスクを忘れたからでは!?
というか、今度は3人で行ってみたいです!
ライター紹介

タダツグ
締め切りはケツ合わせ系のゲームライター。業界歴は20年以上で、1日のうち大半の時間をゲームに注ぐほか、アニメや映画、マンガなども大好物。仕事柄、多数のゲームに触れる機会が多いものの、趣味の範囲ではお気に入りのゲームをずっと遊び込むタイプ。

双葉ラー油
老舗ゲームブログ『絶対SIMPLE主義』を20年以上運営するブロガー。「知らないゲームを教えたい!」をスローガンに、大作からニッチな作品まで取り扱う。特撮関連の造詣も深い。謎のマスクを被っているが別にプロレスラーではない。