イントロダクション
私は、進行性の網膜の病気で、10代のころはなんとか文字を読んだり人の顔を判別できていましたが、40歳を過ぎてからほとんど見えなくなってしまいました。
そんな私の生活になくてはならないものの一つが、今回紹介する「スクリーンリーダー」です。
スクリーンリーダーとは
スクリーンリーダーは、スマートフォンやタブレット、パソコンなどの画面上の文字などの情報を、音声読み上げや点字などで確認することができるツールです。主に視覚障害者が利用していて、スクリーンリーダーがあれば、メールやSNS、アプリの操作などを誰かに頼らず一人で行うことができます。
スクリーンリーダーの種類
そんなスクリーンリーダーには、
Windows対応の「NVDA日本語版」「ナレーター」「PC-Talker(ピーシートーカー)」、
AppleのMacintoshとスマートフォンのiOSに搭載されている「VoiceOver(ボイスオーバー)」、
Androidが搭載されたスマートフォン・タブレット・テレビなどで利用できる「TalkBack(トークバック)」など、多くの種類があります。
機器に最初から搭載されていて、設定を変更するだけで利用できるものや、無料でもダウンロードが必要なもの、専用のソフトを購入・ダウンロードする必要があるものなど、形式もさまざまです。
今回は、私が利用している「VoiceOver」と「TalkBack」を紹介します。
AppleのiPhoneに搭載された「VoiceOver」
VoiceOverは、すべてのiPhoneに初めから搭載されている機能の一つで、設定で機能をONにするだけで、画面上の指で触れた場所に表示されている内容を音声で読み上げてくれます。ただ、VoiceOverをONにすると、音声読み上げだけで操作できるように、操作方法が変更される点に注意が必要です。



iPhoneに標準搭載されているVoice Over(画面はiPhone15)
また、VoiceOverがONのときにだけ使える機能「スクリーンカーテン」を使えば、画面が真っ暗な状態で操作することができ、視覚障害者が周りの目を気にせず操作に集中できるだけでなく、消費電力を抑えることもできます。
私は、iPhoneを10年以上前から使っていて、メール、LINEやXなどのSNS、天気やニュースの確認、楽天やAmazonでの買い物、音声による道案内をしてくれる視覚障害者向けナビアプリの活用など、さまざまな用途で利用しており、今ではなくてはならない存在です。

Sonyの「ブラビア」に搭載された「TalkBack」
2つ目に紹介するのは、Sonyのテレビ「ブラビア」です。ブラビアには、Androidが組み込まれていて、リモコンの消音ボタンを5秒押すことで、「TalkBack」という音声読み上げ機能が起動します。
メニュー画面や番組表の文字、チャンネルを変えたときに放送時間や番組名を読み上げてくれるだけでなく、各種動画配信サービスの画面にも対応しています。
また、音声読み上げ機能以外にも、画面の色を白・黒・灰色の濃淡だけで表すことで、色の区別がしにくい場合に映像や文字の見やすさが向上する「グレースケール」や、番組表やヘルプページの文字を一時的に拡大する機能があります。
私は、以前視覚障害者向けの機器展示会に行ったときにブラビアのことが気に入り、今年テレビをブラビアに買い換えました。おかげで、配信サービスのIDやパスワードの入力、見たいドラマやアニメの検索など、ほとんどの操作が家族に頼らなくても一人でできています。

終わりに
以前は、視覚障害者は目で見て得られる情報が少ないため、世の中の動きについていけないことや、社会参加が難しい状況にありました。
しかし、スクリーンリーダーの登場でスマートフォンやパソコンを使えるようになり、自立できる人が増え、仕事の幅も広がりました。
今回紹介したスクリーンリーダー以外にも、視覚障害者をサポートしてくれる技術はたくさんあるので、また紹介したいと思います。
参考にしたURL
https://support.apple.com/ja-jp/guide/iphone/iph3e2e415f/ios
(iPhoneユーザーズガイド Voice Overページ)
https://support.sony.jp/electronics/support/articles/00254822
(Sonyユーザーズガイド TalkBackページ)
記事を書いた人

山本旭彦(やまもと あきひこ)
わかさ生活でヘルスキーパー(企業内マッサージ師)として従業員の健康サポートをしながら、視覚障害を持つ当事者として感じたことや体験したことを書いています。