「まだ途中だから面白い」人との縁が未来をつくる。久保今日子さんの終わらない挑戦【前編】

  1. TOP
  2. 挑戦するスポーツの世界
  3. 「まだ途中だから面白い」人との縁が未来をつくる。久保今日子さんの終わらない挑戦【前編】
挑戦するスポーツの世界
  • スポーツ
  • インタビュー

シェア

X X(Twitter) Facebook Facebook
「まだ途中だから面白い」人との縁が未来をつくる。久保今日子さんの終わらない挑戦【前編】

皆さんこんにちは!
ご縁を大切に、出会った人を応援し続けたい。
元気と明るさで人をつなぐ、“サポーター型”人事として発信している杉浦綾です。よろしくお願いいたします!

今回お話を伺ったのは、企業向けの福利厚生事業でのトレーニング指導やスポーツチーム、リーグ、選手を支えるプラットフォーム「SportsBank」の営業をはじめ、アスリートのキャリア支援事業などさまざまな仕事やプロジェクトに関わる久保今日子さんです。

久保さんと初めて出会った時から、「いつかアスリートのセカンドキャリア支援に関わりたい」「スポーツを通じて、人や社会の役に立つ仕事がしたい」と、何度も聞いてきました。186センチという目を引く存在感と、初対面でもすぐに距離を縮められる明るさ。スポーツだけでなく、海外の方が集まるイベントや音楽イベント、ファッション業界にも足を運び、気づけば業界業種問わず新しい人や仕事をつないでいる——そんな久保さんを、私はずっと不思議で面白い人だと感じていました。

取材前は、元バレーボール選手、ビーチバレーボール選手としての経験が現在の活動につながっているのだろうと思っていました。けれど、お話を伺うほど、その印象は少しずつ変わっていきました。


久保さんの人生を動かしてきたのは、競技歴や肩書きだけではありません。興味を持ったらまず動くこと。人からいただいたご縁を一度きりで終わらせないこと。そして、うまくいかない時も自分にできることを探し続けること。


今回は、まだ完成形ではないからこそ先が楽しみになる、久保今日子さんの“終わらない挑戦”をご紹介します。

プロフィール

久保 今日子(くぼ きょうこ)

石川県出身

【スポーツ経歴】

●バレーボール

■高校

長身者選抜石川代表として合宿に参加 Japanとして銀ワッペンを獲得 

県大会ベスト8

元オリンピアンに指導してもらうテレビ局企画のコーチングキャラバンに参加し、春高出場を目指した。

■大学

愛知学院大学心身科学部健康科学科出身

AGUバレーボール部として、西日本インカレ4年連続出場、全日本インカレ4年連続出場、東海学連所属

●ビーチバレーボール

2018年 北信越大会3位

2019年 石川県代表として全国大会出場

●経歴

・小学校教諭(臨時的任用講師)

・通信制高校にて体育講師

・整形外科にてリハビリ助手

・ゲストハウス運営 (お客さん対応、ベッドメイキング)

・リカバリー製品の販売をプロチーム、球団、医学会、整形外科、パーソナルジムなどにて営業を行う。テレビ出演や雑誌の取材対応、アスリートの撮影アシスタント、各競技のアスリートやチームの担当。テニスの国際大会にて選手エリアにて、リカバリー製品の紹介

・アスリートの肖像権ビジネス営業&健康経営に携わる。

・福利厚生事業として、様々な企業の皆様にトレーニング指導やコンディショニングを対応している。

・SES営業

・スポーツチームが活用できるサービス「SportsBank」の営業
・バスケットボール、バレーボール合宿のサポート

・日本の伝統工芸を広げる活動

(展示会への出展、販売の手伝い、営業)

・イベント企画 交流会企画

現在は、複数の仕事を持つパラレルワーカーとして活動

久保さんは今年2月からフリーランスとして活動しています。現在の仕事は一つではありません。


約3年間携わってきた企業向けトレーナー事業では、福利厚生の一環として、企業の社員にストレッチやコンディショニング、トレーニングを指導しています。毎週訪問する企業もあれば、月に数回のパーソナルトレーニングを行うこともあります。


ほかにも、スポーツチームやリーグ、選手を支えるプラットフォーム「SportsBank」の営業。機能としてはチケット販売、グッズ販売、ファンクラブ運営、ライブ配信、投げ銭、スクール管理など、チーム運営に必要な機能を一つのサービスにまとめています。


そのほかにも、バスケットボールチームの合宿サポートに携わってます。

今後はアスリートのキャリアサポートの仕事にも携わっていくそうです。

一見すると、いくつもの仕事をばらばらに行っているように見えるかもしれません。しかし、久保さんの中ではすべてがつながっています。

スポーツに関わる人たちが困っていることを解決したい。選手やチームにとって必要な環境をつくり、サポートしたい

競技を教えるだけではなく、身体を整えること、チーム運営を支えること、イベントを成立させること。そのすべてが、久保さんにとってのスポーツ支援なのです。

SportsBankのサービスとの出会いは、“人”への興味から

久保さんがSportsBankに関わるようになったきっかけは、ピックルボールを通じて出会った知人からの「スポーツ関係の会社の代表に会いに行くけれど、一緒に勉強しに行く?」という誘いでした。

そう声をかけられ、迷わず「行きます」と答えて向かった先が、SportsBankを運営する株式会社AsianBridgeでした。そこで出会ったのが、代表の小西さんです。

久保さんが最初に興味を持ったのは、小西さんの言葉でした。

「スポーツ業界ではなくIT業界の代表がスポーツへの情熱に溢れている」、「困っている選手やチームを自社でつくるサービスで助けたい、誰しもが挑戦できる環境を作りたい。スポーツをもっと広げたい」「様々な課題解決をしたい」というお話でした。子どもみたいにワクワクしながら話す方で。こんな経営者に久しぶりに会ったと思いました。

今、日本のスポーツ界では、当事者であるはずの業界関係者も「スポーツは稼げない」「ビジネスにするのは難しい」という諦めの声が聞こえてくることが少なくない。実際に、赤字経営に頭を抱えるチームも多いのが現状です。私もその声をどうにか覆したいと考えているので、小西さんみたいな方が沢山いるといいなと思いました。その後、何度か話す中で、スポーツへのつながりを持ち、これからSportsBankを広げていきたいというお声をお聞きして、力になれる事があるならとご一緒させて頂きました。

久保さん自身も、バレーボールやビーチバレーを経験する中で、選手を取り巻く環境や関わる人の大切さを実感してきました。アスリートのキャリア支援は、一番やりたいことの一つです。

まだ直接キャリア支援ができるわけではなくても、チームが困っていることを解決できるかもしれない。自分が探している未来につながる手段の一つになると思って、やりますと答えました

完成された仕事に参加したのではなく、同じ想いを持つ人と出会い、これから一緒につくっていける可能性に飛び込んだ。そこにも久保さんらしさが表れています。

人との縁をつなぐ、特別ではない習慣

久保さんの周りには、スポーツ選手、経営者、クリエイター、アーティスト、建築家、伝統工芸の職人さん、ファッションデザイナー、カメラマン、海外出身の方など、年齢も職業も国籍も異なる人たちが集まっています。

「どうして、そんなにいろいろな人とつながれるのですか?」と尋ねると、久保さんは「特に意識していないんです」と笑いました。

本人が思う理由の一つは、186センチという高身長と愛嬌です。
一度会えば覚えてもらいやすく、初対面でも話のきっかけになります。しかし、それだけではありません。久保さんは、相手が有名な経営者でもトップアスリートでも、必要以上に構えることなく「初めまして」と声をかけます。

すごい人だから、自分なんかが話しかけても、と思う人もいると思うんです。でも私は、誰にでも普通に話しかけてしまうんですよね。人そのものに興味があって、話を聞いてみたいんです

そして、紹介してもらった人とは、出会っただけで終わらせません。自分からもう一度会いに行き、連絡を取り、関係を続けていきます。7年前に出会った人と今も連絡を取り合い、何年も経ってから一緒に仕事をすることもあるそうです。
ある経営者の方に身長が高いのと愛嬌があるから色々な人に好かれるね。と言われたこともあります。

久保さんが大切にしているのは、挨拶、礼儀、そして感謝です。

どれだけすごい人でも、一言の挨拶や感謝がないだけで信頼関係はなくなると思っています。だから、そこは一番大事にしています

ご縁は、出会った瞬間に完成するものではありません。小さな連絡や感謝を重ねることで、時間をかけて縁になっていく。久保さんのお話から、人とつながる力の正体が少し見えた気がしました。

「行動する年にしなさい」。恩師の言葉がつくった現在

今の久保さんからは想像できませんが、小学生の頃は人見知りで、自分から友達をつくることや人前で発言することが苦手だったそうです。

身長が高いことを理由にからかわれた一学年上の先輩を見返したく、その年に地域のバレーボールクラブに入り、1年間練習をし次の年のソフトバレーボール大会に出場し、優勝。その時に、からかわれた人に勝ち、充実感と達成感を味わったそうです。

また、もっと色々な人との関わりを持ったり、自分自身を表現できるような子どもになれるように、お母さまの勧めで地域の劇団に入ったそう。発声練習をし、さまざまな役を演じる中で、少しずつ声を出し、自分を表現できるようになったといいます。

その後、中学、高校、大学ではバレーボールに熱中。チームの中で人間関係に向き合い、自分の気持ちを伝えること、相手と正面から話すことの大切さを学びました。

そして、久保さんの行動力を大きく変えた言葉があります。大学卒業後、小学校の教員として働いていた時、任期を終える久保さんに校長先生が贈った「次の一年は、行動する年にしなさい」という言葉です。

久保さんは、その言葉を驚くほど素直に実践しました。誘われたら会いに行く。会いたいと思う人に会いに行く。興味を持ったら現場へ行く。やってみたいと思ったら、経験がなくてもまずやってみる。

あの言葉をもらってから、とにかく行動しました。今のいろいろな人とのつながりも、そこから始まっていると思います

行動することは、いつも正解を選ぶことではありません。飛び込んだからこそ、向いていないと気づくこともあります。それでも、動かなければ出会えなかった人や、知らなかった世界があります。

久保さんのキャリアは、最初から一本の道として用意されていたものではありません。一歩ずつ動いた先で見つけたものをつなぎながら、今も形を変え続けています。

競技を終えて初めて気づいた、キャリアを考える難しさ

中学時代から大学までバレーボールを続け、大学卒業後は企業が持つ社会人チームにも入りました。しかし、チーム内で競技に対する意識の差を感じ、懸命に取り組むほど周りとの温度差があり、大好きなバレーボールが嫌いになりそうになったので、けがをしたと嘘をついて辞めました。

その経験を振り返り、久保さんは「当時は、自分のキャリアを全く考えていなかった」と話します。

大学では朝から晩までバレーをしていました。卒業が近づいて、急に就職と言われても、仕事には何があるのか、業界とは何なのかも分からなかったんです。

教員免許を持っていたので先生になるか、スポーツを続けながらジムのインストラクターなどのアルバイトをするか。自分の中には、そのくらいしか選択肢がありませんでした

競技に夢中になることは素晴らしいことです。一方で、競技しか見えない時間が長いほど、その先の選択肢を知る機会は少なくなります。

久保さんがアスリートのキャリア支援に強い関心を持つ背景には、自分自身が何も分からないまま競技の外に出た経験があります。

一度競技を離れた後も、奈良のクラブチームに誘われれば石川から通い、大阪に移住し、さらにビーチバレーボールの日本代表選手との偶然の出会いからビーチバレーにも挑戦しました。

まだバレーボールをやり切れていない気持ちもあったのだと思います。けれど、競技を続ける中で出会った人や仕事が、結果として今の久保さんの視野を広げていきました。



前編では、久保さんの現在の仕事と、人との縁、行動力の原点をご紹介しました。

後編では、ビーチバレーをきっかけに世界の空気に触れた経験、苦手だったIT企業で自らスポーツ事業を生み出した挑戦、そして「スポーツ×地域×伝統工芸」というまだ見ぬ未来についてご紹介します。

シェア

X X(Twitter) Facebook Facebook