原作を読み込んだ今……あらためて『花鈴のバッティングプラクティス』について語りたい
ゲームライターのタダツグです。
知らないゲームを教えたい! ゲームブロガーのラー油です!
今回は『花鈴のマウンド』10周年記念企画第2弾ということで。
原作を読み込んだお2人に、あらためてボードゲーム『花鈴のバッティングプラクティス(以下、バッティングプラクティス)』に登場する選手性能を語ってもらいたいと思います。
トガゲーチームで原作を読み込んだ様子
わかさ生活の上田さんと「花鈴のバッティングプラクティス」を遊んだ模様

原作を読んだからこそ見えてきたものはありますね。
一番ユニークなのはやっぱり主人公の花鈴かな。彼女の投げる「かりんボール」って『バッティングプラクティス』では“バッターが振れば必ずアウトになる。見送ればボールになる”って球だけど。これ、あらためて考えるとめちゃくちゃ強い。

原作ではどんなボールとして描かれているのかと楽しみにしていましたが、まさか未完成のボール……だと……⁉ そんな気持ちになりましたよね。
わかさ生活の社員にしてゲームの開発を手掛けた上田さんが、どんな性能にするか四苦八苦したというのも頷けますよ。これ、我々が読んだ15巻までの時点ではまだ正体不明のボールになってるけど、タダツグさんはどんな球だと思ってる?
んー、当たってる自信はないけど……やっぱりストレート系なんじゃないかなって気はしてる。4シームの派生形とか?
4シームはストレートの一種ですよね。雑に説明すると“回転数が多いぶんが球筋が伸びてきやすい”ボールのことだそう(「4シームとは」で検索しながら)。
実際、花鈴も4シームを会得して投げるようになってから才能が開花してきたからなあ。それの派生形というか……進化系ってことなら妥当な線かもしれない。
最近の花鈴は頼くんと一緒にバレーボールのアタックを練習したりしてたじゃない? あの練習、俺は手首のスナップを鍛えてるんだと解釈しててさ。鍛えた手首で限界までスピンをかけて4シームを投げたら、バッターからすると浮かび上がるように見える球になるんじゃないかな……なんて予想している。いわゆる“ライズ系”のボールってやつ。
軌道が他と異なるストレートか……。ピッチャーが投げるボールは回転の数や質が重要というのは『花鈴のマウンド』で長らく語られてきたテーマでもあるし、主人公がその究極系を会得するというのはかなりムネアツ展開でグッとくる。
もちろん間違っている可能性もあるのだが(笑)。完成が楽しみだよね、かりんボール。
カニさん、続きが出たら教えてね。
もちろんです! というか、まず16巻と17巻を買わないとですね。
他のピッチャーが投げる魔球で何か印象に残ってるものはあります?
いずれも原作で描かれている個性がしっかりゲームに反映されてますよね。僕は月光高校の清家伊織が投げるカットボールが好きです。

ああ!
“バッターはクリティカルポイントでミートしないと必ずアウトになる”って効果の魔球ね。
カットボールってバッターの手元で小さく鋭く変化する球だから、空振りを取るというよりは“打たせて取る”ボールなんだけど。原作ではあの柊木美玲ですら打ちあぐねてたからね……完成度は相当なものなんだと思う。
ゲーマー目線で考えると、パーフェクトバッターに近い美玲をしっかりメタってるのがすごくいい。
原作では練習試合とはいえ美玲を完璧に抑え込んだ伊織だけに、そこはゲームでもしっかり再現されてますよね。
えっと、もう少しかみ砕いて説明してもらっていいですか?

上に美玲のカードのスクショを載せましたが。見てのとおり、彼女はストライクゾーン内のボールをほぼ完ぺきに弾き返せる最強の打者なんですよ。これは原作を読んでいれば納得の能力値ではありますけどね。
たしかに。いや、たしカニ!
……。
……。
カニさん、もしかして飲んでます?
し、失礼しました。タダツグさん、続けてください。
ごほん。
つまるところ、美玲のミートポイントの広さは空振りが少ないという意味で大きな強みなんですけど、伊織のカットボールに対しては凡打になりやすいバランスってことですよ。このカットボールはクリティカルで打たないとアウトにされるので。
たしカ……なるほど、納得!
ここらへんのバランス加減は、さすが上田さんだと思いましたね。
ちなみに今、バッターである美玲ちゃんについても話題に挙がりましたけど、他のバッターについてはいかがですか? 印象に残ったキャラクターはいますかね。
原作ファンの目線でいえば、清澄宙子はもうちょっと得点力があってもいいと思いました。

宙子か……。
原作では花鈴の相棒としてどーんと構える優秀なキャッチャー。守備だけじゃなくてバッティングもかなりの力量ですもんね。原作屈指のパワーヒッターである室伏マツコにも遜色ない……というのはさすがに言い過ぎか。

まあね……でも、せめてクリティカルでボールを打った場合は3点くらい入ってもよかった気がしちゃう。
キャッチャーつながりになっちゃうけど、俺は花鈴とかつてバッテリーを組んでいて、今は名門・彩愛女学院で名をはせている朝陽さきちゃんが気になりましたね。個人的には彼女もかなりの強打者って認識なので、クリティカルで打った場合の得点は3点……いや4点あってもおかしくはない気がしてます。

納得が感あるなぁ。ネタバレは避けるけど、あの土壇場でのホームランとかかなりインパクトあったよね。「愛の力!」ってセリフには思わず笑ってしまったし。
めっちゃわかります。原作未読の方にもぜひ読んでみてほしいシーンですよね。さきちゃんはカニも大好きなキャラなのでプッシュしたい!
『花鈴のバッティングプラクティス』にもしあのキャラが登場したら……? ゲーマー目線で考えてみる!
では、ここからは『バッティングプラクティス』に登場してないキャラクターの能力についても考えてみませんか?
お2人が気になったキャラクターとかいたら、「こんな能力で登場してほしい!」って考えてみるのも面白いですよね。ここで出たアイデアをまとめて、上田さんに続編を作っていただきましょう!
急に言われても上田さんも困るでしょ……。
僕らは普段はゲームを遊ぶ側の人間ですが、作る側に立ってアイデアを出すというのは新しい挑戦で興味深いですね! ただバッターはだいぶ粒ぞろいだと思うので、ピッチャーメインになりそうですけど。じゃあ、まずはラー油さんからどう?
俺は帝蘭高校のピッチャーである熱田やわらを推したいかな。投球フォームに柔道で培ってきた技術を応用した“背負い投げ投法”がお気に入りなんですよ。昭和のスポ根を思い出すというか……独特の風情が感じられる。
キャラクター紹介
ストレートでめっちゃゴリ押ししてくるあたりに性格が出てていいよね。彼女の投げる球は“重く感じる”ということで花鈴たちは打ちあぐねていたけど、あれはあえてストレートの回転数を落とすことで、バットには当たるけど飛びにくいという科学的根拠で裏打ちされてるのが面白かった。
バッティングの飛距離にも、ボールの回転数って関係あるんですか?
そう言われてますね。インパクトの際にバックスピンをかけることで揚力を発生させ、飛距離を伸ばすってテクニックらしいです。
つまり最初から回転が少ないやわらのストレートは、バッター側が狙って回転をかけないと飛びづらいってことですか。勉強になります!
花鈴とは違ったアプローチの投球技術ですよね。それを“ボールが重たい”ってカタチで表現するの、俺はかなり好きですよ。こうなると魔球はやっぱりストレートにしたいかな。
彩愛女学院のソフィア投手もストレートを魔球にしていますよね。ソフィアは“ヒットを打たれてもポイント増減後に相手はポイントマイナス2、自分はポイントプラス2する”という特殊な球になってますが、やわらはどうなりそうです?

“当たっても飛びにくい”ってところをフィーチャーしたいんだよなあ……。伊織のカットボールとも似てますが、クリティカル以外でバットに当たったらポイントマイナス1とかどうでしょう?
いいんじゃない? 手元で変化することで芯をズラして“打たせて取る”伊織のカットボール。
対して“芯で捉えて回転をかけないと前に飛ばない”やわらのストレート。
効果は似ていてもそれに至るまでの経緯が全然違うってところが、いかにもゲーム的で俺は好き。
タダツグさんは誰にします?
冥王学園のエース・中洲みずほも気になるが……ここは彩愛女学園の1年生ピッチャー・野原天依で考えてみようかな。
天依ちゃんは天然のカットボーラーなんですよね。本人はストレートを投げているつもりが、無意識に回転がかかっていてバッターの手元で球筋が変化するという……。これも月光学園の伊織ちゃんのカットボールと似通った性能になりそうですかね?
普通に考えたらそうですが、彼女を使う場合は“ストレートがすべて魔球扱いになる”ってのはどうでしょう? 『バッティングプラクティス』でいえば、カットボールはスライダーと同じ扱いになるかな。横方向に必ず1マスだけズレる感じで。
魔球を多投できるのはバランス的にどうだろう……と思ったけど、むしろバッター側も“ストレートはない”ってわかってるわけだし、独特の駆け引きが生まれてきそうですね。けっこういい塩梅かも!
あとは、杜の都高校のピッチャー・泉ひなたのカーブもゲームに盛り込みやすそうかな~と。
キャラクター紹介
そうきましたか!
ひなたはスピードが遅くて大きく曲がるカーブと、逆にスピードが速くて曲がりが小さいカーブ。2種類を投げ分けるピッチャーでしたね。
『バッティングプラクティス』でこれを再現するなら、カードを2枚使うことになるかも。曲がり幅を2段階から好きに選んで、どちらかをセットする感じかな。
そこに普通のカーブも織り交ぜることができるとなると、これまた駆け引きの材料になりますね。
さすがのゲーマー視点。心理戦がさらに加速しそうで個人的にはワクワクします。
ではさっそく上田さんに売り込みに行きましょうか。クレジットにトガゲーチームの名前も入れてもらいましょう。
だから、急に上田さんの仕事を増やさないで!
『バッティングプラクティス』はピッチャーとバッターの心理戦をしっかりゲームに落とし込んでるから結構気に入ってます。座談会をしていたらまた遊びたくなってきたぜ!
受けて立とう。なんなら今からやるか? 負けた方がアイスおごりな。
部活終わりの学生みたいなことを……だけどこれこそトガゲーチームですよね。その勝負、カニも乗っかります!
読者の皆さん、『花鈴のバッティングプラクティス』は現在わかさ生活から絶賛発売中ですので、興味を抱いた方は公式サイトをチェックしてみてくださいね。原作コミック『花鈴のマウンド』は今年で10周年を迎え、ますます盛り上がりを見せているところなので、こちらもぜひ!
『花鈴のマウンド』公式サイト
WAKASA & CO. KYOTOで「花鈴のマウンド」をもっと楽しもう!
WAKASA & CO. KYOTOの4階に新しくオープンした書店「角谷建耀知文庫」には、「花鈴のマウンド」コーナーが。
『花鈴のマウンド』全巻が置いてあるほか、『花鈴のバッティングプラクティス』をプレイできるテーブルもあり、花鈴の世界をじっくりと楽しめそうです。
さらに、キャラクター診断も!
複数問に回答するだけなので、訪れた際にはぜひ遊んでみてくださいね。

ちなみにカニは花鈴タイプでした。

住所: 京都府京都市下京区長刀鉾町22 三光ビル4階
営業時間:11:00〜19:00
ライター紹介

タダツグ
締め切りはケツ合わせ系のゲームライター。業界歴は20年以上で、1日のうち大半の時間をゲームに注ぐほか、アニメや映画、マンガなども大好物。仕事柄、多数のゲームに触れる機会が多いものの、趣味の範囲ではお気に入りのゲームをずっと遊び込むタイプ。

双葉ラー油
老舗ゲームブログ『絶対SIMPLE主義』を20年以上運営するブロガー。「知らないゲームを教えたい!」をスローガンに、大作からニッチな作品まで取り扱う。特撮関連の造詣も深い。謎のマスクを被っているが別にプロレスラーではない。