新年座談会! ゲーム業界の2025年を振り返りつつ2026年の展望を語る
ゲームライターのタダツグです。
ゲームブロガーのラー油です!
本日はゲーマーの聖地・秋葉原に来ております。
お2人ともお集りいただきありがとうございました。
新年というこのタイミング、そしてこのチャレンジャー応援サイト「DEKIRU!」の発足1周年を記念して、今日はお酒で乾杯しながら2025年を振り返る座談会を企画させていただきました。まずは乾杯しましょう、飲みましょう!
じゃあ僕は梅酒ソーダから。
自分は電気ブランハイボールをお願いします。
なんか必殺技っぽいネーミングだ。俺もそっちにすればよかったか。
私はビールさえあれば大丈夫ですのでね。乾杯~!
かんぱーい!
かんぱーい!

では、いい感じにお料理もいただきながらトークテーマを進めていきましょうか。
まずは、お2人から見て2025年のゲームシーンで気になったタイトルや出来事を振り返ってもらえますか?
自分は「DEKIRU!」ではインディーゲームのレビューをたくさん書かせてもらいましたが。そこで名前を挙げたタイトル以外だと、昨年10月にリリースされた『アーシオン』ってタイトルが印象深いですね。
『アーシオン』公式サイト
https://earthiongame.com/jp/
Nintendo Switch、PlayStation4&PlayStation5、 Xbox Series X/SにSteamでもリリースされているシューティングゲームのようですね(ビールをぐびぐび)。
なんだかグラフィックがかなり懐かしい感じ!
そうなんですよ。こちらは昭和というか……より具体的に言うとメガドライブ全盛期の頃のシューティングをリスペクトした令和の新感覚シューティングゲームでして。
手触りからグラフィック、かっこいいサウンドまで、往年のシューティングファンを虜にする要素が満載なんですよ!
ゲームミュージック界のレジェンドである古代祐三氏がBGMを手掛けてるのか。俺からすればそれだけでちょっとヨダレが出てくるよ……。
うん……それは目の前にある煮物をチラチラ見てるからでしょ。さっさと食べてください。

かたじけない。
ほぅ、これはビールが進む味ですね(ビールをぐびぐび)。
カニさんもお腹減ってたんですね……。
ちなみに本作、なんとメガドライブ本体でも実際に動かせるように作られているらしくてですね。「ホントに令和のゲームなのか?」ってくらい、とにかくすごいこだわりっぷり。
いいねえ。シューティングってジャンルは、ずいぶん前からちょっとニッチな市場って認識があったけど。インディーゲーム界ではかなり元気なジャンルって気がするよ。
まさにそのとおりで。たしかにニッチ寄りではあれど、コアなファンがついているジャンルでもあるから。さまざまなインディーの名作が続々と世に送り出されてますし、その流れは2026年も続くんじゃないかなって思っています。
ラー油さんはシューティングゲームが大好物だから、そうあってほしいという願望もありそう(笑)。
まちがいないでふね(これまた大好物の刺身を頬張りながら)。

タダツグさんにとっては、2025年ってどんな年でした?
僕も「東京ゲームダンジョン」や「東京ゲームショウ」の取材で、インディー業界の勢いは存分に感じた1年でしたが。コンシューマーでもチャレンジングな作品はいっぱいあったなあって思ってますよ。
ぐびぐびー!
「なるほどー!」みたいに言わないで(笑)。
さておき具体的にいうと、KONAMIから6月に発売された『シャインポスト Be Your アイドル!』はすごく印象に残ってますね。
『シャインポスト Be Your アイドル!』ゲーム公式サイト
https://www.konami.com/games/shinepost/
昨年6月の「上半期振り返り座談会」でも名前を挙げていたタイトルですね。
ええ。その時も言いましたが……この作品、かわいいアイドルを育成するエンタメ作品と思いきや、彼女たちが所属するプロダクションの経営も行わなければならないという、かなり歯ごたえのあるバランスでして。育成+経営シミュレーションゲームとしてかなりの高品質に仕上げられているんですよ。
俺も遊びましたけど、めちゃくちゃいいゲームですよね。Nintendo Switch2と発売日が一緒となるローンチタイトルですが、非常に高品質。
KONAMIほどの老舗メーカーが、まさかSwitch2の発売日に『シャインポスト』を持ってくるのかよ! ってビックリしちゃって。しかもまさかのSwitch2専用タイトル。
専用ということは……他のハードやPCでは遊べないんですね。最近のタイトルにしては珍しいんじゃないですか?
そう。普通に考えたら様々なハードで展開した方がユーザーの目に留まりやすいと思うんですけど。『シャインポスト』はその戦略を取っていないんですよね。そこがまたすごいチャレンジだな、と。
あれは遊んでいて本当に楽しかった。あ、飲みもののおかわりお願いします。2杯目はビールで!
2杯目がビールってなかなか珍しい飲み方にも思えるが……。
あとは、これまた大手メーカーであるスクウェア・エニックスからリリースされた『オクトパストラベラー0』も興味深かったですね。
『オクトパストラベラー0』公式サイト
https://www.jp.square-enix.com/octopathtraveler0/
具体的にはどのへんがですか? あ、瓶ビールお願いします!
ラー油さんですらまだ2杯目なのに、カニさんあなたそれ何杯め?
いやまだ3杯目ですよ(笑顔)。お話はちゃんと聞いてますからお気になさらず。
お酒好きとは聞いてましたが、なかなかやるなあ~。ちなみに『オクトラ0』ですけど。こちらは2020年の10月にスマートフォンで遊べるアプリゲームとしてリリースされたRPG『オクトパストラベラー 大陸の覇者』をベースに、コンシューマ版ならではの遊びが盛り込まれた新作となっています。
アプリゲームがコンシューマに移植されることって、よくあるんですか?
パターンとしてはその逆が多いイメージありますもんね。
まさに。コンシューマで人気を博した作品が、システムなどを新しくアレンジしてアプリゲームになった例は枚挙にいとまがありませんが。本作はその逆のパターンを行っているんですよ。
内容はベタ移植なんですか?
いや、ストーリーのベースラインこそ踏襲してるけど、いろいろなゲーム性が追加されてて、プレイフィールは全然違ったものになってるね。
タダツグさんはさらっと口にされましたが。ストーリーのベースラインはアプリゲーム『大陸の覇者』を踏襲しているって、地味にものすごいですね。だって、遊ぼうと思えばスマートフォンでほぼ同様の物語を無料で楽しめるわけですよね(ビールをぐびぐび)。
そのとおりです。まあ、『大陸の覇者』をベースにしつつかなり大胆なアレンジも加えられているから、まったく同じストーリーかと言われれば答えは「NO!」なんですけど。それでも、無料で遊べるアプリ版をベースにフルプライスのコンシューマ版を作るというのは、めちゃくちゃ勇気がいるチャレンジだったと思います。
それは興味深い。ゲームとしてのクオリティはどうだったんです?
ぶっちゃけマジで面白かったよ。要所で新要素やアレンジがふんだんに盛り込まれたストーリーもそうだけど、バトルのバランスやらタウンビルドといったクラフト要素まで、何もかもが作り込まれてる。海外のメタスコアが高評価をたたき出したっていうのも伊達じゃないよ。
さっきの『シャインポスト』のKONAMIさんもそうですが。お2人ほどゲームに詳しくない私ですら名前を知っているスクウェア・エニックスさんのような超大手が、そういったチャレンジングな作品を世に送り出してくれるのはいいことですね。
まさにそれ!
大手がパイオニアとなって新しいことを仕掛けたら、後ろに続きやすいじゃないですか。それが業界全体の活性化につながる部分も間違いなくあると思うし、今後もこういった動きはどんどん増えてほしい。何もインディーゲームに限らず、ゲームでチャレンジできることなんていっぱいあるんじゃないかなって思いますね。
深いハナシすぎてビールも進むってなもんですよ。
あ、会話がエキサイトしているあいだに届いたこの地鶏を焼いたやつ、めっちゃ美味しいからお2人もぜひぜひ!

自由なヒトだ……。ある意味チャレンジングだぜ。
……まあ、そういう捉え方もできるね。俺もコークハイをいただきます。
イベント取材もたくさん! 2人がとくに気になったのは……
2025年はトガゲーチームとして色々なイベントも取材させてもらいましたよね。お2人がとくに印象に残っているイベントってなにかあります?
俺はタダツグさんとカニさんと一緒に鑑賞させてもらった、舞台演劇と謎解きゲームが融合した「カスタムプロジェクト」の謎解きチャレンジが面白かったです。
「カスタムプロジェクト」公式サイト
https://custommystery.com/
行きましたね! 結局誰も謎が解けなくて、ずいぶん悔しい想いをしました(笑)。
俺はもうちょっとだったんだけどなあ……。犯人もトリックもわかってたから。計算問題に戸惑ってただけなので、あと数分あればクリアできてたと思うと……ぐぎぎぎぎ。
逆に俺はほとんど解けなくて四苦八苦してましたから。舞台演劇にあまり興味がなかった俺でも、どっぷりノメり込める面白さでした。かもし「カスタムプロジェクト」が今年も公演をするなら、またお邪魔させてもらって今度こそクリアしたいですね。
あっちぃ! ラー油さんが燃えている……。

タダツグさん、その茶碗蒸しめちゃアツいのでやけどに注意してくださいね(ビールをぐびぐび)。
それを先に言ってくださいよ! さておき、カスタムさんは今年もたぶん公演あるんじゃない?
そのときはまた3人でお邪魔させてもらって、全員が謎を解き明かして、今度こそ勝利の美酒に酔いたいですね! シャンパンファイトしましょう!
ところで、カニさんが酔うことなんてあるんですか?
俺らよりめっちゃいい感じのペースだけど大丈夫なのかな。
大丈夫ですよ、今日は飲み放題プランなんで!
あと編集長からおこづかいももらってきました!
うん……心配してるのはそこじゃないんだけど、まあいいか。
そういうタダツグさんが気になったイベントは?
俺はカニさんと2人で取材した「ゲームマーケット2025秋(ゲムマ)」かな……。
「ゲームマーケット」公式サイト
https://gamemarket.jp/gamemarket/2025a
あれは楽しかったですね! 実際に現場でゲームもいくつか遊んだりしましたし。
わかさ生活さんがブースを出していたのも面白かったです。このトガゲーにも登場してくれたことがあるクリエイター社員の上田さんが手掛けた『ERROROID』と『花鈴のバッティングプラクティス』を遊ばせてもらったりもして。
俺が体調を崩していけなかった取材だ! やっぱり楽しかったですか、上田さんのゲーム。
どっちも楽しかったぜ! 忖度なくノメり込んでしまった(笑)。
いいですね! 俺も遊んでみたいな。

せっかくなので、トガゲーチーム vs 上田さんの企画なんかを立てましょうか。2026年の最初の目標にしてみますか? 上田さん、お酒お好きかな……?
そうしましょう! わかさ生活からゲームがリリースされてるなんて知らない人も少なくないと思うし、もっと認知度をアップさせていくためにも、この手のリアルイベントにたくさん出展してほしいですよね。
そもそもアナログゲームってあまり触れてきてない文化なので。普通に興味ありますよ。
俺もそうだった。だからこそゲムマの取材は新鮮だったし、すごく影響を受けた部分も大きい。ゲームダンジョンもそうだったけど、やっぱり作っているクリエイターさんとの距離感が近いイベントっていいよね。
ホントに。今年も色々と取材に回りたい!
俺なんかは最近、ゲームソフトも本なんかも全部デジタルでダウンロード購入しちゃうからさ。「手に取って遊べる」アナログゲームってものすごく新鮮で、ホント楽しかった……。
俺はやっぱりパッケージにこだわっちゃいますよ。収納スペースに苦労するけど、データで残しておくのとは違った意味合いが出てくる。
パッケージ版って徐々に廃れつつある文化ではあるけど、だからこそこだわって作ってほしい気持ちはあるなあ。
やっぱり「手に取れる造形物」へのこだわりって大事ってことですかね。あ、私はお寿司をいただいてます。

ああ、お寿司を手で直接取るのかな……って、そこはお箸を使うんかい!
手で、お寿司を取ったら、ビール瓶が、汚れちゃうじゃ、ないですか。
マイペース過ぎる!
話を戻すけど、これまたトガゲーでも取材させてもらった『IZON.』も印象深かったな。アレはもともとカプセルトイの企画として立ち上がった『紬ギ箱』が、クラウドファンディングなどを経て『IZON.』というゲームとして形作られた。アナログからデジタルに進出した、なかなかチャレンジングな企画だったと思う。
『IZON.』公式サイト
https://ip.crdg.jp/izon/index_ja.php
ゲームのクオリティも高かったですよ。『第2節』が本格的に動き出したら、トガゲーチームとしてもがっつり応援したいですね。
ちなみに私は、タダツグさんがインタビューしてくれたゲーム開発Vtuberの「ぴくせれ~ど!」のメンバーインタビューがすごく印象深かったです。
ゲーム開発Vtuber「ぴくせれ~ど!」YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@pixelade_channel
ほほう。記事は読みましたよ。
面白かったですよね、彼女たち。メンバーが自由奔放にやりたいことをやっている感じが、お話を聞いててすごく伝わってきた。「ぴくせれ~ど!」のメンバーは『かくれ鬼』ってゲームを絶賛開発中なんだけど……。こちらもめっちゃチャレンジングな作品だから、完成まで引き続き追いかけていきたいですね。
『かくれ鬼』ストアページ(Steam)
https://store.steampowered.com/app/3988220/_/
AIの発達がインディー業界にさらなる影響を及ぼしていく? 2026年の展望とは
デザートも運ばれてきましたし、そろそろこの座談会もシメの方向に向かっているわけですが。ここでお2人の考える2026年のゲーム業界の展望について語ってもらえますか?
あ、瓶ビールもう一本お願いします!

あまり大それたことは言えませんが……。まあ、きっとAIの潮流がますます早くなり、これをいかにうまく使いこなせるかが重要になってくると思いますね。
昨今のAIの進化はすさまじいですもんね。すでにビジネスシーンにも大きな影響が出ていますが、それはゲームも同様ってことでしょうか。
そうですね。インディーゲームでいえば、AIを利用しているクリエイターさんは増えていると感じます。
すべてのマテリアルをAI生成するわけではなく、一部をAIで作っていたり……みたいな作品が多いのかなーと。プロンプト……いわゆるAIにどんな指示を出せばどのような出力がなされるのか、という知識もだいぶ広まってきているらしく。そのへんの流行り廃りもあったりするし、見ているぶんには面白い部分もありますかね。
面白い部分「も」、という表現は気になりますね。面白くない部分もあるってことですか?
(カニさんこのペースで飲んでるのに、ちゃんと聞いているんだな……)面白くないというか、良し悪しがあるんじゃないかなって。
たとえば、AIのおかげでクリエイティブに取り掛かるためハードルはグッと下がったと思っていて。思ったように絵が描けず悩んでいた人が、AIによってイラストを比較的手軽に出力できるようになり、それによっていろいろなクリエイティブが生まれる可能性が出てきたのは良い兆候かと。
ぐびぐび……。
一方で、粗製乱造というか……同じようなものを安易に大量生産できるようになってきている側面もあり。インディーゲームはとくに玉石混交の側面もあるから、クリエイターが精魂を込めて作った本当に面白いゲームが、即席で作られた大量の乱造品に埋もれてしまう懸念はあると思うんですよ。それはもったいないし、ゲームの未来を考えると面白いことではないですよね。
俺は毎週いろいろなインディーゲームのリリースを自分のブログにまとめていたりしますけど。最近は顕著に数が増えてきていて、とてもじゃないけど追いきれないんですよね。今タダツグさんが言ったとおり、本来であれば自分たちの目に留まったであろう名作が、物量に押し流されてデータの海に埋没してしまうリスクはあると思います。それはたしかにもったいないですよね。

なるほど。おっしゃる意味はよくわかります。
勘違いしてほしくないのは、AIを否定する気はさらさらないってことです。こんな便利なものを使わないなんてありえないというか、どんどん使いこなすべき。一方ですべてをそれに委ねるのはあまりにも寂しいなって気がする……そんな印象ですね。
クリエイターの個性というか、ヘキとでもいうか。AIには出せないであろう「我」を感じられるゲームのほうが俺も好きですね。
その「我」を出すためにAIを活用するのがベストなのかもしれない……。自分自身が表現されている作品って、やっぱりそこかしこからチャレンジ精神を感じますからね。トガゲーはそんな作品を世に紹介していく企画であれたらいいなって思いますよ。
4月でトガゲーも連載一周年を迎えますからね。我々自身、もっと新しいことに挑戦していくのも面白そうです。もっと遠くまで、あるいは誰も知らないような珍しいことまで取材の足を伸ばすとか。
イベントを自分たちで企画して運営してみるとか。やりたいなって思うことはいくつかある。俺たちも新しいことにどんどん挑戦していきたいね。
チャレンジャーとしてのお2人にも期待してしまいますよ。今日は楽しいお話をありがとうございました!
じゃぁ瓶ビールを……え、ラストオーダー? 聞いてないです! 聞いてないんですけど!!
カニさん大丈夫ですかね……。
まぁ、そっとしておこう。
ライター紹介

タダツグ
締め切りはケツ合わせ系のゲームライター。業界歴は20年以上で、1日のうち大半の時間をゲームに注ぐほか、アニメや映画、マンガなども大好物。仕事柄、多数のゲームに触れる機会が多いものの、趣味の範囲ではお気に入りのゲームをずっと遊び込むタイプ。

双葉ラー油
老舗ゲームブログ『絶対SIMPLE主義』を20年以上運営するブロガー。「知らないゲームを教えたい!」をスローガンに、大作からニッチな作品まで取り扱う。特撮関連の造詣も深い。謎のマスクを被っているが別にプロレスラーではない。