新商品の中から、特にチャレンジを感じるアイテムを紹介する『チャレンジみっけ隊』。
今回見つけたのは、ティッシュブランドが仕掛ける”涙”テーマの短歌コンテストキャンペーンです!
SNSで短歌ブームが加速するいま、まさにその波に乗って展開されたこのキャンペーン、ただの企業コラボにとどまらない、ちょっと胸が熱くなる企画でした。
ハッシュタグ「#クリネックス涙腺短歌」で投稿するだけ

日本製紙クレシア株式会社が展開するティッシュブランド「クリネックス」は、2026年5月11日(月)〜6月30日(火)の期間、短歌コンテスト「クリネックス涙腺短歌」を実施中です。
応募方法はシンプル。
Xにて「#クリネックス涙腺短歌」のハッシュタグをつけ、”涙”をテーマにした5・7・5・7・7の短歌を投稿するだけ。1アカウントにつき100首まで応募が可能で、SNSに慣れた世代なら気軽にトライできます。
賞の内訳は以下の通り。
最優秀賞(1本):賞金30万円
優秀賞(5本):賞金5万円
審査員賞(3名×5本・計15本):賞金3万円
佳作(30本):クリネックス商品詰め合わせ

審査員はお笑い芸人・ヒコロヒーさん、歌人・木下龍也さん、文筆家・土門蘭さんの3名。単なるタレント起用ではなく、本格的な文学的視点を持つ顔ぶれが揃っています。
入賞作品の発表は、2026年8月21日(金)特設サイトにて公開される予定です。
キャンペーン発案の背景には、スマホ・SNS時代において「文字数を制限して感情を表現すること」が日常的に行われているという気づきがありました。31文字の制約の中で誰かの心を動かす——そんな「短歌」という文学と、ティッシュの「涙を拭う」という役割が、自然なかたちでつながっています。
出典:アットプレス
「泣く力」が注目される時代に、あえて”涙”をテーマにした理由

ティッシュを最も使うシーンといえば「涙」が出るとき。まさにその「涙」がテーマということもあり、さまざまな涙のシーンを表現した短歌が集まりそうです。
注目したいのは、時代背景との絶妙なマッチングです。
博報堂生活総合研究所の「2026・生活知新」では、現代を「感情ミュート社会」と定義。自分の素直な感情を出せる場が「減っている」と感じている生活者は6割近くにのぼると報告されています(出典:感情ミュート社会の新欲求)。感情を抑制することが求められる社会のなかで、短歌はその”ガス抜き”として機能している——そんな社会の空気を読み切ったキャンペーン設計と言えます。
さらに、SNSでの投稿というハードルの低さも見逃せません。専用アプリのダウンロード不要で、Xに投稿するだけで完結。10代からシニア世代まで、あらゆる世代が参加しやすい設計になっています。
また、審査員の選択もユニークです。ヒコロヒーさんは「言葉を面白くする」感覚を持つ芸人、木下龍也さんは現代短歌の第一人者、土門蘭さんは日常とエモーションを言語化するプロ。この3者のまなざしが交わることで、「うまい短歌」だけでなく「心に刺さる短歌」が選ばれる構造になっています。
製紙会社×短歌という一見すると異色の組み合わせが、実はとても必然に感じられるキャンペーンです。
チャレンジみっけ!
今回見つけたチャレンジは…
- 「涙を拭う道具」が「涙を表現する場」を作るという、役割の逆転発想(ブランド価値向上戦略)
- 日常消耗品ブランドが文学の土俵に乗り込む、カテゴリを超えたブランド体験(ジャンル越境戦略)
- ハッシュタグ一本でUGCを大量生成する、SNS時代のローコスト拡散設計(ファンベースマーケティング)
一緒に考えてみよう
「涙を拭う道具」が「涙を表現する場」を作るという発想の逆転が、このキャンペーンの核心にあります。
あなたが最近「涙」を流したのは、どんなシーンでしたか? うれし涙、悔し涙、笑いすぎた涙……涙の種類は、実はとても多い。そしてそれぞれの涙に、きっと31文字の物語があるはずです。
また、製紙会社と短歌という意外な組み合わせは、「ティッシュが必要になる瞬間」を起点に考えれば、実はとても必然。あなたの身近な商品やサービスにも、こんな異色コラボのタネが眠っているかもしれません。