知らないゲームを教えたい!(挨拶)
ゲームブロガーのラー油です!
気が付けば今年もあと僅か。師走で忙しいこの時期でも遊べる、手軽で面白いゲームは無いものか。柔らかく食べやすくて味わい深い、そう例えるなら豆腐のようなゲームは……。
というわけで、今回のキーワードは「豆腐」です!
公式サイト
https://phoenixx.ne.jp/work/thestrongesttofu/
パブリッシャー:Phoenixx Inc
機種:PC/Switch
価格:550円
「本物のとうふマイスターが制作した、唯一無二のとうふアクションゲーム」
という堂々たるフレーズと共に送り出されたタイトル。柔らかい豆腐を操作し、崩れないようにゴールを目指す内容です。
ゾウノアシゲームズによる個人製作のインディーゲームであり、バンダイナムコゲームス主催の「第1回GYAAR Studio インディーゲームコンテスト」入賞作品でもあります。
タイトルもコンセプトもインパクト大。豆腐が主人公のゲームって、『バイオハザード』のおまけモードくらいしか知りませんよ!
どう見ても一発ネタですが、実際に遊ぶと丁寧に作られた豆腐。
「豆腐……なんて強さだ!」と驚く事間違いなしの1本です。
とうふになれ

「とうふになる」「とうふ設定」「とうふ終了」
という項目が並ぶタイトル画面。豆腐らしからぬ硬い意志が感じられる表記になっています。

木綿豆腐、絹豆腐、高野豆腐から一丁を選んでゲームスタート!
ゲームの紹介記事で「一丁」って単位が使われる場面、なかなか無いですよ!
柔らかい豆腐を操作するゲームですが、高野豆腐は堅いので高所から落ちても壊れないので初心者向き。絹豆腐は滑りやすいので上級者向け。木綿豆腐はその中間となる標準的豆腐。
元の豆腐の特性をしっかりゲームに落とし込んでおり、「ネタっぽいのにかなり真面目に作っている!」といきなり理解させられます。幅広いユーザーが楽しめるバランスで、アクションゲームに慣れてる人なら最初から絹豆腐を推奨。

操作もゲームも非常に単純。
方向スティックで移動!移動+ボタン長押しで方向を定めてジャンプ!ゴールにたどり着けばクリア!以上!

障害物や穴を避けながら進み、ゴールで待つお椀に飛び込むと「とうふになった」と表示されてステージクリアです。

ゲーム中は「とうふになれ」というメッセージが繰り返され、プレイヤーの意識下に豆腐をすり込もうする豆腐サブリミナル演出が炸裂。左上の制限時間が「消費期限」になってるのも細かいところです。

敵キャラとして鳥にカニ、ゴリラ、亀、サメなどなど。普段は豆腐とあまり絡みが無さそうなメンバーが大集合!
敵の断末魔が「とうふが好き」で、こっちを食べた時は「とうふをたべる」などなど。自然界のコミュニケーションが豆腐になっている世界。
意外とバリエーションが豊かなゲーム性

ゲームとしても単純ながらよくまとまっています。
ボタン長押しでジャンプを調整して敵を体当たりで吹っ飛ばしたり、穴やノコギリの隙間を狙って連続ジャンプを狙ったりと、動かして気持ち良いステージ配置が徹底されている。
ステージも1つ1つが短く、ネタまみれでバリエーション豊か。なんだこれは!と突っ込んでいるうちにどんどんゲームが進んでいく。
「豆腐なので高所から落ちると割れて死ぬ」というのも納得感と緊張感あり。空中でちょっとだけ豆腐を動かせるから微調整もしやすく、動かしていて快適な豆腐を実現していますね。
やられても一瞬で復活するのでストレス無し。復活が早すぎて、前の豆腐が破裂してる最中に次の豆腐が動かせる。時間という概念を超越し、死を置き去りにして豆腐は前に進んでいく!

ゲームに一区切りつく度に、豆腐作りの高品質な実写ムービーが挿入されるのもスゴイ。スゴイガシツトウフ!妙にソフトの容量が大きいのこれのせいでしたか!
逗子の老舗豆腐店「とうふ工房とちぎや」さんの協力を得て撮影したもので、映画並みのカメラ設備を使っているこだわりの映像。こういうところでも豆腐への本気を見せて来るゲームです。
BGMも良曲揃いで、手掛けているのは数々の任天堂タイトルに関わった永松亮さん!
どことなくスーパーファミコン時代のアクションゲームを思わせるワクワクした曲が多数。静かなイントロから段々メロディーが増えていくエピローグ曲はどこか懐かしい雰囲気。
メインテーマはハイテンションなイントロ、「豆腐!豆腐!」を繰り返す力強いコーラス、そこに豆腐屋のラッパが混じるハーモニーが斜め上のカッコ良さ!一度聴いたら忘れられない豆腐になっています。

ステージクリア毎に豆腐のトリビアが表示され、終盤になると段々苦しくなっていくのも見所。
最初は豆腐の種類や作り方の話だったのに、「とうふ小僧」という妖怪の話になったり。調べて見ると、豆腐を持ってウロウロする害の少ない妖怪だそうです。かわいい奴だ。

真面目にバカなことをやる!
を貫いたゲームで、おバカだけど豆腐とアクションゲームへの真摯な姿勢が伝わってくる。
手触りの良さとスピード感が素晴らしく、やたら豪華な実写ムービーも含めて550円は格安。難易度はそこまで高くなく、クリアまでは1~2時間でしたが、短時間で完全燃焼できるゲームとして満足度高かったです。終盤の展開やスタッフロールまで「豆腐」が徹底されているのに脱帽。
とにかくプレイヤーを飽きさせないことに全力を注いでおり「こういうアクションゲーム、いいよね」という豆腐のような安心感がある1本でした!オススメ!
ライター紹介

双葉ラー油
老舗ゲームブログ『絶対SIMPLE主義』を20年以上運営するブロガー。「知らないゲームを教えたい!」をスローガンに、大作からニッチな作品まで取り扱う。特撮関連の造詣も深い。謎のマスクを被っているが別にプロレスラーではない。