知らないゲームを教えたい!(挨拶)
ゲームブロガーのラー油です!
いきなりゲームではなく映画の話題を振るので振り落とされないで欲しいのですが、今年は邦画の話題が多い年でしたね。
『鬼滅の刃 無限城編』『国宝』は言わもがな、他にもヒット作・話題作がてんこ盛り!
個人的に印象深かったのは『ドールハウス』で、市松人形をテーマにした超王道のホラー映画。PVに呪いの人形をCTスキャンするシーンがあったので、ちょっとシュールで笑えるシーンもあるのかな?と思いきや純度100%のホラーシーンで戦慄。これぞ和製ホラー!を貫きつつ、市松人形がただの悪者で終わったりもしない良い作品でした。
今回はそんな『ドールハウス』を見ていて思い出した「トガゲー」を紹介。キーワードはズバリ「市松人形」だ!
公式サイト
https://www.wakuwakugames.com/ichimasan
パブリッシャー:わくわくゲームズ/sewohayami
機種:PC/Switch
価格:1650円
個人開発者の「せをはやみ」さんによるアドベンチャーゲーム。
人間の体を奪われて市松人形になってしまった主人公が、元の体に戻るために日本家屋を探索する内容です。
空き巣から身を隠したり、付喪神(つくもがみ)たちと会話をしたりしながら進行します。
市松人形がドーン!と表示されたメインビジュアルに、薄暗いゲーム画面でホラーゲームに見えますが、内容はコミカルさ全開。
Steamページには制作の経緯が書いてあり……。
制作の経緯
市松人形は元々、女の子が可愛がって遊ぶ玩具でした。
それがいつしか怖い存在として認識されるようになり、今となっては怖いモチーフとしての扱いが当たり前になってしまっています。原点回帰として、市松人形の可愛さにスポットを当てたゲームが1つくらいあってもいいのではないかという考えを元に、このゲームが制作されました。
作中では、市松人形に限らず、忘れられかけている古き良き日本の風習や文化が散りばめられた作品となっています。
身近な日本文化に触れてみたい方におすすめです。
少し怖くて時に切ない、心温まる冒険をお楽しみください。
とのこと。実際遊ぶとこの文章に納得!
可愛い市松人形と忘れられかけた者たちのお祭り騒ぎ。楽しいゲームでした。
怪奇現象も何だか陽気!

ゲーム冒頭はややおどろおどろしい雰囲気。
能面を中心に、長い年月を経て魂が宿った付喪神たちの対話から始まります。よく見ると土偶やハニワも混じっていて割と陽気なテイスト。

続く名前入力画面がこっくりさんなのが、いきなり良いセンスですね。

人間の体を取り戻すには日本家屋の各地にあるクレストが必要だ!くわしくはこの説明書を読んでくれ!
という、話が早くて助かるノリでゲームスタート。
いや、この説明書、どっから出て来たんですか!? 既に怪奇現象が始まっている!

中央の部屋から各ステージに出発して、1つずつ攻略していく構成です。
入口では回収してないクレストとそのヒント、話しかけてない付喪神などを達成率のかたちで確認が可能。
空き巣 vs 市松人形

あまりにも堂々と侵入してくる空き巣を追い出すのが最初の目的。
油断したな!この家には最強のセキュリティである市松人形がいるのだ!
空き巣は特殊部隊並みの物量でうろついてるので、身を隠しながら進んで火災報知機を鳴らせば成功!
しかし鳴らして終わりではなく、空き巣がいなくなった後のクレスト探しが本番です。

市松人形は動くたびに「霊力」を消費し、尽きるとゲームオーバーでセーブポイントからやり直し。
「霊力」は力を抜いて普通の市松人形のフリをする「脱力」で回復するし、脱力中は人間に見つからない。
人間に見つかってしまうとどんどん「霊力」が減ってしまうし、捕まったらゲームオーバー。
というルールになっていますが、空き巣の動きや視界はかなり大雑把。とりあえず机の下に隠れて「脱力」すれば見逃してくれます。
空き巣は悪人だけど、市松人形には優しい!
「霊力」の最大値も遊んでいると伸びていくので、ここはゆるいバランスですね。
市松人形の視点で世界を見てみよう

探す物や目的地もマップに全部表示されているので、市松人形の小さな体で「どうすればあそこに行けるか」「どうすればあそこのアイテムを取れるか」を試行錯誤して楽しむゲームになっています。
人間から見たら普通の家でも、市松人形から見れば大迷宮。
このスケール感がワクワクするところで、タンスの引き出しを乗り継いでエアコンの上に登ったり、鉛筆を発射して仕掛けを動かしたり、物を落として人間を気絶させたりと、出来ることは盛り沢山な大冒険です。
終盤になると特定のブロックに引っかけて飛べる道具が出てきたりと、わりと『ゼルダの伝説』みたいなノリかも。

ロボット掃除機に乗って移動出来るのは本作のハイライト。
ハイテクと伝統文化の融合で人間に立ち向かうのだ!

人間が来たら脱力!
たまたまロボット掃除機の上に置かれた市松人形のフリしよ……。

市松人形が軽快に走ったり、ホフクで隠れたり、ロープをスルスルと昇ったり、そろばんの上に乗ってレースしたり、果ては他の人形と一緒にダンスをしたり……。この独特な空気感が笑えるし可愛いゲーム。市松人形ってそんなに可動域広いんだ!?
味方の付喪神も、なかなか味わい深いキャラクター

味方として登場する付喪神たちもゆるいヤツらばかり。
序盤のこけしが「この先に人間がいるぜ!」と、ハイテンションで警告してくれる辺りで、ゲームのノリを一発で分からせてくる。

攻略のヒントをくれることもありますが「いつか使う時が来るかも なんて思って 紙袋を溜め込むのはやめろ」など妙に生活感のある雑談を振って来たり、唐突に豆知識を語りだしたり、何やら含蓄のあること言い出したけど、よく聞いたらヒット曲の歌詞じゃん!プリキュアじゃん!ってなったりが大半。ふざけ倒している!

でもたまに「ホラゲーのホラはホラ吹きのホラ」などと名言が飛び出すので侮れない……!

クリアするだけなら4時間ほど。
クリア後のステージ探索や、達成度100%を目指したりするとかなりのボリュームです。全体的に難易度低めなのに、クライマックスだけ変に難易度高めなのは気になりましたが、ぶっ飛んだノリとワクワクする探索で引っ張る良作。
何故主人公は体を奪われて市松人形にされてしまったのか?
屋敷に住んでいる人間は誰なのか? 彼らに何があったのか?
尖ったコンセプトでありながら少し切ない要素もあり、クリアするとゲームコンセプトに納得できる構成が綺麗でした。
ホラーゲーム苦手な人も楽しく遊べる市松人形アクションゲーム。オススメです!
ライター紹介

双葉ラー油
老舗ゲームブログ『絶対SIMPLE主義』を20年以上運営するブロガー。「知らないゲームを教えたい!」をスローガンに、大作からニッチな作品まで取り扱う。特撮関連の造詣も深い。謎のマスクを被っているが別にプロレスラーではない。