知らないゲームを教えたい!(挨拶)
ゲームブロガーのラー油です!
ここ数年のインディーゲームで増えているのが、昔からあるゲームに現代的な要素を融合した作品。
スロットマシンの絵柄を好きに弄ってとんでもないスコアを叩き出したり。ブロックくずしのボールの数と威力を増やして大量の敵を蹴散らしたり……。
キーワードと共に尖った「トガゲー」を紹介していくこのコーナー。今回はそんな流れの1本をチョイス。
今回のキーワードは「おおむね」だ!

ストアページ
https://store.steampowered.com/app/3151290/_
パブリッシャー:モヤシ技研
機種:PC
価格:580円
個人サークルであるモヤシ技研さんの作品。
ボードゲームの「リバーシ」に、お金で特殊な石を買う要素をプラスした内容です。
多彩過ぎる石の種類と、あまりにも自由過ぎる対戦相手が魅力的な1本!
基本ルールはおなじみ「リバーシ」…だけれども

基本ルールは「リバーシ」と同じ。
自分の石で相手の石を挟むと、ひっくり返して自分の石に出来る。交互に石を打って持ち石が多い方の勝ち。
持ち時間12分で12人の対戦相手を打ち破ればゲームクリアとなります。負けても制限時間をマイナスしてのリトライが可能。
左上に表示されてるのが対戦相手ですが、エビ、サメ、ネコなどまともな相手がいない!
というか、妙に海産物が充実してる顔ぶれ。
最初はこれが対戦相手だと分からなくて、しばらくしてから「今エビとリバーシしてるの!?」って気づきました。
対戦相手は数十キャラからランダムで選ばれ、それぞれが違った特殊能力を持っています。繰り返し遊んでも珍妙なキャラが次々に登場。

「なんの前触れもなくプレイヤーの勝利になることがある」という能力を持った「7日目のセミ」は特にインパクト大!
突然「どうやら寿命が来た」と言い残してこちらの勝利に。後味悪いので急にセミファイナルするのやめてもらえますか!
まあ、普通に「生牡蠣」とか「かたくりこ」とかが出て来るので、生物を相手にリバーシ出来るだけマシかもしれません。
石とキーホルダーの効力で相手を叩き潰そう(リバーシの話です)

1戦終わる毎に試合中のポイントがお金に変換され、ショップで石やキーホルダーを購入可能。
石は「1回しか使えないが好きな場所に置ける」「置いた場所から8方向をひっくり返す」「置いた場所から上にある石すべてをひっくり返す」などはシンプルに強力。
他の石と組み合わせることで効力を発揮する、クセの強い石も多数あります。
石を捧げることで特別な石を生成する「魔法陣」や、4手後に爆発する「爆弾石」と、その爆弾石を任意で起爆可能なプラスチック爆弾に変える「起爆スイッチ」などなど。
書いていて何のゲームの説明をしているのか分からなくなりますが、皆さんご存知の「リバーシ」の話をしています!

敵味方関係なく直線状になぎ倒す「香車」が色々とずるい存在。
既に「おおむね」の範疇ははみ出してる気がしますね……。
キーホルダーは売るまで永続で効果があり、特定条件でのポイント倍率や、ひっくり返せる枚数などにも関わってくる強力なもの揃い。購入すると画面右側のスペースにぶら下がっていくのが、見た目的にも楽しいところ。

このゲームで一番インパクトある石はやはり「突撃銃」。
銃撃で盤上にある好きな石を4つ破壊できる!強い!やはり銃が最強!銃を取り出すと対戦相手がブルブル震える演出が細かい。そんなところを細かくしてどうするのか。
強力な石で「リバーシ」の概念を破壊しまくるのがとにかく気持ち良いゲームで、角を取られても問題無し!ダイレクトアタックできる石で角を取り返しても良いし、盤全体を拡張できる石を使っても良し。おおむね逆転可能です。
魔法の言葉「おおむね」さえあれば何でもOK!

敵も敵でトリッキーな性能のキャラが多いため、思わぬ苦戦を強いられるのが面白い点。
定期的に盤面をシャッフルする「乱数表」とか。いったい自分は何と戦っているんだ!?
セミが寿命を迎えたころはまだ平和だったと思える超展開が続々。
ゲームバランスもおおむね崩壊!
最初は勝手が分からず苦戦しますが、キーホルダーと石の組み合わせでポイントを稼ぐことが分かってくると、勝利時に大量のお金が手に入って買い物し放題!それで更に強いキーホルダーと石を買い増して……の繰り返し。あんなに苦戦した海産物たちが溶けていく!

ようやく対戦相手で人間が出てきたと思ったら「将棋をやるつもりで来た人」でズッコケ!
「リバーシ」の概念を覆す対戦相手達を、「リバーシ」の概念を覆す石で撃破していく。「おおむね」を魔法の言葉と解釈し、混沌が混沌を呼ぶやりたい放題「リバーシ」が本作です!
バランスの壊れっぷりも含めて一発ネタに近いものの、対戦相手や石のバリエーションや小ネタの数、そして「バランスの壊し方」が非常に豊富。「これをやったらどうなるんだ?」というプレイヤーの試行錯誤に答えてくれるのが魅力的でした。
次に来る石が表示されており、今は使いたくない石が来たら飛ばすことが出来たり、手持ちの石を使い切ったらリロードが挟まって相手に1回多く行動される仕様などは、ゲームとして考えられていて好きな点ですね。一度手に入れた石や、戦った対戦相手が記録されるやり込み要素もあります。
お値段も安く、ネタっぷりに笑ったら買って損無し。おおむねオススメのゲームです!
ライター紹介

双葉ラー油
老舗ゲームブログ『絶対SIMPLE主義』を20年以上運営するブロガー。「知らないゲームを教えたい!」をスローガンに、大作からニッチな作品まで取り扱う。特撮関連の造詣も深い。謎のマスクを被っているが別にプロレスラーではない。