知らないゲームを教えたい!(挨拶)
ゲームブロガーの双葉ラー油です!
今回もキーワードと共に挑戦的で尖ったゲームをご紹介。
タイトルは『1f y0u’re a gh0st ca11 me here!』。
「イフ ユーアー ゴースト コール ミー ヒアー!」と読みます!読めない……いや、読める!読めるぞ!
キーワードは「コールセンター」と「幽霊」だ!

公式サイト
https://www.kemco.jp/game/1fy0ureagh0stca11mehere/ja
PC版ページ
https://store.steampowered.com/app/1647740/1f_y0ure_a_gh0st_ca11_me_here
パブリッシャー:Furoshiki Lab./KEMCO
機種:Switch/PS5/PS4/XBOX/PC/iOS/Android
価格:720~1430円
開発は国内のインディーゲーム開発スタジオであるフロシキラボ。
冥界のコールセンターを舞台にしたゲームで、下界から次々に掛かってくる幽霊からの電話を受け取り、しかるべき問い合わせ先に繋げていく内容です。
PC版が出たのは2021年ですが、今年に入って家庭用ゲーム版とスマホ版が配信されたので再注目。
公式で「アクションノベルゲーム」と銘打たれてるだけあって、幽霊の声を同時に聞き、素早く選択肢を選ぶ必要があるのが大変!この忙しさが新鮮かつ白熱する作りで、短編ながら登場キャラたちも魅力的に描けています。
たった5秒の通話から判断し、コールセンターを軌道に乗せよう

物語はメイドの仕事をしていた主人公のヴァニタスが、雇い主の紹介でゴーストコールセンターにやってくるところからスタート。
ゴーストコールセンターは彷徨う幽霊たちを導く仕事ではあるものの、出来たばかりなので信用は低い。とりあえず半年という条件付きで運営してる上に、人手不足でスタッフも所長であるアルスだけ。
頑張ってゴーストコールセンターを軌道に乗せるぞ!という筋書きです。

こちらがゲーム画面。
幽霊たちの会話を聞き、除霊などの危害を加えられそうなら「警察」、道に迷っているようなら「地図案内」、幽霊の肉体が怪我など物理的な危機に瀕している場合は「救助」へと繋げるゲーム。
3択クイズを同時にこなすような作りですが、電話が繋がるのは5秒だけ!
その間に会話内容から案内先を判断しなければいけません。
幽霊からの電話はフキダシとして表示され、その中をノンストップで文字が流れていく。
フキダシの上に表示されたアイコンを選択して案内先を決定。次々に電話が掛かってくるので、複数の文字を同時に読む必要があります。
ステージが進むと幽霊ではなく人間がかけてくることもあり、その場合は4つ目の選択である「切断」を選ばないといけないから更に大変。「まだ生きてるじゃねぇか!」と遠慮なく切断してやりましょう。
幽霊たちは慌てて電話をしてくるので要領を得ない通話が多いものの、会話でヒントになる部分は太字で表示されるので、これを取っ掛かりにして状況を判断できる作り。
気分はまるで聖徳太子!?

同時に複数の声を聞く「聖徳太子」気分のゲームと紹介されることが多い本作なのですが、このシステムがよく出来ていて面白い!
単純に素早く選択肢を選ぶゲームは珍しくないのですが、本作はマルチタスク能力を酷使する作りになってるのが新鮮。まくしたてるように流れる複数の文章を同時に読まないといけないのは、ボイスが無いテキストだけのゲームだからこその表現ですね。難易度が上がって来ると頭がキリキリしてくる!
5秒間という尺で展開される幽霊たちの電話内容も練られており、状況が想像しやすいものもあれば妙にほのぼのしてたり、ツッコミ所満載な状況もあったり。短いながらもしっかり印象が残る組み立て方。
最初に端的に用件を述べてくれる幽霊がいてありがたく思う時もあれば、ひっかけ問題みたいな電話もあってミスになったりも。遊んでいて実際のコールセンターの苦労に思いを馳せてしまうところ。
幽霊相手に「3行で説明しろや!」「ここで念仏唱えたろか!」と怒りたくなりますが、向こうが慌てている分、こちらは落ち着かないといけないのです。
そして難易度が上がってくると人間のいたずら電話や肝試し電話が本当にやっかい!
やはり本当に怖いのは幽霊ではなく人間なんですね……。
かなり忙しくて集中力を使う分、1プレイが短くてすぐ終わるのも好きなところ。これで1プレイ長かったらコールセンター業務に体が耐えられなかった!
真エンド目指すならノーミスは必須ですが、1つのステージで表示される電話内容は決まっているので、暗記しちゃえばなんとかなる緩さも良し。
物足りない人はクリア後に遊べるコールセンター100本ノックに挑戦だ!

機種ごとの操作の違いですが、PC版はマウス操作でアイコンをクリック、スマホ版はアイコンをタップ、ゲーム機はスティックを倒してフキダシを選択してボタンで選択となっています。操作性はどれも問題無し。
頭を使って、目指せ真エンディング

シナリオは短編ながら主人公の成長物語としてまとまっており、ラフなタッチで描かれた登場キャラたちも存在感あり。主人公のヴァニタスは様々なトラブルに見舞われながらも、明るい性格で前向きであろうとする姿が健気。黒電話がモチーフのデザインも面白い構造ですね。

所長のアルスは元死神。激務である死神の仕事を減らし、効率よく幽霊を導けるようにゴーストコールセンターを設立。
死神から職が無くなるとか信用ならないとか批判を受けつつも、頑張ってセンターを運営している才能あふれる人物です。
しかしちょっと鈍いところもあって、そこを突っ込まれることも。

ストーリーが進むと後輩としてやってくるカルペは、有名モデルだけど色々あって人見知り。
先輩大好きな後輩っぷりがカワ(・∀・)イイ!!癒しキャラ!

個人的にお気に入りはメリィさんことメメント・モリィ。
所長のアルスと過去に色々あった人物で、その辺りの感情が乗ったセリフ回しがいちいち奥行きある。
っと彼らの活躍が見たいと思うところで終わるのが惜しいところでした。
特にアルスとメリィさんの過去話が気になる~!絶対面白いやつじゃん!
激務過ぎる死神の仕事をなんとかするためのコールセンターと新技術なのに、仕事を奪うと睨まれて横槍が入る構造も、2025年だと更に味わい深い点でしたね。

真エンディングを見るまでやり込んでも2時間ほどの短編ですが、脳みそのあまり使ってない部分を酷使するマルチタスクなシステムは体験する価値あり!
登場キャラや巧みなテキストに加えて、いかにも「幽霊!」なおどろおどろしいメロディかつノリの良いメインテーマも印象的。
続編の予定もあるので楽しみに待ちたい!
ライター紹介

双葉ラー油
老舗ゲームブログ『絶対SIMPLE主義』を20年以上運営するブロガー。「知らないゲームを教えたい!」をスローガンに、大作からニッチな作品まで取り扱う。特撮関連の造詣も深い。謎のマスクを被っているが別にプロレスラーではない。