イントロダクション
どうもどうも〜! 名物書店員を目指して絶賛奮闘中でおなじみ、いっちーです!

第一弾の記事、もう読んでいただけましたか? いかがでしたか〜!?
イベントの主催である『役者でない』さんは、イベントやパフォーマンスには熱く、そして他人にはとことん優しい、とっても素敵なお人柄でしたよね~。本づくりなんて考えてなかったけど、「あの人に会いに行ってみたいな〜」って思った方もいるんじゃないでしょうか!
さて、今回インタビューするのはイベントの会場である『喫茶フィガロ』のマスターであり参加者『喫茶ロマンと常連』さん!
しかもなんと、本をつくるのはこれが初チャレンジなんだとか! その意気込みはもちろん、今回は「自分のお店で“本のイベント”をひらくこと」についても、たっぷりお話を聞いちゃいます!
本をつくるって、ほんとにDEKIRU?
その答えを探しに、さっそくインタビュー、やってきましょ~!
イベント会場のマスター兼参加者『喫茶ロマンと常連』さんプロフィール

『喫茶ロマンと常連』
ロマン:『喫茶フィガロ』という喫茶店の店主。元中学校国語教員。幼少期から学生時代にはクラシックバレエや演劇などの表現活動をおこなう。『一乗寺BOOKAPARTMENT』棚主。
常連:『喫茶フィガロ』と『一乗寺BOOKAPARTMENT』の常連(『一乗寺BOOKAPARTMENT』の共同棚主)
お久しぶりです~あっ、でもいっちーさんとしては『はじめまして』ですね。
名物書店員、でしたっけ(笑)。
こら! 早速失礼なことを……すみません。
カランカラン♪ とドアベルが鳴るやいなや、すかさず飛び出す軽快な掛け合い!
「いえいえ〜」と返しながらも、全然いやな気持ちなんてなくて、むしろにっこり、頬がゆるみっぱなしです。 実はこのお二人、プライベートでも仲よくさせてもらっていて、僕自身もここ『喫茶フィガロ』でイベントを主催したことがあるんです。
だけど今日はプライベートじゃないぞ! 仕事モード全開でインタビューに全集中っ!
と、気合いを入れてほっぺをぺちんで、スイッチオン!

「こんにちは! 名物書店員を目指していることでおなじみ、いっちーです!」と、元気よくごあいさつ!
すると「よろしくお願いします!」と、ぴったりそろった声で返ってきました。
思わず「おおっ」と声が出そうになるほど、息ぴったりなお二人。
ちょっと押され気味……だけど、それもなんだか嬉しくなってしまいます。
僕よりも楽しそうなお二人を前に、このインタビューが素敵なものになることを確信したいっちーはさっそくインタビューをはじめていくのだった……。
お人柄について聞いてみた!
自己紹介!~命名のワケ~
『喫茶フィガロ』の店主なのに、『喫茶ロマン』、それに『と常連』って……読者のみなさん、「???」ってなってるんじゃないでしょうか。ということで! まずはそのあたりも含めて、自己紹介をお願いしまーす!
はい。この『喫茶ロマンと常連』は、私ロマンと……
僕、常連の……
ユニットです!

息ぴったりの掛け合いに思わずあんぐり……。
困ってらっしゃるやんか。いっちーさんも仕事やねんから、ちゃんとせな。
あんたもしてたやんけ。
やんけ。
僕がつい、ぼそっとつぶやくと――お二人はまたもや声をそろえて大笑い!
自己紹介でこのテンション! 果たして最後までインタビューできるのか……ちょっぴり心配になってきましたが、
『喫茶フィガロ』の店長なのに、『喫茶ロマン』って参加名なのは……
と話し始めたロマンさん!
僕は笑顔のまま、急いでペンをとりました。

『喫茶フィガロ』の店長なのに『喫茶ロマン』って名乗ってるのには、『喫茶』と『ロマン』で、それぞれ理由があります。
『喫茶』のほうは、純粋に“喫茶○○”っていう名前が好きだったのと、自分のお店『喫茶フィガロ』とのつながりを持たせたかったからです。
えっ、そうなんですね! でもだったら、いっそ『喫茶フィガロ』のままでもよかったんじゃ……?
実は『喫茶フィガロ』は人から譲り受けたお店でして、自分が命名したものではないんです。
だからもし自分で“喫茶○○”と名付けるなら何がいいかと考えて、『ロマン』がいいなと思いました。
なるほど~! じゃあ『ロマン』にも、何か由来が……?
はい。伊坂幸太郎さんの『陽気なギャングが地球を回す』という小説が好きで、その中でも『ロマンはどこだ』っていうセリフが特に印象に残ってるんです。そこから拝借しました。
あの名セリフ! “ロマンはどこだ”……実は僕もこの小説を読んだことがあるんですが、本から浮かび上がってくるくらい、印象的なセリフがいっぱいあるんですよね。なんだかお話していたら、読み返したくなってきました!
伊坂 幸太郎 (著) 陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫 い 14-1)(Amazon.co.jp)
『喫茶ロマン』の由来はわかりました! ではそこに「と常連」がついてくるのは、どういった理由があるんでしょう?
ズバリ! 『喫茶フィガロ』と『一乗寺BOOKAPARTMENT』の常連だからです、以上!

い、以上!? それで終わりですか!?
こら! もっとちゃんと答えないとだめでしょう……すみません(笑)。
お話の中にも出てきた『一乗寺BOOKAPARTMENT』というのは、私のお店『喫茶フィガロ』と一乗寺駅のあいだにある棚貸型のシェア型書店です。
実は今回のイベントが行われる前から、私たちはそこで『喫茶ロマンと常連』という名前で、自分たちの棚を持っているんですよ。
最初は『喫茶ロマン』、つまり私ひとりだったんですけど、お店が忙しくて、棚の整理や補充まで手が回らなくて困っていたんです。
そんなときに現れたのが、こちらの常連さん。
実は彼も『棚主やってみたいな〜』と思っていたそうなんですが、一人でやるのはちょっと不安だったみたいで。
それで、“じゃあ、一緒にやりませんか?”と声をかけたんです。
そういうこと〜!
……って、私に説明全部任せすぎでしょ!

本を読んだり書いたりすることについて
さきほどお名前の由来で、ロマンさんの“好きな本”をひとつ教えていただきましたが、普段はどんなジャンルの本を読まれるんでしょうか?
昔は小説を読んでましたね。今はエッセイや経営の本、あとは“場づくり”の本なんかを読んでいます。
場づくり?
はい。最近読んだ本だと、加藤優一さんの『銭湯から広げるまちづくり』という本がとても良かったです!
私自身、銭湯に行くのが好きっていうのもありますが、それ以上に“お店をやっている人間”として得るものがたくさんありました。
あとは岡本太郎さんの本も好きですね。なんというか、生き方が情熱的で……。
情熱的といえば、三島由紀夫さんの『夏子の冒険』も好きな一冊です。
加藤 優一(著) 銭湯から広げるまちづくり: 小杉湯に学ぶ、場と人のつなぎ方(Amazon.co.jp)
三島 由紀夫(著) 夏子の冒険 (角川文庫 み 2-4) (Amazon.co.jp)
岡本太郎さん、三島由紀夫さん、そして銭湯……!
魅力的なキーワードが続々と登場してきて、なんだか一つの物語が始まりそうな気配すらあります。
それぞれに共通点があるような、でもまだちょっとつかみきれないような……。
ロマンさんの中では、これらのキーワードに何か共通する想いや、つながりがあるんでしょうか?
つながり、って言われると確かに難しいですね……。
でも、“人生で必要な言葉やエピソード”を本から探すことは多いです。
おーっ、かっこいー(棒読み)
なんで棒読みなん(笑)。そういう常連さんはどうなんですかー?
インタビュアーの座を奪ったらあかんやろ。
あ、ごめんなさい。お店でお客様とお話するときの癖で……。

いえいえ〜。
そう返しながらも、またもや二人の軽妙なやりとりに、頬がゆるんでしまう僕。
気を取り直して頬をぺちんとたたいていたら、
僕が好きな本は……
と常連さんが話し始めたので、あわててペンをとります!

ちょっと前まではミステリーばっかり読んでました。
最近は、さっきから話に出ている『一乗寺BOOKAPARTMENT』の店長さんの影響で、戦争やガザについての本、いわゆる“社会本”を読むことが多くなって、ミステリーからは遠ざかってますね。
あと、韓国文学とか、今まで読んでこなかったジャンルにも手を出しています。これも『一乗寺BOOKAPARTMENT』の影響です。
いろんな棚主さんの、いろんな本が置いてあって……ほんと、面白い場所なんですよ。
それもう完全に、『一乗寺BOOKAPARTMENT』の宣伝やんけ。
ほんとうや……いったんここまでにしときます。お口チャック。
では次に、本を読むようになったきっかけについて教えてください!
実は……
と、ついさっき“お口チャック宣言”をしたはずの常連さんが早速しゃべり始めて、
「ちょっと早すぎでは!?」とツッコミを入れそうになったそのとき――
僕、昔は文字が苦手でした。本もまったく読んでなかったんですよ。

「えっ!?」と衝撃のカミングアウトに思わず声が出てしまいました!!
じゃあ、漫画がお好きだったとか?
全然。『ドラゴンボール』も『ワンピース』も読んだことなかったんですよ。なんなら、絵本すらも。
ま、まさかの“完全活字アレルギー”だった!?
そんな方が、今では『一乗寺BOOKAPARTMENT』で棚まで持ってるなんて、一体なにが……。
それは、ずばり! 本屋さんで働くことになったからです!

と、まるで名探偵ばりの決めゼリフ! でも……だからこそ、僕の頭にはますます「???」が浮かんでしまいます。
僕自身、いろんな書店で働いてきましたし、今もこうして名物書店員を目指して奮闘中。
読まないジャンルはあっても、“本が好き”な気持ちを持ってる人ばかりが働いてる印象が強いんです。
本を読まない人が書店員になるなんて、正直、はじめて聞きました……。
ど、どうして本を読まなかったのに、書店で働こうと思ったんですか?
それはずばり、そこに募集の貼り紙があったからです!
説明が足りなすぎる! いっちーさんも困ってるやんけ!
大丈夫! いっちーさんの読解力なら、わかってくれるはず!
ごめんなさい! ぜんっぜんわからないので、もうちょっと詳しくお願いします!
(一同爆笑)

本屋の前は、全然ちがう仕事してたんですけど、休みがなさすぎて体壊しちゃって。それでやめたんです。収入もゼロになって……失業保険とかもなかったんで、携帯止まりそうなぐらいピンチでした。
で、ある日フラフラ〜っと街を歩いてたら、たまたま目に入ったのが書店の『スタッフ募集』の貼り紙で。
“あ、ここ!”ってすぐ電話したら、そのまま即採用! 貼り紙見た翌日にはもう書店員になってました(笑)。
即採用! しかも、まだ本読まないままの状態で!
後から採用理由を聞いたら、“働ける時間が長かったから”だったそうです(笑)。
なるほど。そこからが本との運命的な出会いってわけですね……!
はい。でも、自分から本を読むようになったのは、小説とか文章っていうより、まずは仕事で担当になった“大判漫画”からなんです。業務を覚えるために読み始めたって感じですね。
小説は、あるとき京極夏彦さんのぶあつーい文庫本に出会って衝撃を受けまして。そこから島田荘司さんとか、坂木司さんなどのミステリー小説にどハマりして、本を“読む”だけじゃなくて、“集める”ようにもなりました。……と、このへんでロマンさんにバトンタッチして、再びお口チャックします!
やれやれ……今度はいつまでお口チャックしてられるやら……。

本を読み始めたきっかけ……うーん、正直、最初に読んだ本って覚えてないんですよね。親から与えられたものだとすると絵本だと思うんですけど、そこもあやふやで……。
あっ! ハリーポッターはすごく好きで、よく読んでました。
今でこそ文庫になってますけど、当時はめっちゃ分厚い大きな本で、それを持ち歩くのがなんか誇らしかったんです。教室でもわざとらしく広げて読んでました(笑)。
休み時間に教室の隅で洋楽聴いてる、みたいな?
そうそう、まさにそんな感じです(笑)。
当時の私は、“友達”っていうものになんだかちょっと煩わしさを感じてて。本を読んでるほうがずっと幸せだったんです。
今では、そのとき読んでた本の話で盛り上がれたりもするので、“友達より本”を選んだことは全然後悔してないですね。
大きな本を持ち歩いてたって話とか、教室で本を読んでいることが誇らしかったとか、友達より読書を優先してたところとか……僕も、めちゃくちゃ身に覚えがあります!
では次に、“読む”だけじゃなく“書く”ようになったきっかけを教えてください!
実は、二人とも最初は書くつもりなんて全然なかったんです。今回のイベントの主催者である『役者でない』さんから、『喫茶フィガロ』を会場に使わせてほしいって相談を受けたときに、『せっかくならお二人も出しません?』って言われまして……。
私はもともと〆切ってものが苦手で、お店のこともあるし、正直断ろうと思ってたんです。
で、そこで僕が登場するわけです!
そうなんです。常連さんのほうが乗り気になっちゃって……。
なるほど! 実はこのあとの質問が『書いたものを本にしようと思った理由』だったんですが、そこは『役者でない』さんに提案されたから、なんでしょうか?
そうですね……あっでも、自分のお店だから出すことに決めたというのもあります。やっぱり自分でお店をやっていると、なかなかほかの人のイベントに行くことも難しいですから。もちろん他でもない『役者でない』さんからの頼みというのも参加決定の後押しになりました(笑)。

本を作ったことのない人たちをその気にさせるなんて『役者でない』さんの人柄の良さがこんなところにも……!
と、内心、そう一人で感動していたところ
でも実は今、ちょっとどうしようかなってなってるとこもあるんですよね。
と衝撃な一言が! 思わず「え!」と大声が出ちゃいました。
恥ずかしい話、最初は、コンビニで印刷したのをホッチキスでとめて出せばいいかな〜くらいに思ってたんですよ。でも実際に本を作ったことのある知人から、製本に使ってるサイトとか、完成品の見本とかを見せてもらって。
「これは……もしかして思ってたような軽いやつじゃダメかも?」って。ちょっとしり込みしちゃってるんです(笑)。
そんなふたりの苦笑いからは、“初めてだからこそ”の戸惑いがじわりと伝わってきました。
でも、それだけじゃなく、その奥には、それでも前に進もうとする、静かな闘志のようなものも……。
それって、これから本を作ってみたいと思っている人たちにとって、いちばんリアルで、いちばん近い状態なのかもしれません。
というわけで──
ここからは、今まさにおふたりが取り組んでいる“本づくり”について、さらに深く聞いていこうと思います!
実際に作ってる本について聞いてみた!
今回イベントに出品予定のお品書きを教えてください!
まだちゃんとは決まってないんですけど、私ロマンが“生きる”をテーマに、常連が“死”をテーマに書いた『人生のZINE』を作ろうと思ってます!
『人生のZINE』声に出すと、語感がいいし、なんだかすごくかっこいいですね……。
もっと詳しく聞かせてもらえますか?
確かに! 言われて初めて気がつきました(笑)。
私が書く“生きるパート”は、常連さんとインタビューし合いながら、これまでの人生をエッセイみたいな形で綴っていく予定です。
僕の“死のパート”も、同じくロマンさんとのインタビュー形式です。
どう死に向かうのか、どう死にたいのか、なぜ生きたくないと思うのか、なぜ死に惹かれるのか……そんなことを自分なりに掘り下げて、ロマンさんに聞いてもらう感じですね。
テーマは対照的なんですけど、実はこれ、一冊の本にする予定なんです。
たとえるなら、一冊のノートをふたりが表と裏から書き始めて、真ん中で“生”と“死”が出会うような――そんな本にしたいなと!

とても素敵な試みですね! なぜそんな形にしようと思ったんですか?
私はZINEを作ることで、自分の人生をちゃんと見つめてみたかったからです。
おーっ! なんかかっこいい!
知ってるくせに(笑)。じゃあ、そういう常連さんは?
僕は……“生きた証を残したい”って思ったからかな。

うわ、それもかっこいいやん。
いや、ちょっとかっこつけただけ(笑)でも、言ってることは本気です。
死を書くという内容的に“生きた証”というよりは、“遺書”に近いかもしれませんね。
デビュー作にして、遺作……ってことですか?
そうですね(笑)。宮沢賢治みたいに、死後に評価されたら嬉しいですけど……。
もしかしたらイベント当日には、僕もうこの世にいないかも(笑)。
ちょっと、怖いこと言わないでくださいよ〜!
ふたりのやりとりに、思わず笑ってしまいましたが、
そんな軽さの中にも、しっかりとした覚悟や思いが感じられて。
このZINE、かなりディープで、読んだ人の心に残る一冊になりそう…………
……おーい、いっちーさーん。
名物書店員―! いっち~!
……はっ! すみません。おふたりの本に思いを馳せてたら、遠い世界に旅してました!
(一同爆笑)
では次に、執筆や製本で使ったソフトやアプリがあれば教えてください!
執筆は基本スマホですね。もともとふたりともツイ廃なので、その方が筆が乗るんです(笑)。
それに“リアルな自分”を書きたいってなると、パソコンに向かってカチカチよりも、思いついたときにスマホでパッと書ける方が、自然に出てくる気がしてて。

あ、それと! 実は中身は手書きにする予定なんです。
製本方法もまだ検討中だけど、現実的にはホッチキス綴じかなぁ、と。
紐で綴じるのもおもしろそうって、常連さんと話しているところです。
いずれはちゃんとした本も作ってみたいけど、今回のテーマは“生々しさ”が大事だから。
あえてざっくりした仕上がりの方が、雰囲気に合うんじゃないかなって思ってます。
素敵な本の完成形を想像して、またもや遠い世界に妄想の旅をしてしまうところでした!
僕が妄想の世界に行ってしまう前に、執筆中のエピソードや、苦労話も教えてください!
今はZINE専用のグループLINEに思いついたことをメモみたいに書き込んでいく感じなんですが……この形になるまでがけっこう大変でした。
インタビュー形式のZINEなので、お互いに聞き合いながら進めてたんですけど、常連さんがサボったり(笑)、私がグロテスクな話を受け止めきれなかったりして、なかなか進まなくて。
その状況を打破しようと、ZINE合宿したり、喫茶店でじっくり話す時間を作ったりもしたんですけど……
結局は飲んで食べて終わっただけ、みたいな(笑)。
最終的に今のスタイルに落ち着いたのは、“そういえばうちらツイ廃やん!”って気づいたのがきっかけですね。
ツイートくらいの文量なら負担も少ないし、ふたりとも慣れてるからパパッと書けたんです。

ほんとそれ(笑)。でも、楽なだけじゃないですよ。僕が書くテーマはなんてったって“死”ですから、書いててしんどくなることもあります。とくにのめりこんでくると本当にきつい。ほんと、命がけって感じです。
“生きる”がテーマの私だって、明るいことばっかりじゃなくて。
これまでの人生を振り返るってなると、やっぱりつらくなることもあるし、気分や体調に左右されることも多いです。
結局、“生きる”も“死ぬ”も正解がないテーマだから、何を書いても“これでいいのかな?”って悩みは尽きないし……。
しかも、ZINEづくり自体が初めてですから、作り方すら手探りで、不安ばっかりです。
毎回手探りで、壁にぶつかりながら……。
この記事を読んでくださっている読者のみなさんが想像するであろう「大変な部分」に、今まさに直面しているおふたり。
でも、だからこそ自分たちに合うやり方を模索して、ときにぶつかりあいながらも話し合って……。
そうやって出来上がった本は、きっと、何にも代えがたい感動をくれるんじゃないかなと思います。
僕も、完成が楽しみです!
(頭の半分以上、おふたりの完成した本の妄想に持ってかれながら……)
自分のお店で本のイベントを行うことについて
たっぷりお話を聞かせていただいて、本当にありがとうございます!
ここからは『喫茶ロマンと常連』さん……というよりは、『喫茶フィガロ』の店長さんにバトンタッチ。
ということで、テーマはズバリ、「自分のお店で本のイベントを行うことについて」! ぐぐっと聞いていきたいと思います
ということは僕はしばらくドロンですな。

そう笑顔で言ってくださる常連さんに、胸があたかかくなりながら、いっちーは質問を繰り出した!
これまでに、どんな本や文章のイベントが開かれてきたんですか?
そうですね……ざっと言うと、演劇の戯曲を読む会、ブックトーク、ビブリオバトル、ZINEをつくるイベント、自作本のリリースイベント、自作テキストを朗読する会、文学漫談……といった感じでしょうか。
めっちゃ幅広い! どれも気になるし、僕も参加してみたいです!
中にはこれから開催予定のものもあるので、ぜひどうぞ!
……ちなみに、本のイベントが増えたのはここ最近なんです。
今回のインタビューでも何度か登場している『一乗寺BOOKAPARTMENT』さんがオープンしてからですね。そこで本を買った方が、そのまま『喫茶フィガロ』に寄ってくださるようになって。
それで、“本を読んでもOKな場所”として認知されはじめて、じゃあイベントもここでやろう! って流れができたんだと思います。

喫茶店で読書って、なんとなく歓迎されなさそうなイメージがあったので、喜ばれている様子にびっくりです。お店で本のイベントを開くって、実際どう感じていますか?
たしかに、最近はどこの喫茶店も“長居しづらい”って雰囲気がありますけど、うちは全然そんなことなくて。
むしろ、静かに読書してるお客さんがいるとすごく雰囲気が良いんですよ。
だから、今回みたいに本のイベントをやることで、“この喫茶店は本を読んでOKなんだ”って知ってもらって、そんな素敵な人たちが集まる、素敵な空間にしていきたいですね。
本好きとしては、その言葉だけで泣けちゃいます……。
そんな素敵な空間、想像するだけでまたもや妄想の世界へ行っちゃいそうです。
しかも、それが妄想じゃなくて、もう現実になりつつあるなんて……!
では、そんな素敵空間になれるよう、今回のZINEイベント。どんなふうにしていきたいですか?
おそらく、来店される方の中には、“ZINEって何?” って方もいらっしゃると思うんですよ。
なので、本好きだけで盛り上がるというよりは、そういう方にも開かれた、あたたかい空間にしたいです。
あとは、私は参加者ではありますけど、会場のマスターでもあるので……あまりしゃしゃり出ないようにしたいですね。
それに私たちの出すZINEはテーマが重たいので、 “読んでください!” っていうよりは、なんとなく手に取ってもらえたらうれしいな、くらいのスタンスでいます。
ありがとうございます! そのすてきな時間を壊さないよう、取材者としても参加者としても、いっちー全力でがんばらせていただきます!

では再び、常連さんにも帰ってきていただいて……。
最後に「本を書いてみたい」「ZINE作ってみたい」という方へのメッセージと、今回の意気込みをお願いします!
ZINEという世界を知れてよかったですし、体験できたのは本当に良かったです!
今まで本を作ったことのない僕たちでも、なんとかなりそうです。
みなさんも、ぜひ一歩踏み出してみてください!
広がれ、ZINE!

……。
……。
あっ、あの、意気込みも……!
完成するように頑張ります!

(一同爆笑)
次回はついにイベントルポルタージュ!
当日の様子だけじゃなく、ほかの参加者や来場していただいたお客様にもお話をうかがっていきます!

イベント企画「manyways」
X(Twitter):https://x.com/ManyW70765
イベント主催者「役者でない」
X(Twitter):https://x.com/yakushadenai
会場「喫茶フィガロ」
公式Webサイト https://figaro.main.jp/