知らないゲームを教えたい!(挨拶)ゲームブロガーの双葉ラー油です!
今回もキーワードと共に挑戦的で尖ったゲームを紹介していきましょう。今回のキーワードは「トイレットペーパー」!
タイトル:紙がない!
パブリッシャー:宮澤卓宏
機種:Nintendo Switch
価格(税込):600円
インディークリエイターである宮澤卓宏さんの作品です。
内容は、トイレットペーパーを転がしてゴールを目指すアクションゲーム。
Nintendo SwitchのコントローラーであるJoy-Conを、本物のトイレットペーパーに差し込み、本当にコロコロ転がすことで操作するのが最大の特徴!
何を言っているか分からないと思いますが、PVを見てもらえれば分かるはず。
本物のトイレットペーパーを転がすと、ゲームの中のトイレットペーパーも同じように転がるゲームってわけですね。
製作者の宮澤卓宏さんは変なコントローラーのゲームを製作しては、各種インディーゲームのイベントなどで発表しているお方。
本物のダンボールを上げ下げして、裸の体を隠しながら進む『箱だけのブルース』
カメラの前で酔っ払いのマネをすることでヒーローに変身できる『酔っぱライジング』
箱に入ったバナナを握ってIQの低いサルになりきる『SARU BOX』
本物のメガネを手で弾いてサラリーマンにメガネを装着させる『メガネ・メガ~ネ』
などなど……。
挑戦的なゲームを紹介する『大検索!トガりまくりゲーム生活』で取り上げるなら、この人しかいないというクリエイターさんです!
Nintendo Switchでも移植作や新作を多く発表しており、本作『紙が無い!』もその1本。
まずトイレットペーパーをコントローラーにする発想が凄すぎるし、実現させるのも凄いし、アクションゲームとしても丁寧に作られています。
侮れない紙ゲー!
前代未聞!トイレットペーパーになろう!

ゲームをスタートすると3Dで作られた丁寧なチュートリアル映像が流れます。トイレットペーパーをコントローラーにした経験が無い人も安心!
「Joy-Conをトイレットペーパーに差し込んで、ティッシュペーパー2枚で固定する」という手順を行い、平らな板(畳んだダンボールなど)の上に乗せれば準備OKです。

プレイヤーは自分の意志で動けるトイレットペーパー。トイレの天井がスタート地点で、紙が無くて困っている便座に座っている人がゴール。コロコロと転がりながらレスキューに出撃!
トイレってこんなに危険な場所だったっけ…?

しかしなぜかトイレ上空にはトゲやら穴やらノコギリやらレーザーやらの妨害トラップが設置されており、カギやジャンプ台、クレーンなどの仕掛けを活用する場面もあります。
こんなに落ち着かないトイレある!?この下で用を足すのは心休まらない。

トゲだらけの邪悪なトイレットペーパーも転がってきます。
こんなトイレットペーパー使うのはクッパくらいだ!
トイレットペーパーを通じて、現実とゲームの世界が交錯する

操作は「左に転がす」「右に転がす」だけ。一発でもダメージを受けたら最初からやり直し。
ゲームとしては単純な作りですが、なんと言っても「本物のトイレットペーパーを転がす」という操作の楽しさが唯一無二。
焦ってトイレットペーパーを地面に落としちゃったり。ミスして「コントローラーなら簡単なのに!」と叫んだり。
挙動の精度がかなり高いので、最初に動かした時は感動しましたね。このトイレットペーパーを通じて現実とゲームの世界が繋がっている!
微調整も空中制御も効くし反動をつけると一気にスピードを出せるので、操作性も良好。動かしていて気持ち良い作りにもなっています。
動かしていて気持ちの良いトイレットペーパーとは一体……?

トイレットペーパーを乗せる板はそれなりに大きいダンボールが望ましいのですが、ころがり調整機能があるのである程度はカバーできます。
画面上部の白いラインの場所で、トイレットペーパーの認識位置が分かるのも細かいところ。
トイレットペーパーをうっかり床に落として戻す時も、これを参考にすれば調整が簡単ってわけです。
ゲームバランスは、二枚重ねのトイレットペーパーのよう

アイデア勝負の単純な一発ネタ……ではあるんですが、ステージ構成が絶妙で手に汗握るバランス。
仕掛けはトゲにノコギリと、他のゲームでよく見かけるものばかりですが「実際にトイレットペーパーを転がして避ける」という操作性による楽しさが大きいので新鮮。
体感ゲーム的なアイデアがメインなので、仕掛けを分かりやすくするのは正しいところですね。
中盤から難しいステージも増えてきますが、理不尽過ぎる仕掛けは無く、1ステージが短くてステージセレクトもあるから遊びやすい。
右肩上がりに難しくなるのではなく、難しいステージの次はちょっと簡単なステージが来るとか、緩急を考えたバランスなのも好みですね。二枚重ねのトイレットペーパーくらい優しいゲーム。
仕掛けの組み合わせ方も上手かったので、最後まで飽きずに遊ぶことが出来ました。
死亡パターンがやたら細かいのも特徴で、レーザーに当たるとトイレットペーパーが黒焦げになり、ノコギリに当たれば真っ二つ!
人間だったら紹介出来ないところだった。これぞ紙配慮!
ちなみに「転がさずに手でトイレットペーパーを回す」プレイも可能です。難易度が一気に下がりますが、どうしてもクリア出来ない時の救済措置とも言えますね。
これはこれで巨大なツマミでコントロールするような感覚が楽しい。
「トイレで紙がなくて困ってる人にトイレットペーパーを届ける」というゲームなのに、全体的に上品にまとまってるのもセンスを感じる点でした。下品な演出を一切入れておらず、BGMもオシャレ。水洗便所のように美しいメロディーがトイレに彩を与えています。
パーティーゲームとしても最適!

クリアまでは2~3時間ほど。
チュートリアルのムービーからバランス、操作周りまで丁寧に作られており、Nintendo Switchでしか遊べない600円のゲームとして文句無し!意外な展開もあって最初から最後まで楽しいゲームでした。一人用ですが、複数人でワイワイ遊ぶのでパーティゲームにもピッタリ。最近『ケツバトラー』というNintendo SwitchソフトがSNSで人気なのですが、合わせてオススメしたいゲームですね。
難点があるとすれば……。

夢中になって遊ぶとトイレットペーパーがボロボロになっちゃう点かな!
ライター紹介

双葉ラー油
老舗ゲームブログ『絶対SIMPLE主義』を20年以上運営するブロガー。「知らないゲームを教えたい!」をスローガンに、大作からニッチな作品まで取り扱う。特撮関連の造詣も深い。謎のマスクを被っているが別にプロレスラーではない。