イントロダクション
初めて挑戦したことが、思うようにいかなかった経験はありませんか?
期待していた結果が出ず、落ち込んでしまう。でも、その先で諦めずにもう一度立ち上がれるかどうかが、未来を変えていきます。
健康食品で知られるわかさ生活も、美容という新しい領域に挑んだとき、最初に待っていたのは厳しい現実でした。初めて手がけた商品は思うように評価されず、社内外からも厳しい声が寄せられました。
それでも「次こそは」という気持ちを失わずに進んだ先で生まれたのが、新ブランド「MELUMO」です。開発を担ったのは、入社6年目の高橋果誉子さん。失敗を糧に再び挑戦し、仲間とともに新しい一歩を踏み出しました。
DEKIRU!は、挑戦する人を応援するメディアです。この記事では、高橋さんの歩みを通じて、MELUMOの開発が体現する“挑戦する姿勢”をのぞいていきます。
“無謀”から始まった挑戦――「MELUMO」の出発点

高橋さんがわかさ生活に入社したのは2020年。もともとはドラッグストア勤務で、レジや商品陳列を担当していました。
「管理栄養士の資格を持っていたので、食や健康に関わる仕事を続けたいと考えていました。最初は東京の店舗で目薬を販売していたんです」
その後、新たなチャレンジとして、「東京から美容に挑戦しよう」と仲間とともに動きだしました。
「当時は正直、美容の知識なんてゼロでした。ただ、美容には興味もあり、自分自身が好きなことでした。がむしゃらに取り組むしかないと腹をくくったんです」
こうして始まった美容事業。2022年に「MEZIKARAPLUS」、2023年に「アイケア・ジェルエッセンス」という商品を開発・発売しますが、結果は厳しいものでした。
「美容雑誌で『最低評価』とされてしまいました。『目の健康を掲げる会社なのに』という批判もいただき、本当に悔しかったです」
一度は大きな壁にぶつかりましたが、それが再挑戦への原点となったのです。
再挑戦の決意――「欲しいものを自分たちで」

失敗を経て迎えた第3の挑戦がMELUMOでした。高橋さんは考え方を大きく変えます。
「今度は“自分たちが本当に欲しいもの”を作ろうと決めました。誰かに胸を張っておすすめできる商品でなければ意味がないと」
つまりは強い愛情を持って商品作りに取り組むこと。その地点に立ち返ることから、MELUMOの開発はスタートしました。
成分はただの水ではなく、発酵美容エキス※1を基盤にするという異例の処方。健康食品の知見を活かし、「食べても良いものを肌に塗る」という発想を化粧品に持ち込みました。
ところが、象徴的な“色”を決める段階で思わぬ壁に直面します。
「見た目が泥水のような濁色になってしまったんです。嫌悪感すら覚える見た目で、これではとても商品にならない。心が折れそうになりました」
それでも試作を重ね、ついに生まれたのが神秘的な“オーロラブルー”でした。
「偶然、スタッフから『オーロラみたい』と言われたんです。その言葉で一気に方向性が固まりました。オーロラは北欧のイメージにつながり、北欧のブルーベリーを商品の原材料にもしているわかさ生活らしさも感じられました。失敗を乗り越えた先に生まれた色だったので、なおさら誇りに思えたんです」
見た目も中身も――こだわり尽くしたMELUMO

「見た目がきれいで気分が上がること」――それがMELUMOの大切な価値です。
「化粧品って効果だけでなく、使うときの高揚感も大事だと思います。手に取った瞬間に気分が上がる、そんな商品にしたかったんです」
容器にはプラスチックではなくガラスを採用しました。インテリアに馴染む色合いで、男性の部屋に置いても違和感がないようデザインしています。リサイクル可能である点も、未来を意識した選択でした。
また、成分面でも妥協はありません。一般的な化粧品が「水主体」であるのに対し、MELUMOは「発酵美容エキス※1」を最上位に掲げています。原料コストの常識から見ても異例の構成で、通販直販だからこそ実現できました。
「利益度外視で品質にこだわったと言っても過言ではありません」
パッケージには、同社のキャラクター「ブルブルくん」も隠れキャラのようにあしらっています。かわいらしさで関心を引き、成分の質で納得してもらう。大手のメーカーにはない“遊び心と本気”のバランスを目指しました。
発売を経ても挑戦は続く――未来を見据えるMELUMO

発売はクラウドファンディングからスタートしました。
「最初から大きく売ることよりも、応援してくれる仲間を増やしたかったんです。コメントで『わかさ生活の新しい挑戦だね』と書いていただけて、本当にうれしかったです」
その反響は社内にも広がり、「自分も使っているよ」という声が届きました。過去の製品では得られなかった手応えに、高橋さんは確かな成長を感じました。
今後はシリーズ展開を視野に入れ、アクネケアやエイジングケアへの拡張も計画中です。またZ世代をターゲットに「リアルイベント」も検討しています。
「ネットで何でも完結する時代だからこそ、リアルの体験に特別感があると思うんです。イベントに参加したこと自体が思い出になるような仕掛けをつくりたいです」
通販企業でありながら「リアル」にこだわる姿勢には、顧客と新しい関わり方を生み出したいという思いが込められています。
※1発酵美容エキス: アスペルギルス培養物(保湿成分として)
取材を終えて
MELUMOは、失敗と試行錯誤を乗り越えて誕生しました。いわば“挑戦”の結晶です。
高橋さんをはじめとする開発者たちが立ち止まることなく、「次はきっと」と信じて進んだからこそ形になりました。
はじめから完璧じゃなくても大丈夫。まず一歩踏み出すことが、新しい未来を連れてくる−−MELUMOの歩みはそんなことを物語っています。今回の記事がチャレンジへと立ち向かう方に、少しでも前に進む勇気を届けられたらうれしいです。