新商品の中から、特にチャレンジを感じるアイテムを紹介する『チャレンジみっけ隊』。
今回見つけたのは、なんと電子基板がマスキングテープになったという、ちょっと信じがたいプロダクトです!
アナログ文具の代表格・マスキングテープと、デジタルの塊ともいえる電子基板。そのミスマッチ感だけで、すでに心をつかまれます。技術への愛と遊び心が、どんな形で日常に入り込んでくるのでしょうか?
電子基板を日常使いに落とし込んだ「基板アート マスキングテープ」

株式会社電子技販(大阪府吹田市、代表取締役:北山 寛樹)は、基板アート雑貨ブランド「PCB ART moeco」より、「基板アート マスキングテープ」を2025年12月18日(木)から順次発売しました。
販売は、moeco直販ショップをはじめ、代官山 蔦屋書店や各取扱店で行われています。
本製品は、プリント基板を緻密に再現したデザインを、日常使いできるマスキングテープという形に落とし込んだもの。製造は、マスキングテープブランド「mt」で知られるカモ井加工紙株式会社が担当し、日本国内で丁寧に生産されています。
素材には和紙を使用し、和紙で印刷可能な最小線幅に挑戦。極めて細かな配線パターンやシルク文字まで忠実に再現しています。印刷方式には、一般的な凸版印刷ではなく、あえてオフセット印刷を採用。これにより、細かなパターンや文字が潰れにくい、安定した表現を実現しました。

デザイン面では、配線パターンやIC、抵抗、コンデンサなどの電子部品のフットプリントを配置。一部の部品では、部品名の代わりに「moeco JAPAN」やブランドロゴの「m」をあしらい、基板アート雑貨ブランドとしての遊び心も盛り込まれています。
色彩は、金・深緑・薄緑・白の4色構成。特にパッド部分には金インクを使用しており、光の当たり方によって上品に反射し、全体にさりげない高級感を添えています。

サイズは幅24mm×長さ7mと、一般的な15mm幅のマスキングテープより太め。リピートデザインを採用しているため、どこでカットしても柄が途切れず、左右・上下に並べて貼っても自然につながる設計です。
価格は1,650円(税込)。ラッピングや手帳、ノートの装飾、ペンに巻く、持ち物の目印にするなど、さまざまな使い方が提案されています。
出典:アットプレス
技術を「愛でる対象」として眺めるという発想
今回このアイテムを取り上げた理由は、電子基板という存在の見方を、軽やかにひっくり返している点に強いチャレンジ精神を感じたからです。
電子基板といえば、本来は製品の内部に隠れ、正確さや信頼性が何より重視される存在。株式会社電子技販は、空港や鉄道、病院など社会インフラを支えるプリント基板を長年手がけてきた企業であり、その技術は“見えないところで支える”役割を担ってきました。
そんな基板を、あえて日常文具のデザインとして前面に出す。
電子基板を「実用品」ではなく「愛でる存在」として眺めてみると、これまでとは違う魅力が見えてくるのも興味深いところです。
マスキングテープという、貼る・剥がす・飾るといった感覚的な楽しみ方ができるアイテムと組み合わせることで、専門性の高い技術が一気に身近な存在へと変換されています。これは単なる雑貨化ではなく、技術そのものを楽しむ視点をそっと差し出す試みとも言えそうです。
本業で培った設計力や表現力をそのままプロダクトに落とし込む姿勢は、企業のアイデンティティを伝える方法としても印象的。技術を語る新しい入口として、多くの人の目に留まりそうです。
チャレンジみっけ!
今回見つけたチャレンジは…
- プリント基板という専門領域を、日常文具へと大胆に翻訳した点(リフレーミング戦略)
- 本業の技術・設備・デザイン力を、そのまま商品価値に転換している点(コアアセット活用戦略)
- 技術への愛情やこだわりを、グッズという形で伝えている点(ブランディング戦略)
自社の強みを、こんな形で日常に溶け込ませられる——その発想自体が、すでにチャレンジです。
もしあなたがお勤めの会社でも、事業にちなんだマスキングテープを企画するとしたら、どんなデザインを思い浮かべますか?