新商品の中から、特にチャレンジを感じるアイテムを紹介する『チャレンジみっけ隊』。
今回見つけたのは、日本舞踊の先生が“英語でレッスンできるようになる”という、まさかの英会話アプリです!
その名も『日本舞踊のシンプル英会話』。伝統の世界にスマホ学習がスッと入り込む、このギャップがすでにワクワクの香り満載。英語と日舞という異色コンビが、どんな新しい文化体験をつくるのでしょうか?
日本舞踊の現場に特化した世界初の英会話アプリ
株式会社生活と舞踊(東京都中央区、代表取締役:梅澤 暁)は2025年8月12日、日本舞踊の指導者が英語でレッスンを行えるよう設計された世界初の英会話アプリ『日本舞踊のシンプル英会話』をリリースしました。
本アプリは、英語が苦手な先生でもスマホ1つで必要な会話を独習できる設計が特徴。訪日観光客や海外のオンライン生徒に指導する際の“最初の壁”を取り除き、日本舞踊の国際的な発信をサポートします。リリースから4か月で、実際にアプリを学んだ先生に海外体験者が増えるなど、すでに現場で存在感を見せ始めています。
内容は、日本舞踊の長年の指導現場から厳選された予約〜準備〜稽古〜終了までの112フレーズを収録。
たとえば、
- 「日本舞踊のお稽古はご挨拶から始めます」→ In Nihon Buyō we start with a
greeting. - 「輪を描くように手を動かして下さい」→ Draw a circle.
- 「この動きは“おすべり”と言います」→ Slide feet backwards is called “Osuberi”
など、現場でそのまま使える英語表現が満載です。
さらに、特許認定の「反射復唱法トレーニング」(特許6598346号/6698198号)を採用し、10日間・1日30分のスキマ時間で学べる構成。買い切り型のため追加課金なく繰り返し利用できます。
利用者からは「動きを英語で説明できるようになり、理解が深まった」という声、指導した先生からは「伝えたいことが増えて、もっと英語を学びたくなった」と前向きな反応も寄せられているそうです。
日本舞踊は映画『国宝』のヒットで再注目される一方、指導者の多くが英語を苦手とする現状があり、国際発信の壁になっていたと指摘されています。本アプリはその課題を解決し、伝統芸能が世界へ羽ばたく“入り口”となることを目指しています。
出典:アットプレス
伝統芸能の“言語化”は次のトレンドになる

今回このアプリを取り上げたのは、「伝統文化をどう言語化するか?」という挑戦が今、とてもアツいテーマになっているからです。
Z世代を中心に、SNSでは日本舞踊や能、着物、和楽器といった古典文化に新たな視線が集まり、海外からの関心も急上昇。特にTikTokやInstagramでは、文化体験のショート動画が拡散され、“伝統芸能の新しい入り口”として若い層に届いています。
その一方で、日本舞踊は現場での指導言語がほぼ日本語のため、海外からの来訪者が体験したくてもコミュニケーションの壁が厚い……という課題がずっとありました。
そこで生活と舞踊が打ち出したのが「先生がまず一歩を踏み出すための語学アプリ」。これは単なる英会話教材ではなく、文化を翻訳し、世界に届けるための“道具”と言えます。
さらに興味深いのは、アプリの開発背景にある「次は能や狂言、三味線にも対応したアプリを検討している」という構想。
これが実現すれば、伝統芸能の専門領域ごとに“英語で学べる・教えられる”環境が整い、ブルーオーシャン市場が広がる可能性があります。
好きな文化を国境を超えて共有したい——
そんな現代の「推し活」的な感覚とも相性がよく、日本舞踊の新たなファン層を取り込むきっかけにもなりそうです。
チャレンジみっけ!
今回見つけたチャレンジは…
- 日本舞踊という専門性の高い文化を、英語教育の文脈で再定義した点(リフレーミング戦略)
- 指導者の“コミュニケーションの壁”を解消し、国際発信のチャンスを広げた点(ソリューション戦略)
- 伝統芸能のデジタル教材化という新市場に踏み込んだ点(ブルーオーシャン戦略)
文化が世界へ広がる瞬間には、いつも“最初の一言を発する勇気”があります。
このアプリは、その勇気をそっと後押しする存在になりそうです。
あなたなら、どんな“ニッチ文化を言語化するアプリ”を企画してみたいですか?