新商品の中から、特にチャレンジを感じるアイテムを紹介する『チャレンジみっけ隊』。今回見つけたのは、なんと“ゲーミング防災セット”シリーズです!

「ゲーム」と「防災」という意外な組み合わせは一体どういうことなんでしょうか。 “FPSやめれるかもしれないセット”なんてネーミングまで付いてるこのシリーズ、どういうことなのか、ちょっと見ていきましょう。
防災バッグの3大ハードルを飛び越えた新発想
株式会社スターリングプロダクトは、家の中の“デッドスペース”を見つけ、その空間にぴったり収まる防災グッズを設計する逆転発想で、新シリーズ 『ゲーミング防災セット』 を 2025年10月10日から発売します。

このシリーズは全部で6種類あり、ネーミングも仕掛けも個性的。
たとえば、“ネットミームにマジレスしてみた防災セット” を冠した 『FPSやめれるかもしれないセット』 は、FPSゲーマーならではの文脈を取り込みつつ、防災というシリアスなテーマに切り込んでいます。
開発の背景には、「防災準備には収納場所がない/何を揃えればいいか分からない/賞味期限管理が面倒」という3大ハードルがあるという認識があります。
従来型の防災セットは「必要なモノを揃えて、それを入れるバッグを用意する」流れですが、それだと収納場所探しで挫折しがち。スターリングプロダクトはそこを逆手にとり、「まずデッドスペースを探し、そこに収まる防災セットを用意する」ことを起点に設計しています。
3つの課題解決の具体策は以下の通り
- 置き場所問題 → ゲーミングチェア脚部、クローゼット隙間などの未活用領域を活かす設計
- 何を備えるか問題 → 防災士監修のもと、目的別に最適化した6セットを展開
- メンテナンス性 → バッグを設置したまま中身の出し入れ可能。普段目につく場所に置くことでローリングストック更新が簡単に
ラインナップと価格は以下(すべて税込)
- 防災入門セット(5L):19,800円
- ワンルーム向けセット:26,400円
- 一時避難セット(5L):29,700円
- 停電スマホ対策セット:39,600円
- 一時避難セット非常食付き(8L):39,600円
- FPSやめれるかもしれないセット(8L):49,500円
この「ゲーミング防災セット」シリーズ、名前の遊び心も含めて、新しい防災視点を提示しようという挑戦作ですね。

出典:アットプレス
社会的なテーマをユニークな切り口で日常に置き換える

この『ゲーミング防災セット』シリーズを「チャレンジみっけ隊」で取り上げた理由は、単なるギミック商品以上の意図と工夫を感じたからです。
まず、“デッドスペース逆転設計” という発想。日常空間の“死にスペース”を基点にするという逆張り戦略は、プロダクト発想力を鍛えるヒントになります。ビジネスでよく言われる“ペインポイントを捉える”という観点に、スペースという物理的制約を重層的に組み込んでいる点が面白い。
次に、ネーミングによる文脈の取り込み。特に “FPSやめれるかもしれないセット” という切り口は、見た瞬間にツッコミどころと共感を呼びます。ただしこれは単なるジョークではなく、正常性バイアスという心理的テーマに絡めて、「防災への意識を緩めてしまう人の心のクセ」に目を向けさせる意図がある、と読みます。これは “物語を背負うプロダクト設計” のひとつの表現形です。
また、用途別6セット展開という戦略も見逃せない。多様なニーズ(ワンルーム、停電対策、一時避難など)に応じたラインナップを揃えることで、ターゲット層を細かく分断しつつ刺さる層を確保していくアプローチです。典型的な「セグメント化戦略」に寄せた動きだと思います。
この3つ、ギミックと設計思想、戦略構造がうまく重なり合っていて、挑戦的だと思いました。
“防災”という社会的テーマを、ユニークな切り口で日常に置き換えようという姿勢は、SNSで語りたくなる素材性もあると思います。
チャレンジみっけ!
今回見つけたチャレンジは…
- デッドスペースを起点に製品設計する逆張り発想(ニッチマーケティング)
- ネットミームと防災を結びつけ、文脈を価値に転換するネーミング戦略(ブランド差別化)
- 「防災用品」業界にユニークな刺激を与える可能性(新市場開拓)
「ゲーミングチェアの下」のように、もしかしたら意外と身近なところに次のビジネスチャンスが潜んでいるかもしれませんね。
あなたなら、どんな“デッドスペース”を活かして新しい価値を生み出しますか?