「音楽が鳴り響いた場所にいたから」。the MADRASが結成9周年ワンマンで見つけたものとは

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「音楽が鳴り響いた場所にいたから」。the MADRASが結成9周年ワンマンで見つけたものとは

2025年11月14日(金)、the MADRASのワンマンライブが開催された。

会場の看板。

会場は彼らにとってはホームグラウンドである下北沢CLUB251、そしてワンマンということもありオーディエンスは彼らのファンのみ。ステージに登場したえらめぐみ(Ba)が開口一番「ここには味方しかいない」と言うほどアットホームな雰囲気の中で、the MADRASの結成9周年を祝う特別な夜がスタートした。

この日のフライヤーは、メンバー自身によってデザインされた。


the MADRASというバンド名になってからは9年だが、名義は異なるもののそれ以前から活動をしていた彼ら。初期の楽曲から最近のライブでよく披露している楽曲、さらにはまだ録音前だという新曲までを織り交ぜながら、バンドとして重ねた9年を辿っていく。

特に前半に3曲続けて演奏された「ロスト」、「リアルバースデー」、「サッド」は、それぞれが橋本孝志(Vo)のソロ時代から披露されてきた曲、橋本と木下直也(Gu)との共作曲、録音前の新曲。それが続けて披露されることで、the MADRASがはじまる前から現在、そして未来までを示してくれているように感じられた。


木下直也が「いつもより多めにギターをギュインギュインしている」と絶好調ぶりをアピールすると、その熱い気持ちはオーディエンスにも伝播。楽曲が披露されるたびにフロアの盛り上がりが高まっていく様子を感じるにつれ、パワフルさだけでなく、バンドが今とても良い状態であることまで伝わってくるかのようだった。



橋本孝志から大発表が告げられたのは、おそらく今、彼らの中で最も激しいナンバーであろう「ファジー」の直後。サポートドラムとしてまさに激しいプレイを披露したばかりのシンディが、the MADRASのメンバーとして加入することが正式決定したのだ。これにはオーディエンスも大興奮。拍手や「おめでとう!」の声があちこちから飛び交い、約6年ぶりとなる正式ドラマーの加入を祝福した。

ドラマーとして加入するも、病によりギターに転向した安蒜リコ(Gu)は「自分が叩きたかったビートを、これからはシンディさんが叩いてくれることが頼もしい」と笑顔を見せ、木下直也も含めてギタリスト2人は「シンディさんにおんぶに抱っこでやっていきたい」と、何故か早々に新メンバーに頼る意向を発表。えらめぐみは「自分は演奏する際にまず楽曲を解釈することを大切にしているが、シンディさんも同じことを言っていて『シンディーー!』と思った」とコメント。リズム隊が同じ方向性であることが分かり、彼らが新生the MADRASとしてさらに飛躍していく予感しかなかった。


シンディの正式加入の発表をする少し前、彼らは「ワンダー」を演奏。

音楽が鳴り響いた場所にいたから

キミにも会えた キミを見つけた

改めて歌詞を読み返すと、それまでもサポートメンバーとしてステージで叩いている姿を何度も目にしていたものの、9年間歩みを止めずに音楽が鳴り響く場所に居続けたthe MADRASだからこそ、素晴らしい新メンバーと出会えたのだろうと感じた。

5人編成になった新生the MADRASはこれから10周年を迎え、そして悲願の3rdアルバムをリリースして、さらに多くのファンから愛される存在になっているだろう。新曲のレコーディングはこれから、しかもどのような形態でリリース予定なのかも発表されていないのに、早くもそんな期待でいっぱいにさせられる一夜だった。

セットリスト

the MADRAS 9th Anniversary
“ONEMAN LIVE 2025”

フェザー

スターダスト

リバース

センチメンタル

ルーザー

ロスト

リアルバースデー

サッド

あの夏の僕ら

エディット

デイドリーマー

ベランダ

カラーズ

ワンダー

シュガーラッシュ

ファジー

ラフ

クローザー

ダスク(en)

スパークル(en)

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フロントマンである橋本孝志へのインタビューはこちらから。

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