新商品の中から、特にチャレンジを感じるアイテムを紹介する『チャレンジみっけ隊』。
今回見つけたのは、フィルムそっくりな見た目に“デジタル”を仕込んだトイカメラです。
持っているだけで「えっ、それなに?」と声をかけられそうな、ものすごくアナログなルックス。そこに液晶やデジタル技術が搭載されているというギャップに、思わず二度見。

撮る前に一瞬立ち止まる——そんな時間までデザインされた、新しい写真体験が登場しました。
フィルムの「時間」をデジタルで取り戻す
株式会社シンシア(本社:大阪市浪速区)は、自社雑貨ブランド「Opt!」より、フィルム型デジタルトイカメラ「OPT100 Neo Film(ネオフィルム)」を、2025年12月10日(水)に発売しました。

本商品は、スマートフォンの普及によって写真が「大量生産・大量消費」される現代に対し、疑問を投げかけることから企画されました。高画質で手軽に撮れる一方、フィルムカメラ特有の「一枚一枚を大切に撮る時間」や、その行為自体から得られる「撮る喜び」が失われつつあるのではないか——そんな問題意識が背景にあります。
外観は、35mmカメラフィルムの形状を忠実に再現したクラシックなデザイン。ポケットや小さなバッグにも収まるコンパクトさで、単なるカメラとしてだけでなく、ファッションアクセサリーのように日常に溶け込む存在を目指しています。電源を入れた際の遊び心ある起動サウンドや、持ち運び用の専用ケースなど、細部までフィルムらしさを意識した設計も特徴です。

一方で内部にはデジタル技術が凝縮されており、microSDカードへの保存など、現代的な利便性もしっかり確保。シャッターを切る前に立ち止まり、一枚一枚に気持ちを込める「儀式的な時間」を大切にできるよう設計されています。
販売はシンシア公式オンラインストアや楽天市場、ZOZOTOWN、Amazonなどのオンラインショップで行われます。
出典:PR TIMES
「アナログ×デジタル」が今、刺さる理由
この商品を取り上げた理由は、“アナログの不便さ”をあえて肯定している点にあります。
平成レトロや写ルンですの再評価など、Z世代を中心に「不完全さ」そのものを楽しむムーブメントが広がっています。便利すぎるスマートフォンに慣れた今だからこそ、撮影枚数を意識し、シャッターを切る行為に意味を持たせる体験が新鮮に映るのかもしれません。



また、フィルム型という極端にアナログな造形は、SNS時代における“会話装置”としても機能します。「それ何?」から始まるコミュニケーションや、持っているだけで話題になる存在感は、推し活や日常スナップとの相性も良さそうです。
トイカメラというカテゴリに、思想や体験価値を持ち込むことで、単なるレトロガジェットに終わらせない。この軽やかな挑戦が、写真との向き合い方そのものを問い直しています。
チャレンジみっけ!
今回見つけたチャレンジは…
- 写真を「記録」ではなく「体験」として再定義している点(体験価値再設計/CX戦略)
- 不便さや制限をあえて残すことで価値を生むプロダクト設計(逆張りプロダクト戦略/アンチ利便性設計)
- アナログな造形とデジタル機能を掛け合わせた新しいコミュニケーション提案(プロダクト・イノベーション戦略)
撮影枚数を気にせず撮れる時代だからこそ、「一枚をどう撮るか」に立ち返る——そんな問いかけが、この小さなカメラには込められているように感じます。
もしかしたら、身の回りの当たり前すぎるモノにも、デジタルを掛け合わせることで生まれる新しい体験が眠っているのかもしれません。
あなたなら、どんな“アナログ”に、どんな“デジタル”を足してみたいですか?