新商品の中から、特にチャレンジを感じるアイテムを紹介する『チャレンジみっけ隊』。
今回見つけたのは、海苔の不作という社会課題に立ち向かう“代替のり”「のりやん」です!

ポテトチップスでおなじみのカルビーが、“海苔の代わり”をつくるという大胆な発想に挑戦。
老舗スナックメーカーの新たな一歩、その舞台裏には“食の未来を守る”真剣な思いがありました。
海苔不足を食の技術で救え! カルビーが挑むサステナブル開発
カルビーは1949年の創立以来、健康に役立ち、安全で安価な商品づくりを目指すとともに、未利用な食料資源を活かした商品開発を行ってきました。天然えびを殻ごとまるごと使用した「かっぱえびせん」や、主にでんぷん用として使用されていた加工用じゃがいもを使った「カルビーポテトチップス」などの商品を生み出してきました。
「のりやん」は、社内の新規アイデア提案制度で若手社員が提案したアイデアで、じゃがいもでんぷんを“代替のり”にアップサイクルして発売するのは、カルビーグループで初めてです。

2023年度より、イノベーティブなアイデアや課題解決につながる新規事業を募集する制度「Innovation&Beyond Festa」を開始したカルビーですが、「のりやん」はまさにその中から生まれた商品。
当時、新卒3年目だった研究開発本部の工藤凜平さん。工場で商品を製造する際に出るじゃがいもでんぷんに注目し、この未利用資源を活用して“代替のり”を作るアイデアを思いついたそうです。

開発にあたっては、のりそのものと組成が全く異なるため、しなやかかつパリッとした食感の再現に苦労したそうですが、構想から約2年間、2000回以上の試作の結果、納得のいく食感や風味に辿り着きました。まるで“のり”のようなパリパリ食感が楽しめる商品として完成。
2025年11月5日(水)からカルビーアンテナショップ「カルビープラス東京駅店」で数量限定発売したところ、大好評につきすぐ完売してしまったほど。食べてみたかったです…。
出典:PR TIMES
「のりやん」が映す、老舗企業の発想転換
筆者がまず思ったのは、「代替のりって、何?」という純粋な驚きでした。
たしかに近年、海苔の不作や価格高騰は深刻化しています。
そんな中で、カルビーが自社の副産物から“のり”をつくるという発想は、まさに「発想の転換」です。

ポテトチップスといえば、長年にわたり日本人の“おやつ文化”を支えてきた存在。
そのカルビーが、食の安定供給と環境課題の両立を目指して動いたことに、企業としての責任感と未来志向を感じます。
いま、SNSでは「代替肉」「代替卵」など、“代替”という言葉がポジティブに受け止められつつあります。
そこに「代替のり」が加わることで、“おいしさ”と“サステナビリティ”を両立する新時代の食体験がはじまるかもしれません。
長年のブランド力を持つカルビーが挑むことで、「代替=我慢」ではなく「代替=進化」という価値観が広がりそうです。
チャレンジみっけ!
今回見つけたチャレンジは…
- 海苔不足という社会課題を、企業の技術で解決しようとする点(サステナブル経営戦略)
- 副産物を再資源化し、新たな食品素材として再定義している点(サーキュラーエコノミー戦略)
- 老舗ブランドが“代替食品”分野に挑戦し、新市場を切り拓いている点(ブルーオーシャン戦略)
子どもの頃から親しんできたポテトチップスが、未来の食を変える存在になる——そんな予感がします。
もしかしたら、あなたの思い出の味の中にも、新しい価値のタネが眠っているのかもしれません。
あなたなら、どんな“代替食品”が開発されたらうれしいですか?
たとえば高級でなかなか手を出せないい食品はいかがでしょうか。“代替松茸”なんて、案外アリかもしれませんね。