『マッチングアプリで出会ったクセつよ男子図鑑』収録『泣き落とし男子』作者、葉方萌生さんにインタビュー!

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『マッチングアプリで出会ったクセつよ男子図鑑』収録『泣き落とし男子』作者、葉方萌生さんにインタビュー!

イントロダクション

HAPPY! 三度の飯より「本」と「言葉」が大好き、いっちーです!

今回取材するのは『マッチングアプリで出会ったクセつよ男子図鑑』というショートストーリー集に『泣き落とし男子』という作品を寄稿された作者、葉方萌生さん!

個人的に先生の作品のファンで、『罪なき私』(つむぎ書房)では読書会をさせていただいたり、『恋の消失パラドックス』(kindle)では、文学フリマでの販売に私が制作したPOPを使ってくださったりと、とってもお世話になっているんです。

そんな先生にインタビューという形で恩返しできる形になり、とても気合が入っています!

それではいってみよ~!

葉方萌生さんプロフィール

葉方萌生(はかためい)
小説家。青春恋愛、ヒューマンドラマを得意とする。
最近はホラーやミステリーにも挑戦中。
“生きる意味を探す”をテーマに日々執筆活動に励んでいる。
第8回ライト文芸大賞【切ない別れ賞】受賞。
第8回ほっこり・じんわり大賞【優秀賞】受賞。
(どちらもアルファポリス様主催)
京都をこよなく愛していて、老後に京都で暮らすのが夢。

本を読む前の原点

本日は、取材を受けていただき、ありがとうございます。
本についての話をおうかがいするまえに、先生が「本と出会う前」についておうかがいさせてください!

まず、幼少期はどんな子どもだったのでしょう。

だいぶおとなしい性格でした。でも同時に負けず嫌いでもありましたね。
例えば幼稚園での縄跳び大会や工作などでは「絶対いちばんになりたい!」と思っていました。

おとなしい性格でありながら、内側では「負けてたまるか!」という感じだったんですね!
先ほど、縄跳び大会や工作という単語が出てきましたが、本に出会う前は他にどんな遊びをされていたんでしょう。

ピアノやお絵描き、あとは子どもらしく、友達と鬼ごっこ、かくれんぼといった外遊びも好きでよくしていましたね。

そういった子どもの頃の経験が、いまの創作活動につながっていると思われる部分はありますか。

負けず嫌いな性格は、創作活動につながっていると思います。
昔は「誰かに負けたくない」でしたが、今は「自分に負けたくない」という一心で、コンテストや公募に挑戦しています!

本を読むことについて

ここまでは本と出会う前のお話を伺ってきましたが、
ここからは本を読むことについてうかがっていきます!

本との出会い、本を「自分から」読むようになったきっかけを教えてください。

最初に読んだ本は記憶があいまいで、いくつか候補が浮かんでくるんですが、しっかり「読んだ」と思ったのは、はやみねかおる先生の『名探偵夢水清志郎事件ノート』シリーズですね。

『そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート』(Amazon.co.jp)

それまでも学校の朝の読書時間などで児童書を中心に読んではいました。
……でも実は、当時の私は本を読むのがどちらかというと「苦手」な方だったんです。

今ではたくさん本を書かれている先生が、幼少期に本が苦手だったというのは意外です!

文章を読む面白さをまだ知らなかったというのもあって、退屈で仕方なかったんですよね。
学校の朝の読書タイムでも「早く終わらないかなぁ」とか考えていたくらいです。

でも、はやみねかおる先生の本に出会ってから、「世界が変わった!」と思えるぐらい、本に夢中になったのを覚えています。

ワクワクする謎を、教授と三つ子の亜衣ちゃん、真衣ちゃん、美衣ちゃんが解いていくという物語なのですが、キャラクターも謎も魅力的で、まるで自分もその世界に入り込んだかのように楽しんでいました! 本当に大好きなシリーズです。

はやみねかおる先生を小さい頃読んだという方は、これまで取材させていただいた方にも多く、お話を伺いながら、児童書のすばらしさを実感しております。はやみねかおる先生、すごいですね……。

はやみねかおる先生の他に影響を受けてきたと思われる本を教えてください!

そうですね、先ほどあげたもの以外だと、野村美月先生の『文学少女』です。

本を文字通り、「食べちゃう」ぐらい大好きな文学少女の遠子先輩と、とある理由で書くことをやめてしまった後輩の井上心葉くんが文芸部でいろいろと人間ドラマを繰り広げるといった物語なのですが、どの作品も有名な文学作品になぞらえてお話が進むので、名作と文学少女たちの現実がマッチしてとても面白かったです。

どういった部分で影響を受けたと感じられていますか。

この作品はライトノベルなのですが、シリアスなシーンが多いのが印象的で、でも最後はちゃんと救いがあるんです。
私の作品でもラストに救いがあるようにしているのですが、これは『文学少女』の影響をとても深く受けていると思います。

『“文学少女”と死にたがりの道化』(Amazon.co.jp)

これまで幼少期や学生時代に読まれてきた本を中心に伺ってきましたが、次は最近読んで面白かったおすすめの本を教えてください!

オススメはたくさんありすぎて迷います!(笑)
まず、朱宮あめ先生の『青春テロリズム』と川奈あさ先生の『青春小説家の殺し方』です。

『青春テロリズム』(Amazon.co.jp)

『青春小説家の殺し方』(Amazon.co.jp)

こちらはどちらもスターツ出版のアンチブルーというレーベルから出ています。
どちらも人間のきたない部分まで切り込んだ熱い展開が魅力的な作品で、「誰しも表と裏の顔がある」ということをきちんと描いてくださっているところが面白かったです。

アンチブルーとは
スターツ出版文庫の中に創刊された新レーベル。
コンセプトは「綺麗ごとじゃない青春」。
アンチブルーHP

あと、いろんなところでおすすめしているのが、山翠夏人先生の『キャンプをしたいだけなのに』です。

『キャンプをしたいだけなのに』(Amazon.co.jp)

あるキャンプ好きな女性がひとりでキャンプに出かけるのですが、そこでまさかの幽霊に遭遇し……というキャッチーな設定から始まります。そこからは怒涛の展開で、ホラーなのに友情シーンあり、笑いや涙あり、とにかくすんごく面白いです。

こちらは先生のSNSでも絶賛されているのをお見かけして、ぼくもつい買ってしまいました!

ありがとうございます。こちらは最近続編の『キャンプをしたいだけなのに 雪中キャンプ編』(TO文庫)も発売されまして、そちらもとてもおすすめです。

まさか続編があるとは! こちらも買って読んでみます!

『キャンプをしたいだけなのに 雪中キャンプ編』(Amazon.co.jp)

ありがとうございます。……あと、たくさんあって申し訳ないのですが、最後に、東崎惟子先生の『美澄真白の正なる殺人』も紹介させてください!

『美澄真白の正なる殺人』(Amazon.co.jp)

ミステリーなのでネタバレできないのが本当にもどかしいんですが、読後どうしようもないほどの切なさに襲われます。鮮やかな伏線回収、女子二人の友情もとても胸に来る百合×猟奇ホラーサスペンスでおすすめです。

たくさんオススメしていただいて、ありがとうございました!

作品を書くことについて

ここまでは本を読むことについてうかがってきました。
自作品でないにもかかわらず、熱量たっぷり語っていただき、どれも欲しくなりました。

次はいよいよ先生が「作品を書くこと」についてお話を聞いていきます。
先生が最初に書いた作品はどんなものだったのでしょう。

細かい内容は忘れてしまったのですが、11歳のときに「子猫を拾うヒューマンドラマ」を書きました。

なかなか初めに書いた作品のことって思い出せないですよね……。

そうなんです。あっ、でもその作品を書こうと思ったきっかけは覚えていて。
はやみねかおる先生の作品に影響を受けて、「自分もお話を書いてみたい」と思ったからです。
本を読む楽しさを知ってしまったので、自分も物語で誰かを楽しませてみたくなったんですよね。

楽しむ側から楽しませる側へ……!
11歳にして作品を書き始めた先生ですが、やはり初めて書くことに挑戦するのには苦労もあったのではないでしょうか。

はじめてということもあって、登場人物やストーリーのつくり方が分からなくて苦労しましたね。
なので、自分が読んできた児童書を見よう見まねで書きました。
実際に書き始めてからは文字を綴っていくのが本当に楽しかったです。すごく夢中になって書いていましたね。

文字を読むのが退屈だった少女から、自分で書いて、読者を楽しませるようにまでなった先生。
そんな先生が、作品を書くときに大事にしていることはなんでしょうか。

「ハッピーエンドにすること」です。
私自身、読後感がよいものが好きなので、ラストに胸が温かくなる展開や、完全にハッピーエンドでないにしても、救いがあるお話になるようにしています。もちろん、ホラー作品など、例外もありますが。

影響を受けた作家は? という質問でも「救いのあるお話」と答えられていましたね。
確かに、これまで拝読させていただいた先生の作品はどれもハッピーエンドでした。
読後感に嫌な気持ちを引きずらなくていいところに、先生の優しさを感じます……。

次は制作環境についておうかがいします。
作品を書くときのルーティンやこだわりはあるのでしょうか。

ノルマ文字数を決めて毎日書くようにしています。
だいたい2000〜5000字くらいですが、締切が重なると一日7000字ノルマにしていた月もありますね。
締切から逆算して一日のノルマを設定するんですが、一週間の中に「調整日」もつくることで、書けない日があっても締切に間に合うようにしています。

毎日2000字以上! ストイックですね……。
〆切に間に合うように調整日も設けていらっしゃるところからも、このルーティンができるまでに紆余曲折あったのではないでしょうか。

はい。本当に試行錯誤の連続でした。
少なすぎると公募の締め切りに間に合わないし、多すぎると仕事や生活、健康に影響が出てしまう。
いろいろ調整してみて、「ぎりぎり楽しめる範囲で、できるだけたくさん」というこの文字数に落ち着きました。

また、ノルマを守るために、カレンダーに毎日の達成文字数を記録しています。数字が目に見えるかたちで積み重なっていくと励みになりますし、やる気も途切れません。
それが習慣になった今では書くことは歯磨きみたいになっています。

ほら、歯磨きをサボるとそわそわするじゃないですか。やらないと気持ちが悪いというか……それと同じで、書けない日があるとどうしてももやもやしてしまうんです。

ルーティンを設け、自分にストイックに創作を続けられてきたからこそ、面白い作品が生まれているんですね!
そうして作り上げられてきた作品たちの中でも特に思い入れのある好きな作品、自信作を教えてください!

第8回ライト文芸大賞(アルファポリス主催)で【切ない別れ賞】を受賞した『わたしが死神になった日』です。

数多くある先生の名作の中で今作を選ばれた理由はなんでしょうか。

応募数の多いコンテストで受賞できたというのと、長編小説のコンテストで受賞したのが初めてだったからですね。
何度も何度も修正を重ねて、伏線や構成にもこだわりを詰めこんだのもあって、とっても思い入れがあります。
現在も小説投稿サイト『アルファポリス』に掲載しているので、ぜひ読んでいただけるとうれしいです!

『わたしが死神になった日』(アルファポリス作品ページ)

『わたしが死神になった日』あらすじ
高校二年生の如月朝葉は目が覚めると暗闇の中にいた。
“おめでとうございます。あなたは神様に選ばれました!”
不意に聞こえてきた声により、自分が命を失い、”神様”に選ばれたことを知る。
とある条件により、現世に戻ることができるというが……。

失った命と、大切な人と、もう一度向き合うための奇跡を描く物語。
(アルファポリス作品ページより引用)

11歳で小説を書き始め、今でも毎日数千文字を書き続けている先生の、創作を続ける活力はなんでしょうか。

やっぱり一番の活力は、読者の皆様から感想をいただけたときです。
「書いてよかった」と思えますし、本当に元気をもらえますね。

たとえば、コンテストで落選が続いてしまっても「葉方さんの作品が好きです」と言ってくださる方の存在が励みになって頑張れます。
さらに、SNSでつながった創作仲間と切磋琢磨できるのも大きな力です。創作はどうしても孤独な作業になりがちですが、仲間がいると思えることで、ぐっと力が湧いてくるんです。

読者の励ましの声と、同じ創作者の頑張りが自分を支え、突き動かしている。
「書き続ける」という孤独な作業の原動力が「人とのつながり」にあるというのが印象的でした。
その支えを胸に、今後はどんな作品を書いていきたいですか?

いま、自分の中で新たにホラーやミステリーに挑戦しているので、そういったエンタメ系のお話も書いていきたいです。また、ご当地ものなどにも挑戦したいですね。

本を作って売るという体験

先ほどは作品を書くことについてお伺いしてきましたが、ここからは本を実際に「作って売ること」についてうかがっていきます。

最初に「本」という形にした作品はどんなものでしたか。

自主制作本という意味でなら、2024年の文学フリマ京都に出店した際につくった『すべては嘘で、できている』という作品です。

『すべては嘘で、できている』(カクヨム作品ページ)

『すべては嘘で、できている』あらすじ
五十嵐仁は就職活動の折に高校時代の元恋人・松葉実里と再会する。驚きと懐かしさで胸を詰まらせる仁だったが、実里が昔の大人しく控えめな性格とは違い、積極的で明るい性格になっていることに気が付く。さらに「他人の嘘を見抜くことができる」と言い、仁を混乱させる。

高校時代の大人しくも芯のある実里が好きだった仁は、その後実里と関わるうちに、彼女の言動にある矛盾があることに気がつく。実里のことを忘れられない仁は、実里が昔やっていた「まつかぜ」というブログに、実里への想いを綴り始める——。
実里の嘘が生み出した二人の純愛再生ストーリー。
(カクヨム作品ページから引用)

この作品を本として制作されたときの工夫や、こだわりを教えてください!

表紙デザインは「ココナラ」というサービスを利用して、イラストレーターの方と相談しながら制作しました。神秘的な雰囲気になるようにとお願いしたところ、要望通りとても幻想的な仕上がりになって、とても気に入っています。

この作品を制作しようと思ったきっかけ、経緯、苦労されたことや工夫されたことがありましたら教えてください。

もともと時を超えるラブストーリーが好きで、よく書いてきたことが今回のきっかけの一つです。
中高生の恋愛は「子どもの恋愛」と見られがちなところがありますが、私はそうは思っていないんですよね。

確かに未熟さゆえにすれ違うことはありますが、それは大人でも同じことだと思います。
その時その場所で惹かれ合った相手を、大人になっても想い続ける――そうした純愛に強く惹かれてるところもあって、この作品でもそんな「若い恋の真剣さ」を書きました。

工夫したのは、二人のすれ違う気持ちがきちんと読者に伝わるよう、心理描写を丁寧に入れたことです。

ありがとうございます。おっしゃられている通り、大人同士の恋愛小説も中高生の恋愛小説も、本質的には大きな違いはないように思います。むしろ若くて未熟だからこそ中高生の恋愛のほうが純愛とも呼べそうだなとも……。

さて、そのような思いを物語に込めるだけでなく、“本”という形にしていく中で「本づくりの面白さ」や「大変さ」に気づいたことも多かったのではないでしょうか。

編集作業が本当に大変でした……。

普段はただ書いているだけなので、本や文字の体裁にはあまり気を配らないのですが、いざ本にするとなると見た目の美しさも求められます。ページ分けや目次づくりといった一つ一つの編集作業が細かくて、泣きそうになりましたし、編集さんはやっぱり偉大だなと改めて感じました。
でも同時に、ページの繰り方や行間によって本の印象ががらりと変わるところは面白いとも感じました。

文字が詰まりすぎていたり少なすぎたりすると作品全体の雰囲気まで違って見えてくるんですよね。
見た目も美しい本にするにはどうすればいいかを考えながら制作するのは、大変でしたが面白かったです。

そんな大変な思いを経て完成した作品。やはり、手に取った瞬間の感動はひとしおだったのではないでしょうか。

うわー! さらさら! 綺麗! 最高! という気持ちでした(笑)
作品が形になるというのはやはり嬉しくて、思い出にもなりましたね。

そうして完成した作品を販売されたときのことを教えてください。
初めて読者の手に渡ったとき――どんな気持ちになられましたか。

初めての販売は2024年と、実は最近なんです。

文学フリマ京都で、先ほどお話しした『すべては嘘で、できている』と、つむぎ書房さんから出版していただいた『罪なき私』を並べました。
SNSでつながっていた方や、以前私が勤めていた書店に通ってくださっていたお客様が来てくださって、本を買っていただけて……あれはとても嬉しかったですね。お客様の生の声を聞ける、貴重な機会でした。

さらに通りすがりで立ち寄ってくださった方が、『SNSで目にして気になっていたんです』と声をかけてくださったときは、本当に胸がいっぱいになりました……。

創作を続ける活力についてのお話でも、「人とのつながり」が大きな支えになっていると語られていましたね。
感想が与えてくれる力の大きさを、改めて思わずにはいられません。

『マッチングアプリで出会ったクセつよ男子図鑑』(スターツ出版)について

ここまで、本を読み、作品を書き、実際に本を作り、販売することについて深くお話をうかがってきました!

ここからは先生の作品『泣き落とし男子』が収録されている、『マッチングアプリで出会ったクセつよ男子図鑑』(スターツ出版)についてのお話を聞いていきます!

『マッチングアプリで出会ったクセつよ男子図鑑』(スターツ出版)』 葉方萌生さんの作品は『泣き落とし男子』

まずはこの作品の企画や制作の経緯を教えてください!

小説投稿サイト『ノベマ!』で開催された超短編コンテストで受賞した作品が、書籍化につながりました。
募集テーマは『マッチングアプリで出会ったやばい男』。しかも“実話に基づくこと”という条件付きだったので、私は友人から聞いた“マッチングアプリで出会った相手に勧誘された”というエピソードを脚色して書きました。

難しいテーマからはじまり、ついに書き上げられた今作ですが、執筆される中で特に苦労したこと、工夫したことはありますか。

私は普段、切ない話を書くことが多いのですが、今回のテーマがテーマなので、あえてコミカルに、おもしろおかしく書くように工夫しました。

例えば作中に登場する男性は、かなり言動を大げさにしています(笑)
実際にはこんな人はなかなかいないと思いますが、そこは「読者が楽しめるキャラクター」になるよう脚色しました。

本当にこんな男性がいたのか!と思っていましたが、あえて大袈裟に描かれた結果だったんですね!
今作の読者に「ここを読んでほしい!」というポイントがあれば教えてください。

この本全体が「マッチングアプリで出会った男が、いったいどんなクセを持っていたのか」という点を楽しむ本なので、そこを楽しんでもらいたいですね。

私の作品は『泣き落とし男子』というタイトルなのですが、何をどう「泣き落とす」のか、予想しながらお読みいただけますと幸いです。

今回の作品を通して、ご自身の作家活動にどんな変化がありましたか。

商業作家として読者のみなさまに満足していただけるように、作品のクオリティをより高めなければ!という自覚が生まれました。
具体的には、物語のプロットを、これまで以上によく練って作品づくりに向き合うようになったと思います。

すでにストイックに素晴らしい作品を書かれている先生が、これからどんな高みを目指していかれるのか……。
一読者としてとても楽しみです!

これからの挑戦・メッセージ

ここまで先生のこれまでのお話をたくさんうかがってきました。
最後に、先生のこれからや、記事を読んでくださった皆様へのメッセージをお聞きしていきます!

次回作の構想や、取り組んでみたいテーマ・ジャンルはありますか。

現在は、流行りのモキュメンタリーホラーと、個人的に興味のあるご当地もののキャラ文芸の執筆に取り組んでいます。

特に後者は地元福岡を舞台に、博多の街で変わった商売をするとある「あやかし」を主人公に、さまざまなひとたちが関わり合うヒューマンドラマにしようと思っています。博多の伝統行事なども交えた作品にするつもりなので調べ物は大変ですが、楽しみながら頑張ります!

次回作もまた面白い作品になりそうですね……楽しみにしています!

小さい頃から本を読み、11歳から自身で書くようにもなり、今もストイックに創作をつづけてらっしゃる葉方萌生さんにとって、“本”とはなんでしょうか。

元気の源。心の栄養素です。
心に余裕がない時でも、本を読めば癒されるし、明日も頑張ろうと思うことができます。

先生の本を読んでいると、キャラクターのふとした言動や心情、なにげないシーン、そしてハッピーエンドな展開に心が軽くなることがあります。そういう意味では、自分にとって先生の作品こそ「心の栄養素」です!

最後に、この記事を読んでくださった皆さん、そしてこれから本にかかわる挑戦をしようとしている方に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。

本を作ることは並大抵の仕事ではないですが、「その本を手に取ってくれる人が必ずいる」と信じて、楽しみながら頑張ってください!

お知らせ・告知

小説投稿サイト『ノベマ!』『アルファポリス』『ネオページ』をメインに活動中です。
特に『ネオページ』では商業連載作品『月影の庭〜終わりなき恋が愛になるまで〜』を投稿中なので、ぜひ遊びにきていただけると嬉しいです。

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note:葉方萌生
ノベマ!
アルファポリス
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連載

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