新商品の中から、特にチャレンジを感じるアイテムを紹介する『チャレンジみっけ隊』。今回見つけたのは、ガラス製品でおなじみ、HARIO株式会社が製作した「演奏可能なガラスバイオリン」です!
透明なガラスでできたバイオリン。想像できますか?しかも、ただのデモ的な展示品ではなく、ほんとうに演奏ができるというから驚き。ガラスという繊細な素材で、楽器という用途に耐える製品を作り上げたHARIOの挑戦。どんな音色が奏でられるのか、ぜひ一度聴いてみたいものです!

日本の職人技が世界を驚かせる「ガラスバイオリン」
HARIO株式会社が製作した「演奏可能なガラスバイオリン」が、「演奏が可能な初のガラスのバイオリン」としてギネスワールドレコーズに認定されました。2003年に初めて製作されたこのバイオリンは、同社の誇る耐熱ガラス技術と60年以上の経験を持つ熟練職人の手技によって実現しました。
バイオリンのボディは伝統的な手吹き成形技法で作られていますが、通常の手吹きガラスは球体成形が基本。バイオリン特有の複雑な曲線とディテールは一般的な技術では再現できないうえ、演奏可能な楽器として機能させるためには、ガラスの肉厚をできるだけ薄く、かつ均一に仕上げるという高度な加工技術が求められました。機械では不可能なこの精密な成形を、職人の手作業で成し遂げたのです。
(出典:PR TIMES)
ギネス認定を記念して、このガラスバイオリンは一丁限定で550万円という価格で販売されるとのこと。申し込みが複数あった場合は抽選となります。

なぜガラスバイオリン?編集部的に「みっけ!」なポイント
私たちがこの製品を「チャレンジみっけ隊」で取り上げた一番の理由、それは自社の卓越したガラス製造技術をアピールするために選んだ、マーケティング戦略の素晴らしさです!
誰もが「え、それって本当にできるの?」と驚くような極限の製品を作り上げることで、自社の技術力をわかりやすく「見える化」した、ということだと思います。しかも単なる自己主張ではなく、ギネスワールドレコーズという権威ある外部機関に認定されたことで、その特異性が客観的に評価されたことになります。
注目したいのは、この製品が単なる「見た目のインパクト」だけでなく、実用性を追求している点。ただのバイオリン型オブジェではなく、実際に演奏できる楽器として機能するレベルまで作り込まれています。この機能性へのこだわりが、ギネス世界記録™認定という結果につながったと言えるのではないでしょうか。
また、プレスリリースにある「自社ブランドだけでなく、ガラスを必要とする人々や他企業とのコラボレーションにより、より豊かな暮らしとものづくりを支えていく」という姿勢にも注目しました!今回の究極とも言える製品開発は、「どんな難しいオーダーにも対応できる技術力がある」という強力なメッセージとなっているように思えます。
素材の限界に挑戦する姿勢と、それを支える確かな技術基盤。今回のプレスリリースからは、他企業との新たなコラボレーションの可能性を感じます。

チャレンジみっけ!
ということで、今回見つけたチャレンジは…
① 世界初の挑戦を「ギネス認定」という外部機関の権威付けで客観的に価値づけした点(権威性活用戦略/サードパーティ認証マーケティング)
② 技術力の証明として「誰も成し得なかった極限の製品」を創出。B2B向けに強力なメッセージを発信した点(ブランド価値向上戦略)
③ 素材の常識を覆す技術革新によって、新たな可能性と協業機会を創出している点(オープンイノベーションへの姿勢)
従来の商品カタログだけでは伝わりにくい「技術の深さ」を、ギネスが認めた一品で証明するというアプローチ。日本のモノづくり企業が、ブランド力を高めていくためのヒントになるかもしれません!