新商品の中から、特にチャレンジを感じるアイテムを紹介する『チャレンジみっけ隊』。今回見つけたのは、数学や物理をモチーフにしたファッションアイテムです!
「つるかめ算」って覚えてますか?小学生の算数で、鶴と亀の足の数から計算で答えを出すアレです。そんな懐かしい算数の問題が、Tシャツのデザインになって登場。さらには物理の「第二宇宙速度」までグラスになっているという、何ともユニークな商品展開。
では皆さんクイズです。一体どんなブランドが、こんな発想を形にしたのでしょうか?

勉強ネタがおしゃれに変身!QuizKnock発の通販サイトから数学シリーズが登場
株式会社batonが運営する通販サイト「QurioStore」から、数学や物理をモチーフにした「QurioS数学シリーズ」が発売されました。このサイト、実はご存知クイズプレイヤー・伊沢拓司さんが中心となって運営するメディア「QuizKnock」発の通販サイトなんです。
注目の商品ラインナップは全5アイテム。「つるかめ算(代理)」Tシャツでは、おなじみの算数問題をシャワー中のシロクマとペンギンに置き換え、数式もそのままプリント。ビッグシルエットでアイボリー、ホワイト、ブラックの3色展開です。
「点P」シリーズは、数学の問題で「いろんな場所を動きまわる」ことでおなじみの点Pがモチーフ。シアーカーディガン、リブトップス、靴下の3アイテムで展開。プレスリリースの「今度はあなたが点Pに?」というコピーが印象的です。
さらに物理からは「第二宇宙速度」の缶型グラスが登場。地球の引力を脱するのに必要な速度をポップなイラストでデザインし、容量360mlの実用的なグラスに仕上げています。正直これは文系の筆者にはなじみが無かったのですが…理系の読者のみなさんには「ほほう…」という感じなんでしょうか。
プレスリリースによると、QurioSブランドは「ふだん使いできるデザインのなかに、思わず人に話したくなるようなアカデミックなモチーフを取り入れた」コンセプトで展開されているそうです。
(出典:PR TIMES)

昔学んだアレをファッションに!大人の「懐かしくて新しい」を狙い撃ち
今回この商品を「チャレンジみっけ隊」で取り上げた理由。それは学問という一見ファッションとは縁遠い分野を、しっかりおしゃれなテイストに落とし込んでいる点です。
小学校や中学校で誰もが習った「つるかめ算」や「点P」は、大人になった今だからこそ「あー、懐かしい!」と共感できるネタ。でも単なるノスタルジーに留まらず、シロクマとペンギンのかわいいイラストや、シアーカーディガンといったトレンドアイテムと組み合わせることで、しっかり「今っぽい」商品に仕上げています。
この「懐かしくて新しい」という絶妙なバランス感覚。QuizKnockというメディアの持つ「楽しいから始まる学び」のコンセプトがファッション分野にも活かされている気がします。学問を「堅い」「難しい」ものから「親しみやすい」「話のきっかけになる」ものへと転換させる発想は、なかなか思いつかないアプローチなんじゃないかな、と思いました。
つるかめ算のTシャツを着ていれば「懐かしい!小学生の時やった!」という話になるし、第二宇宙速度のグラスでお茶を飲んでいれば「その数式みたいなのって何?」っていう質問から物理の話に発展するかも。コミュニケーションのきっかけになる、そんな商品だと感じました。

チャレンジみっけ!
さて、今回見つけたチャレンジは…
① 学問という「硬い」イメージの分野をファッションアイテムに転換した発想(価値創造戦略)
② 懐かしさと新しさを両立させ、大人の共感を呼ぶターゲティング(エモーショナル・マーケティング)
③ 単なる商品販売を超えて着用体験そのものを提案する商品設計(経験価値の訴求)
の3点です。
学問とファッションの融合という、異業種(?)コラボレーション的な発想。知的好奇心をくすぐるアイテムが、新しいファッションジャンルを切り開くかも…!