知らないゲームを教えたい!(挨拶)ゲームブロガーの双葉ラー油です!
キーワードと共に挑戦的で尖ったゲームを紹介していくこのコーナーですが、今回は特別編。
なんと、制作スタッフさんへのインタビュー記事も後日予定した企画となっております!
そのタイトルは『IZON.』!キーワードは「共依存」だ!
タイトル:『IZON.』
パブリッシャー:CREEK & RIVER Co., Ltd.
機種:Steam
価格:1500円(体験版有り)
累計120万個以上も売れた人気カプセルトイ『紡ギ箱』をゲーム化したタイトル。
商品に付属するミニブックなどで断片的に語られていた世界観やストーリーを、ゲームとして体感できる構成です。
造形を手掛けたYoshi.氏が自らディレクターを務めており、こだわりがそのまま反映された濃ゆい内容が必見!
豪華声優の共演にも注目!
内容は先に進める道を探していくアドベンチャーゲームで、合間にアクションやシューティングといった爽快な要素が挟まる構成です。
本編の第一章からゲーム化しているので、元の『紡ギ箱』を知らない人でも大丈夫な作り。

舞台となるのは異形の住人たちが暮らす「ハコニワ」。
プレイヤーは封印されていた兵器である「虚人」を操作し、再生の力を持った女の子「智人」を守りながら進んでいきます。

迫力ある顔つきをした二人ですが、恐ろしい力を持ちながらも性格は穏やかで健気な「虚人」の声を細谷佳正さん。
生意気だけど寂しがりやな「智人」の声を悠木碧さんが担当。遊んでみると非常に愛嬌のあるキャラクターに仕上がっていますね。
一人称が「ボク」で無垢な子供のような破壊兵器と、か弱い女の子の大冒険。みんな好きな構図だと自分は信じていますよ!

ゲームは先へ進むためのスイッチを探したり、柱を倒して道を作ったり、再生の力で崩れた道を修復しつつ進行します。
調べられそうな場所を視覚的に表示する「サーチモード」があるので探索は楽々。

敵が出現した時は「虚人」の圧倒的なパワーで粉砕!強力なパンチ攻撃の他に、腕を変形させての銃や剣攻撃もアリ。ロマン溢れた戦闘スタイルがカッコ良すぎる!
「虚人」は無敵でも後を付いてくる「智人」がやられるとアウトなので、守りながらの戦いとなります。
「誰かを守りながら戦う」ストレスはゼロ!
これは昔からゲームを遊んでいる人だとあるあるなのですが、アクションゲームにおいてこの「誰かを守りながら戦う」という要素は鬼門。
主人公は強いのに守る対象が弱くて何度もゲームオーバーになったり。守る対象が変なところに引っかかったり。守る対象の足が遅くて待たないといけなかったり……。
そこを「男の子が女の子の手を引いて探検するゲーム」として昇華させた『ICO』のような成功例もありますが、基本的には嫌われがちな要素と言えます。

しかし本作は「智人」をヒョイと持ち上げて軽快に移動できるし、攻撃する時はお手玉して空いた手を使用!
「智人」がダメージを受けてもしばらく手で持っていれば回復。全方位にバリアを張るガードもあるので守りも堅い。
この手のゲームにありがちなストレスが無い作りですね。色々なゲームで味わった自分の恨みが浄化されていく!
緊張感を保ちつつジェットコースターのように進む展開が引き込まれる作りで、豪快な攻撃が気持ち良いバトルに加えて、大量の敵から逃げる場面や、弱い「智人」を先に進ませて見守らねばならない場面、襲ってくる敵を次々に撃退する3Dシューティングパートなどなど。
分かれ道を全部回ってスイッチを探すところがややスローなのは気になりましたが、映画のようなメリハリの利いた展開で楽しませてくれます。

背景美術も素晴らしく、無機質かつミステリアスな遺跡から、生命や文明の痕跡残る巨大な塔へ続き、最後は……という構成にはワクワク。
1500円のゲームとは思えないほどの作り込みで、非常に見応えがあります。
キャラクターを好きになれるストーリー。意外な楽しみ方も!?
写真撮影用のフォトモードも搭載していて表情やポーズの変更も可能、雄大な景色をバックにノリノリな記念撮影も出来ちゃう。「そんなノリのゲームなんだ!?」ってビックリしましたよここ。「智人」かわいいじゃん!

ストーリーはまだまだ謎が多いのですが、「ミヤコ」と「ハコニワ」で構成された壮大な世界設定と、道中で手に入るアイテムで掘り下げられる様々な要素は興味深いところ。「虚人」と「智人」のほっこりするような掛け合いも非常に多く、しっかりと二人が好きになれるシナリオになっていました。

クリアまでは4時間掛からないくらいのボリューム。
最強の兵器・虚人を操作し、最弱の少女・智人を守りながら進む「共依存」がコンセプトのゲーム。
第一章なので「何てところで続編に引くんだ!」となる終わり方でしたが、アクションたっぷりの良質なCGアニメ映画を1本見終わったような満足感。
ハートフルな王道ストーリーで、難易度は低めで操作も分かりやすい。いかつい見た目ながら幅広いユーザーが楽しめる内容だと思いますね。
この二人の冒険の続きが早く見たい……!続編が出るまで本家『紡ギ箱』を買って待つぞ!というのが正しいスタイルかも。お待ちしています!
冒頭でも書きましたが、製作インタビューも近日公開なのでお楽しみに!
ライター紹介

双葉ラー油
老舗ゲームブログ『絶対SIMPLE主義』を20年以上運営するブロガー。「知らないゲームを教えたい!」をスローガンに、大作からニッチな作品まで取り扱う。特撮関連の造詣も深い。謎のマスクを被っているが別にプロレスラーではない。